青山学院大学 AGU NEWS Vol.15
AGUニューズ[2002年12月~2003年2月号]
青山学院大学・広報入試センター広報課
〒150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25 TEL.03-3409-8111(代表)



特集
●さよなら
 厚木・世田谷キャンパス

●AGU TOPIC
 国際政治経済学部
 小宮教授が文化勲章を受章


TOPICS
●2002年度
 青山学院国際交流の集い

●相模原キャンパスでの
 情報アシスタント制度について


報告・お知らせ
●相模原キャンパス
 授業時間帯が決定

●厚木キャンパスの樹木、
 ステンドグラス・カリオンを
 移植・移設

●新役職員紹介
●「英語教育学」
 「コミュニケーション」
 領域において、
 大学院生研究指導開始!!

●本学より教授2名が
 園遊会に招待される

●公共選択学会「学生の集い」で
 経済学部中村ゼミ生が最優秀賞

●日弁連主催学生ディベートに
 本学学生が参加

●自動車部がエコカー
 ドライビングコンテストで優勝

●カレッジソング石碑除幕式
●Club & Circle Information

誌上公開講座
●身ぶりと対話

INFORMATION
●相模原新キャンパス説明会開催
●News Index
●歴代院長とその時代1
 ロバート・S・マクレイ


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インフォメーション
タイトル
国際経済学と戦後日本経済の実証的研究で
近代経済学の発展に貢献したことが評価され、
本学国際政治経済学部小宮隆太郎教授が
2002年11月、文化勲章を受章しました。
最近も金融政策に関する論争書を編纂するなど、
活発に研究活動を展開する小宮教授に
ご自身の研究者としての“原点”などについて、
さまざまなお話をうかがいました。


小宮 隆太郎
国際政治経済学部 教授
小宮 隆太郎

1928年京都市生まれ。東京大学経済学部卒業。東京大学経済学部助教授・教授・学部長、ハーバード大学経済研究所所員、スタンフォード大学客員教授を歴任。1987年の創設以来、1997年まで通産省通商産業研究所の所長を務めた。著書に『現代日本経済』『現代中国経済』(以上、東大出版会)、『日本の産業・貿易の経済分析』『貿易黒字・赤字の経済学』(以上、東洋経済新報社)、『金融政策論議の争点』(日本経済新聞社)などがある。

──経済学を志した動機は?

小宮 父がエンジニアということもあり、旧制高校では理科のクラスでした。ところが当時工学部の入試には図学(Drawing)という科目があり、これが大の苦手。そこで、迷った挙げ句、もっともサイエンスに近い文系領域として経済学を選んだのです。父に言うと「なぜ、そんなつまらない学問を勉強するんだ」と失望していました(笑)。研究者になったのも実は偶然で、もともとサラリーマンになるつもりでした。ところが、大学卒業の半年前に「助手募集」という学内掲示を見たことがきっかけで、学問の道に進むことになったのです。

──当時、東大の経済学部の主流はマルクス経済学でしたが、小宮先生は近代経済学を専攻されましたね。

小宮 中学からの親友の父上に近代経済学の木村健康先生を紹介して頂いたからです。これも偶然ですね。木村先生は、戦時中に軍部批判を行い言論弾圧を受けた自由主義者の河合栄次郎先生のお弟子さんで、河合裁判で特別弁護人を務めた方です。そして、河合裁判一審で無罪の判決を出したのが、私に紹介状を書いてくださった親友の父上だったのです。

──小宮先生の研究者としての道は、さまざまな巡り合わせのもとに形成されていったのですね。

小宮 そうですね。出会いというものは、人生で大切なことだと思います。人の生き方は、合理主義では割り切れません。そして、そうした出会いを生かすためには、ふだんから誠実に生き、周囲の人々を信頼し、また信頼を得ておくことが大切でしょう。

──研究者になって、間もなくアメリカに留学されていますね。

小宮 まさに“赤貧洗うが如し”というアメリカ生活でしたが、ハーバード大学経済研究所で所員として働きながら、自分が研究者として自立してやっていけそうだと感じました。経済理論をしっかり学ぶとともに、丹念にデータを集め、事実を調べるというアメリカ流の研究姿勢は、日本に帰国後も生かされることになります。従来、わが国の近代経済学は理論研究中心で、実際の経済政策を理論的に研究する学者は少なかったのです。そうした中で私は政府の低金利政策や資本自由化などのテーマを取り上げて論じました。

──そうした研究活動の集積が今回の文化勲章に結びついたわけですね。

小宮 私自身、正直言って、びっくりしています。今年ノーベル賞受賞者の田中耕一さんや小柴昌俊さんの場合、受賞理由ははっきりしていますが、私の場合はやや漠然としていますから……。まあ、私の世代の仲間は、いわゆる近代経済学の考え方で日本の経済問題を分析しようとした最初の世代です。今回の文化勲章は、私ひとりだけではなく、私と同じジェネレーションの仲間を代表して頂いたのだと感じています。



──最後に青山学院大学の学生たちへのメッセージをお願いします。

小宮 最近、学力低下とか、若い世代は頼りないとか言われますが、私はそうは思いません。学生たちを頼もしく感じていますし、日本の未来に対しても楽観的です。演習の学生が書く論文は東大時代の学生の論文よりレベルが高い……そう言うと東大生の演習のOBに嫌がられますが(笑)。インターネットなどで、論文を書くためのデータや資料が集めやすくなったのですから当然ですが、最近の大学生の知的レベルが下がっているとは決して思いません。だから、私から若い世代へのメッセージは「君たちを頼りにしてるよ」ということでしょうか(笑)。

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