青山学院大学 AGU NEWS Vol.7
AGUニューズ[2001年5~6月号]
青山学院大学・広報入試センター広報課
〒150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25 TEL.03-3409-8111(代表)




●一般入学試験志願者が大幅増加


●新入生へのメッセージ
●交換留学協定校が増加
●英語各種資格検定試験の
 活用について



●2000年度
 課外活動を振り返って

●2000年度 体育会
 優秀団体・選手表彰祝賀会

●2000年度第2回学生表彰
●2000年度 公認会計士試験、
 国家公務員1種試験、司法試験
 合格者を囲む会開催

●Web版履修登録がスタート
●広告論文電通賞で最優秀賞
●2001年度新任専任教員一覧
●2001年度新役職員紹介
●総合研究所研究成果発表状況
●秋光教授に表彰状を授与
●校友センターが設立されました


●禁教下の日蘭関係
 ―400年におよぶ文化交流―



●2001年度進学相談会開催日程
●前期青山学院大学公開講座
●オープンキャンパス開催日程
●相模原新キャンパス
 Photograph

●半田学長が始球式
●2000年度学位授与式
●2001年度入学式
●シリーズ大学探訪6
 フィランダー・スミス




青山学院大学の週間HOTニュース

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禁教下の日蘭関係
文学部教授
片桐一男



 2000年は日蘭交流400周年記念の1年間。多彩に盛り沢山の催しが両国で続いた。
 1600年4月19日、初のオランダ船リーフデ号が豊後国(大分県)臼杵湾に漂着したとき、すでに南蛮のポルトガル人が布教と貿易に従事していた。

・キリスト教の蔓延は断然防止しなければならない。
・しかし、貿易は断然継続しなければならない。

この二つの目的を解決するために、江戸幕府は、1634年、長崎の有力町人25名に出資させて、一つの人工島を造り、長崎市中に雑居していたポルトガル人を隔離・居住させることとし、1636年、出島が完成した。
 しかし、大規模なキリシタン農民一揆であった島原の乱(1637-8)がおきた。鎮圧の翌1639年、ポルトガル人をマカオに追放、ポルトガル船の来航を厳禁、キリスト教流入の根源を断った。出島は、3年ではやばやと空き家になった。

 貿易の継続をのぞむ幕府は、島原の乱を通じて、キリスト教の布教に手をかさないことを見極めたうえで、平戸のオランダ商館(1609年設置)を1641年に長崎の出島に移転させた。対ヨーロッパ貿易の唯一の担当者とし、管理をはかったのである。
 以来、幕末の開国に至るまで200余年の長きにわたって、長崎出島が日欧貿易の拠点となり、異文化交流の舞台となった。
 ヨーロッパ人として唯一対日貿易を継続し、巨利を得たオランダ商館の責任者である商館長・カピタンに対して、幕府は「御礼」の義務を課した。
 その年の貿易業務を終えて、翌年の繁忙な業務までの閑の期間に、カピタンは出島を発って江戸まで禁教下の日本を旅した。将軍に拝謁、貿易の継続を謝し、献上物を呈上した。これをオランダ商館長・カピタンの江戸参府と呼び、御礼参り、拝礼とも呼んでいる。
 参府の初めは1609年のこと。台湾事件(1628-32)により一時中絶していた日蘭貿易が再開された1633年から毎春の定例となった。

 1790年からは、貿易半減にともなって、5年目ごと、すなわち4年に1度と改定され、休年には阿蘭陀通詞によって半減の献上と代参が行われた。1850年度分まで、定例回数は166回の多さを数えた。
 唯一の国際貿易港長崎の入口で、入港を許可する唐・蘭貿易船と、入港を拒否する異国船とを、いかに識別し、対応するか。これは、危機管理の成否にかかわる重大事であった。
 そのなかで行われた、貿易交渉、海外世界の情報入手、人的・物的交流の実態はいかなるものであったか。それは、アジアとヨーロッパとの関係において、いかなる意味をもつものであったか。

 カピタンが随員を従い、日本人役人に厳重に警護されて、禁教下の日本を3ヶ月間旅した江戸参府。人員構成と道中はどんなものであったか。拝礼と献上物はいかなる具合でであったか。返礼はどんなものであったか。通過する主要都市、泊まった阿蘭陀宿における交流はいかなるものであったか。人と、物と、情報と、いかに通過していったか。
 〈出島〉は日本とヨーロッパの接点となった交流の舞台。〈江戸参府〉は禁教下に行われた日本とヨーロッパ異文化交流のルート。
 この〈舞台〉と〈ルート〉、アジアとヨーロッパを、いかに、切り結んだか。問題の魅力、尽きるところがない。
 『出島―異文化交流の舞台―』(集英社新書)と、『江戸のオランダ人―カピタンの江戸参府』(中公新書)で、実態がみえてくる。




青山学院大学文学部教授・文学博士。1934年新潟県生まれ。日蘭文化交渉史専攻。『阿蘭陀通詞の研究』で角川源義賞受賞。著書多数。2000年、駐日オランダ王国大使の依嘱により、日蘭交流400周年記念事業の一つ「江戸参府2000」の総監修をつとめた。

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