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2018.01.11

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本多夏穂さんと中野綾香さんが第38回日本熱物性シンポジウムにおいて学生ベストプレゼンテーション賞を受賞

本多夏穂さん(理工学研究科理工学専攻機能物質創成コース博士前期課程2年・重里 有三研究室)、中野綾香さん(同コース博士前期課程1年・同研究室) が、2017年11月7日~11月9日、産業技術総合研究所 つくばセンターで開催された第38回日本熱物性シンポジウムにおいて学生ベストプレゼンテーション賞を受賞しました。

日本熱物性シンポジウムは、日本熱物性学会が主催する物質の熱力学的性質,熱・物質輸送,熱輻射,熱物性の計測・応用,物質・エネルギーと自然・生活環境に関する熱物性科学・工学およびその関連領域に関するシンポジウムで、全国の大学、企業、研究機関から多数の研究者・大学院生が集まり毎年開催されてきており、今回で第38回目となります。学生ベストプレゼンテーション賞は、同シンポジウムで学生によって行われた優れた研究発表(口頭発表)に対して贈られるものです。選考等に関する詳細は以下の(関連情報)をご参照ください。

受賞した講演は以下の通りです。

●エピタキシャルZnO薄膜におけるフォノン熱伝導率の結晶方位依存性
CRYSTALLOGRAPHIC ORIENTATION DEPENDENCE OF THERMAL CONDUCTIVITY FOR THE EPITAXIAL ZnO THIN FILMS
本多夏穂(理工学研究科博士前期課程2年・重里有三教授研究室)
山下雄一郎(産業技術研究所主任研究員、青山学院大学客員准教授)
賈 軍軍(理工学部化学・生命科学科助教)
八木貴志(産業技術総合研究所主任研究員、青山学院大学客員准教授)
中村新一(理工学部附置機器分析センター)
竹歳尚之(産業技術総合研究所副研究部門長、青山学院大学客員教授)
重里有三(理工学部化学・生命科学科教授)

● ヘテロエピタキシャルITO薄膜における熱と電気の輸送特性
THERMAL AND ELECTRICAL TRANSPORT PROPERTIES OF HETEROEPITAXIAL ITO THIN FILMS
中野綾香(理工学研究科博士前期課程1年・重里有三教授研究室)
竹歳尚之(産業技術総合研究所副研究部門長、青山学院大学客員教授)
山下雄一郎(産業技術研究所主任研究員、青山学院大学客員准教授)
八木貴志(産業技術総合研究所主任研究員、青山学院大学客員准教授)
中村新一(理工学部附置機器分析センター)
賈 軍軍(理工学部化学・生命科学科助教)
重里有三(理工学部化学・生命科学科教授)

本多さんの研究は、サファイヤ単結晶基板上に成長させた脱インジウム透明導電膜であるアルミニウムをドープした酸化亜鉛(AZO)薄膜の熱物性解析に関するものです。結晶方位がほぼ完全にそろった薄膜を合成し、結晶構造、電気物性や熱物性を詳細に解析しました。このヘテロエピタキシャル酸化亜鉛薄膜に関してフォノン(格子振動を量子化したもの)による熱伝導機構を高精度で解析しその機構を解明しました。中野さんの研究は現在最も広い分野で応用されているスズをドープした酸化インジウム(ITO)薄膜に関するものです。異なる結晶面にカットされたイットリウム安定化ジルコニア(YSZ)単結晶基板表面に異なる結晶方位にヘテロエピタキシャル成長させることで、熱物性の結晶学的異方性解析を行ったものです。二人は、ピコ秒(10-12秒)レーザーを用いて薄膜表面から熱が逃げていく素早い現象を定量的に解析し、シミュレーションを行うことで定量的な熱拡散率の解析に成功しました。これらは本学と産業技術総合研究所の連携大学院での共同研究・教育成果として得られたものです。
二人の研究発表は、研究内容の独創性、学術的な意味、実用化に向けた有用性、口頭発表の論理構成、原子レベルでの高度な結晶構造・組成制御と構造解析結果等のデータの豊富さ、プレゼンテーションのわかりやすさ等について専門分野の審査員から高い評価を受け、同賞に値すると認められました。

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