高峰愛子助教(理工学部物理・数理学科)が「日本物理学会第9回若手奨励賞」を受賞



高峰愛子助教(理工学部物理・数理学科 前田研究室)が、「日本物理学会第9回若手奨励賞(実験核物理領域)」を受賞しました。
同賞は、日本物理学会が、将来の物理学を担う優秀な若手研究者に対しておくるものです。

高峰助教の研究分野は、「原子物理・原子核物理」で、レーザーを使って主に冷却イオン・原子に関する実験研究を行っています。
今回受賞した論文は、「Hyperfine Structure Constant of the Neutron Halo Nucleus 11Be+, Physical Review Letters 112, 162502 (2014)」*(理化学研究所との共同研究)で、中性子ハロー核**である放射性同位体ベリリウム11(半減期14秒)の超微細構造定数***を高精度で決定したものです。

高峰助教が行っている共同研究は、今後、電磁相互作用による原子核研究の進展につながること等が期待されており、その共同研究において高峰助教の貢献が非常に大きかったことが評価され「日本物理学会第9回若手奨励賞」にふさわしいと認められました。
なお、「日本物理学会 若手奨励賞」は、第6回から今回まで4年連続で受賞当時、本学理工学部物理・数理学科に所属している教員が受賞しています。

* 高峰助教が「日本物理学会第9回若手奨励賞」を受賞した共同研究論文タイトル
「Hyperfine Structure Constant of the Neutron Halo Nucleus 11Be+, Aiko Takamine, Michiharu Wada, Kunihiro Okada, Tetsu Sonoda, Peter Schury, Takashi Nakamura, Yasuyuki Kanai, Toshiyuki Kubo, Ichiro Katayama, Shunsuke Ohtani, Hermann Wollnik, and Hans A. Schuessler, Physical Review Letters 112, 162502 5pages (2014)」

** 中性子ハロー核
原子核は陽子と中性子からできています。世の中に安定して存在する原子核における常識では、原子核を構成する陽子と中性子は均等に分布し、その体積密度は原子核の種類によらずほぼ一定とされてきました。一方、近年、不安定な原子核を高強度で生成することが可能になり不安定核に対する研究が進み、中性子数が陽子数に比べてはるかに多い不安定核の中には、余分な中性子が大きく広がっている「ハロー構造」を持つものが発見されました。ベリリウム11は余った中性子の中で1個の中性子が大きく広がっている1中性子ハロー核として知られています。

*** 超微細構造定数
電子と原子核の相互作用により、原子スペクトルの中には超微細構造と呼ばれるエネルギー分離が生じます。その大きさを定義する量が超微細構造定数です。超微細構造準位間の遷移エネルギーは現在最も精密に測定可能な物理量のひとつであり、例えば、時間標準として用いられている原子時計は、セシウム原子の超微細構造遷移周波数を基にしています。今回レーザー冷却したベリリウム11イオンの超微細構造定数を高い精度で決定することに成功しました。電荷を持たない中性子の広がりを直接測定することは困難でしたが、今後引き続き行われるベリリウム11の核磁気モーメント(原子核の棒磁石としての強さを表す量)の精密測定と今回の結果を合わせて、ハロー中性子の広がりを初めて電磁相互作用で決定することが期待されます。

関連情報

本受賞の対象となった研究の詳細は、理化学研究所からプレスリリース(以下)として発表されています。

http://www.riken.jp/pr/press/2014/20140424_1/

2014.11.12