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学部長あいさつ

地球社会共生学部長 平澤 典男の写真

地球社会共生学部長
平澤 典男 [Norio Hirasawa]

2015年4月、相模原キャンパスに青山学院大学10番目の学部として『地球社会共生学部』 は誕生しました。教養の二文字を擁した学部名を持つグローバル系大学が多い中、この学部は途上国・新興国で求められる社会科学系のグローバル人材を育成することをミッションとすると自己定義した学部です。

ところで、大学の重要な役割のひとつは、学生が卒業後、社会で役立つ知恵と力を身に付けてもらうことです。いま、世界のGDPの4割を欧米諸国が生産し、アジアは3割ですが、この学部を卒業した諸君が社会の中心となって活躍する2040年代、50年代には欧米が2割、アジアが5割、アフリカが3割になると予測されています。世界はアジアの時代に向かって、今ダイナミックな変化が始まっているのです。少子高齢化で人口減少社会となりつつあるわが国ですが、これからも世界の中で尊敬され重要な役割を果たして行くためには、新興国・途上国と呼ばれているアジア・アフリカ各国との「共生」をベースにした協調関係が不可欠です。

私たちの学部は、そうした場面で活躍し貢献できる人材を創るべく、単なる教養ではなく、新興国、途上国の発展を阻んでいる「差別」「貧困」「紛争」「情報格差」の4つの問題にアプローチするための専門的な学問を学べるカリキュラムを準備しました(「学びの特色とカリキュラム」の項を参照してください)。このように、地球社会共生学部のユニークなところは、『これから始まるアジアの時代に、現場で活躍できる人材』という人作りのターゲットを決めたところから、必用な学問領域をピックアップして1つの学部にギュッと詰め込んだところにあります。

途上国・新興国で働くグローバル人材は特にタフでなければなりません。主体性、積極性、協調性、リーダーシップ、突破力、ストレス耐性を備えたタフな人材はどうやって育てられるのでしょうか。大きな問題ですが、われわれの導いた解答は「学生全員にアジアへの半期以上のフィールドワーク型留学を必須とする」というチャレンジングな決断です。本学が伝統的に数多く送り出し、リスクも少ない欧米への留学をあえて避け、学部コンセプト、あるいは将来のキャリアに直結するアジアへの留学を必修のプログラムとして取り入れたのです。しかもフィールドワークの宿題をもっての留学です。学生ひとりひとりを意識的にコンフォートゾーンから追い出し、自らに負荷をかける経験をさせます。半期はかなり長い。カルチャーショック、異文化からの阻害、場合によってはホームシックも経験するかもしれません。しかし、わたしたちは「体験すること以上に効果のある教育はない」との信念のもと、あえて難しい選択をしました。これを乗り越えた学生は必ずや、一回りもふた周りも人間として大きくなっていることでしょう。

そして最後に、地球規模の課題に挑戦する方法を伝えることのできる教員が集まりました。諸君にグローバル社会で必須となる語学力、多様な文化を理解する力、現代地球社会の諸問題に理論的に接近する力を伝えることができます。また、十分な実務経験を有した教員が、諸君に現実の社会のよい導き手となってくれるはずです。この学部で過ごす4年間で、諸君ひとりひとりが、より具体的な目標を見つけ、世界を貢献の場として活躍する能力を身に着けてくれることを期待します。

これからの地球社会において、地球上の片隅で生きる人を含め全てのひとが、差別や貧困、紛争、情報の格差から自由になれ、共に助け合って生きる社会を築いていく方法を探ろうという学部ですが、この目的自体はとても実現できそうもない夢のようなものかもしれません。それよりも資格や就職を考えるべきだという意見が正しいのかもしれません。しかし、少なくともこの学部は、誰かが取り組まなければならないこれらの課題に挑戦する方法を諸君とともに考えていきたいと思います。

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