青山学院大学 AGU NEWS Vol.1
AGUニューズ[12~2月号]
青山学院大学・広報入試センター広報課
〒150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25 TEL.03-3409-8111(代表)




●昼夜開講制文学部心理学科が認可
●私立大学初の専門大学院
 国際マネジメント研究科開設



●新キャンパスの名称を募集中


●クリスマス・ツリー点火祭 
~光は暗闇の中で輝いている~

●青山祭
●りこうがくぶ公開
●オープンキャンパスの
 アンケート結果から…

●国際交流の集い


●成人病について


●一般入学試験日程
●シドニーオリンピックで大活躍
●学院の壁面に
 「シドニーオリンピック写真展」

●シリーズ大学探訪4
 ロバート・S・マクレイ






青山学院大学の週間HOTニュース

青山学院公式ホームページ
www.aoyama.ac.jp




成人病について
法学部教授
小薗教授



 現在、日本は40歳まではほとんど全ての国民が生存する世界屈指の長寿国で、平均余命は平成10年度で男性77.16歳、女性84.01歳と、男女とも世界一です。ただ、人間の限界寿命である120歳と比べるとまだだいぶ低く、とくに中年以降の死亡率の増加に関しては改善の余地が大きいようです。そこで、近年の死亡原因を見てみると、1位の悪性新生物(悪性腫瘍とも言う)、2位の心疾患、3位の脳血管疾患で6割以上を占めています。これらの疾患はいずれも中高年に多く見られ、その制圧が中高年の死亡率の改善につながることは明らかです。そのため、働き盛りに多い悪性新生物、心疾患、脳血管疾患などの重大な疾病や、これらの疾病と関係の深い高血圧、高脂血症、糖尿病などの一連の疾患を「成人病」と名付けて、中高年を対象に早期発見・早期治療(2次予防)できるように、昭和30年代からいわゆる成人病検診が行なわれてきました。しかし、近年、こうした成人病は、検診で早期に発見して早期から治療するよりも、むしろ発症そのものを予防(1次予防)するほうが費用対効果比が高いのではないかと考えられるようになってきました。そのため、平成に入ってから「生活習慣病」という概念が提唱されました。すなわち、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」が生活習慣病と定義され、厚生省から生活習慣病を予防するための指針が発表されました。通常、生活習慣は小児期にその基本が形成されるため、中高年になって成人病を発症してから生活習慣を改善するよりも、小児期のうちから健康教育を徹底して望ましい生活習慣を身につけさせて、成人病の発症そのものを抑制するほうがより確実である、というわけです。疾病としてはこれまでの成人病とほとんど同じですが、成人病というと中高年になってから気をつければ良いという響きがあるので、若いうちから気をつけてもらうために病名を生活習慣病に変更したのです。

 それでは、具体的にどのような生活習慣が望ましいかというと、従来、Breslowの7つの健康習慣が有名です。これは、適正な睡眠時間、禁煙、適正体重の維持、過度の飲酒をしない、定期的にかなりの運動をする、朝食を毎日とる、間食しない、の7項目です。中年でこれらの生活習慣が3つ以下の人の平均余命は22年、5つあると28年、6つ以上あると33年と、実施している数が多いほど寿命が長く、有病率も低いと報告されています。こうした東西の科学的なデータをもとに、厚生省は、食事、運動、休養、タバコ、アルコールといった生活習慣について「健康日本21」という勧告書を今春発表しました。少し具体的に紹介すると、食事の目標は、「適正体重を維持することを基本とし、食事中の脂肪エネルギーを25%以下、塩分を10g以下に、乳製品130g以上、野菜を350g以上、豆類100g以上、緑黄色野菜120g以上とるようにする。朝食をとり、毎日最低1食はきちんとした食事を家族などと2人以上で楽しく30分以上かけてとる。」です。油を控えて、毎食てのひら一杯分の野菜を取るようにすると良いでしょう。運動に関しては、「週2回以上、1回30分以上の息が少しはずむ程度の運動を目標に、まずはウォーキングから始める。こうした息がはずむ運動とは別に毎日1万歩以上歩くようにする。」との目標が定められました。ちなみに1000歩=10分=600~800mの目安です。休養については、健康的な睡眠に加えて、趣味、旅行といったリクリエーションなどの必要性が強調されました。タバコについては、喫煙と疾病との関連は明らかであり、1本でも少なくすることが大切と勧告され、アルコールについては、1日当たり純アルコールを男性では10~19g、女性では9g以下摂取する場合に最も死亡率が低く、適正な飲酒量として一日当たり男性で20g程度、女性ではその半分が推奨されました。ちなみに純アルコール20g≒ビール大1本≒清酒1合≒ウィスキーダブル1杯です。

 健康的な生活習慣は、もちろん若いうちから実践することが望ましいわけですが、実践するに遅すぎるということはありません。年齢にかかわらず、タバコは吸わないほうが良いし、運動はしたほうが良いし、暴飲暴食はしない方が良いわけです。こうした生活習慣の改善が年齢に関係なく健康に良いことは直感的に明らかでしょう。今からでも遅くありません。毎日、少しずつでも良いですから、できることを行って、将来の日常生活の質を今のうちから改善することにしましょう。

生活習慣病を予防するための食事の要点
  1. 総エネルギーの制限(25~30kcal/kg/day)。
  2. 脂肪はエネルギー換算で25%以下とし、特に飽和脂肪酸からのエネルギーは総エネルギーの7%以下とする。飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸=1:1.3:1程度とする。
  3. コレステロールは一日300mg以下とする。
  4. 塩分は一日10g以下とする。
  5. 食物繊維、特に水溶性繊維を一日20g以上摂取する。
  6. 大豆などの植物蛋白も多めに摂取する。
  7. ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化ビタミンやフラボノイドなどの抗酸化食品を十分摂る。

200kcalの運動例(体重60kg)
健康のためには、毎日日常生活に加えて200kcal程度を消費するような運動を行うと良い。
体重60kgの人が200kcalを消費する運動時間
ゲートボール100分、野球70分、1分あたり70~80mの歩行、階段降り、サイクリング・ゆっくりした水中歩行各60分、ラジオ体操50分、1分あたり90~100mの速歩・卓球・バドミントン各40分、1分あたり140mのジョギング・階段昇り・速い水中歩行・テニス・バレーボール各30分





1959年東京生まれ。慶應義塾大学医学部卒業後、1998年まで同大学医学部内科学教室、老年科学教室に在籍。この間1992年に博士号(医学)取得。1993~1995年テキサス大学ダラス校医学部消化器内科学教室に留学。動脈硬化評議員、老年医学会指導医、認定内科専門医、認定産業医、認定健康スポーツ医、プライマリケア認定医。

●ページのトップへ戻る●

HOME PAGE COPYRIGHT:AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY