庭井史絵さん(教育人間科学・博士後期3年)が、2017年度日本教育情報学会「論文賞」を受賞



庭井史絵さん(教育人間科学研究科教育学専攻 博士後期課程3年 小田光宏教授研究室)が、2017年度日本教育情報学会「論文賞」を受賞しました。

同賞は、同学会が発刊する機関誌『教育情報研究』に掲載された原著論文の中で、日本の教育情報学研究において、理論または実践における優れた貢献を果たしたと認められたものに対して贈られるものです。2017年度の論文賞は、2016年度発刊の同誌32巻の各号に掲載された論文の中から、選ばれたものです。

受賞対象となった論文は、「教科による情報活用能力育成と「図書館利用指導」の比較-教師用教科指導書の記述を手がかりとした分析-」(『教育情報研究』32巻2号掲載)で、「学校図書館利用指導の内容」が、中学校の各教科の中でどのように取り扱われているかを記述分析によって解明した、基礎的な研究です。

本研究は、学校図書館員(司書教諭または学校司書)が行おうとする「学校図書館利用指導の内容」が、中学校の各教科において、どのように取り扱われているかを確認し、それによって、情報活用能力育成における学校図書館利用指導の独自性や役割について明らかにすることを目的としています。研究方法としては、教師用指導書に着目し、情報の探索あるいは情報の利用に関する指導内容と認識できる記述を抽出し、「学校図書館利用指導の内容」と比較しています。検証対象とした「学校図書館利用指導の内容」は、学校図書館法が改正された1997年以降の関係書籍に示されている学校図書館利用指導に関する記載を、25分野119項目に整理したものです。この整理に関しては、「「学校図書館利用指導」で取り扱われる知識と技能」『現代の図書館』53巻4号(2015)に詳述されていますが、庭井さんの着実な研究の進展を物語るものとなっています。

本研究においては、学校図書館利用指導で取り扱う知識・技能は、「教科でも同じように取り上げられているもの」「一部が教科でも指導されているもの」「教科では取り扱われていないもの」の三つに類別できることを、分析の結果として導き出しています。一方、学校図書館利用指導は、「生徒が自ら情報を探し出すこと」「多様な情報源の特徴を活かして利用すること」「適切な形で記録を取ること」に焦点を合わせるが通例であり、教科における指導とは異なる領域となります。そうした知識・技術は、探究的な学習において強く求められていることから、学校図書館と各教科が連携して情報活用能力の育成を行うことは、教育活動の効果を高めるために、大きな意義があることを明らかにしたことになります。

授賞式は、2017年8月26日(土)に、芦屋大学(兵庫県芦屋市)で開催される、日本教育情報学会第33回年会の場で執り行われます。

図書館本館(青山キャンパス)

2017.07.24