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2017.09.27

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宮田翔馬さんが、「奨励賞」を受賞

2017年7月21日 (金)、22日 (土)、JPタワー名古屋ホール&カンファレンスで開催された「第39回 日本光医学・光生物学会」において、宮田翔馬さん(理工学研究科化学コース2年・鈴木正教授研究室)が「新規チオグアニン誘導体の光化学特性」という題目で奨励賞受賞講演を行いました。
この講演は、2016年7月22日(金)、23日(土)、京都リサーチパーク サイエンスホールで開催された「第38回 日本光医学・光生物学会」において、宮田さん(発表当時1年)の研究発表が「奨励賞」を受賞したことによるものです。

宮田さんは、生物の遺伝情報を担う DNA の構成要素である核酸塩基*1に、硫黄原子を修飾した「チオ置換核酸塩基」を新規に合成し、その励起状態*2について研究しました。「チオ置換核酸塩基」は、様々な環境下において一重項酸素という活性酸素種を生成することを明らかにしました。この活性酸素種は、細胞毒性が高いことが知られています。この研究は、チオ置換核酸塩基が、光で癌を治療する「光線力学療法」の薬剤となる可能性をはじめて示しました。
この研究成果が高く評価され、栄えある奨励賞が授与されました。

「日本光医学・光生物学会」は、人類をはじめ生物が光と関わる事象をテーマとし、医学、生物学、化学、工学、薬学、物理学など様々な分野の研究者が集まり討論を行う学際的な学会です。

  • *1 核酸塩基とは・・・

    DNAに含まれる核酸塩基は4種類あります。グアニン、アデニン、チミン、シトシンとよばれる物質ですが、この核酸塩基3つがセットで1つのアミノ酸に対応しています。タンパク質はアミノ酸がつながったもの(ポリマー)なので、DNA中の遺伝情報はタンパク質の設計図とみなすことができます。

  • *2 励起状態とは・・・

    分子が光を吸収するとエネルギーの高い状態になります。これを励起状態(電子励起状態)といいます。励起状態はエネルギーが高く不安定な状態なので、分子は光を放出して元の安定な状態に戻ったり(発光)、化学反応を引き起こしたりします。