青山学院大学 AGU NEWS Vol.7
AGUニューズ[2001年12月~2002年2月号]
青山学院大学・広報入試センター広報課
〒150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25 TEL.03-3409-8111(代表)




●第10号発行記念「特別座談会」
 青山学院の将来構想

●総合研究所の
 “改革”がスタート

●クリスマス・ツリー点火祭
●硬式野球部2選手が
 ヤクルトスワローズから
 同時指名



●秋光教授が「紫綬褒章」受章!
●機械創造工学科から
 生まれたエコ・カー

●「りこうがくぶ公開」報告
●本学の2教授
 秋の園遊会に招待される



●アジアの政治
 ―新世紀のアジアと日本の
  関わりを考える―



●高校1・2年生のための
 新キャンパス説明会開催報告

●相模原新キャンパス
 Photograph

●シリーズ大学探訪9
 アーサー・D・ベリー




青山学院大学の週間HOTニュース

青山学院公式ホームページ
www.aoyama.ac.jp


タイトル

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●ロースクールと専門大学院構想

司会 大学では、現在ロースクール設置の動きも始まっていますが、その取り組みについて学長に伺いたいのですが。
学長 現在、法学部の先生方が力を合わせて、カリキュラムや教育システムの検討作業を精力的に行っており、私としてもロースクール設置は何としても実現させなければならない課題と考えています。
院長 法学部が現状維持を続けていけば、おそらく遠からず時代状況から取り残されてしまうわけで、ロースクール設置には全力であたってほしいですね。キリスト教の影響が強い欧米の法体系の中では、人権、自由、人間の精神がその骨格をなしています。これらは本学の教育におけるベーシックな命題でもあり、そのように考えると青山学院大学のロースクールでなければできないこと、学べないことが随分あるんじゃないかと思います。ぜひ、他大学の追随を許さない個性あるロースクールにしていただきたい。設置に至る道のりには困難もあるでしょうが、むしろチャレンジをチェンジのチャンスにする気概で取り組んでください。
学長 ありがとうございます。まだロースクールに関する文部科学省の基本方針が出ていないので、具体的なプランは発表できないのですが、2004年度設立をめどに計画は着々と進捗しております。同時に、経営、経済学部でも高度職業人育成のために専門大学院の設置の動きがあります。そして社会人も対象としたこうした専門大学院を作るにあたって、第二部の話に出ました青山キャンパスの地の利が大きなアドバンテージになっています。他大学が都心にサテライトキャンパスを作っている中、本学ではそんな必要はまったくないのですから。さらに、大学院改革や第二部改組と連動して既存学部の再編成を根本的に考え直さなければならない時期に来ています。


●青山学院大学「人間教育」の今後

司会 最後に、本学のキリスト教に基づく人間教育が、新しい時代に向けてどのような形になっていくのかを少し話し合ってみたいのですが、まず深町院長からお願いします。
院長 時代は今、確実に人間教育を志向しており、キリスト教をバックボーンにしている本学の教育に重要性はますます高まっています。ラテン語にはスキエンチア(知識・科学・技術)とサピエンチア(知恵・叡知・哲学)という言葉がありますが、よく指摘されるようにこれまでのわが国の教育はサピエンチアの面が十分ではありませんでした。この配慮を強化することが、人間教育の大きな目的となります。青山学院大学では従来1年次で学ぶ「キリスト教概論」などを通して人間教育を行ってきましたが、本来は各学部・学科の専門科目の中で、自然な形で行われるべきものではないでしょうか。その上で、自分を見つめ直す機会としての礼拝の時間があり、人のために何ができるかを試すボランティアやNPOなど、宗教センターが主催するプログラムがある……これらが三位一体となった人間教育を考えていきたいですね。また、人間教育を考える際に、私は人格的な影響力の大きさということに思いがおよびます。内村鑑三や新渡戸稲造が札幌農学校でクラーク博士から教えを受けたのは、わずか8ヶ月に過ぎません。そのことを考えると、単に期間の長さでなく、教育の本質は人格的な影響力の強さにあり、そしてその眼目は「科学する精神」と「神への畏敬」ということにあるのではないかと思います。そうした意味でも青山学院の将来構想においてはスクーンメーカー先生、マクレイ博士、ソーパー博士、本多先生はじめガウチャー博士、間島先生など、学院の歴史を作ってきた偉大な先人の思いをしっかりと受け継いでいくことが大切でしょう。将来構想にあたっては変えることのできるもの、変えてはいけないものを識別できる智恵を働かせなければなりません。
理事長 キリスト教教育、つまり宗教教育というものは、実は私学でなければできないことであり、本学としての独自性を発揮するための核になる大切な部分でもあります。私はキリスト教的な考え方に触れることによって、国内だけでなく、グローバルに活躍できる若者が本学から多く生まれることを期待しています。人間教育、ひいては国際教育という観点からも、キリスト教を建学の理念とする本学の教育をもっとアピールしていきたいですね。
司会 大学では現在、全学共通科目に関する検討が行われていますが、その中で人間教育はどのように扱われているのですか。
学長 学長の諮問機関として「共通教育のあり方検討委員会」を組織していますが、新しい共通教育の中で“青山スタンダード”という考え方を打ち出していこうとしています。すなわち「およそ本学を卒業した学生であるならば、どの学部学科に関わらず一定の範囲の知識・教養と一定の水準の技術能力を備えているという評価を得られる学生を社会に送り出す」……そうして考えられている全学共通科目の基礎スタンダード科目群の中には、語学教育・情報教育関連科目と共に、「青山学院史」などのユニバーシティ・アイデンティティ科目というものを設けています。ここでキリスト教精神に基づく本学ならではの人間教育を徹底して行うことを考えています。これは他大学にはないユニークな試みで、現在各学部の先生が集まって、その中身について精力的に論議しています。
院長 それはいいですね。期待しています。
学長 また、人間教育というものを考える際、大学が研究の場だけでなく、教育機関であるという教員サイドの明確な認識が重要になってきます。すなわち学生に対して学費に見合った教育・サービスを徹底してやるという個々の姿勢です。専門家の一人よがりの教育ではなく、常に学生の身になって考え、とことん面倒を見ることに力を尽くすよう、すべての教員の意識変革を促したいと思っています。
理事長 そうしたサービスに対する意識は、事務組織においても徹底させていきたいですね。あらゆる面で学生が「来て良かった」と思える大学にしていきましょう。最後に言っておきたいことがあります。私たちは青山学院をより良くしようと思って、これまで述べてきたような改革に取り組んでいるわけですが、本当にそれが良いものかどうかは、20~30年後の人々の判断を待つしかありません。しかし、きっと良かったと未来の人々に思われるよう、決して今の自分たちのためではなく、将来の人々のためという精神で臨んでいます。
司会 それはとても重要なことですね。本日の会で青山学院の将来構想の概略がわかったと思います。本日はお忙しい所、ありがとうございました。(2001年11月28日・於青山キャンパス)

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