菅野絵理奈さん(理工、物理・数理4年)が、The 1st Asia-Oceania Conference on Neutron ScatteringにおいてThe AOCNS Poster Awardを受賞


理工学部物理・数理学科4年の菅野絵理奈さん(秋光研究室所属)の研究発表が、2011年11月20日(日)~24日(木)、つくば国際会議場(茨城県つくば市)で開催された「The 1st Asia-Oceania Conference on Neutron Scattering」において、「The AOCNS Poster Award」を受賞しました。本賞は、本大会で418件のポスター発表の中から最も優れた発表に対して贈られるものです。研究発表を行ったのはほとんどが国内外のトップレベルの中性子散乱測定を専門とする研究者ですが、その中にまじって菅野さんは発表を行い、なおかつ賞を授与されました。

受賞した研究発表は、「Chiral Helimagnetism in T1/3NbS2T = Cr, Mn)」です。電子ひとつひとつは実は小さな磁石であり、微小の棒磁石とみなせます。左右の手のように2種の互いに重ね合わせられない構造を持つ磁性体(カイラル磁性体)では、この棒磁石の配置がらせん状になること(らせん磁気構造)があります。また、カイラル磁性体は、多段階的に変化する電気抵抗値をメモリとして応用できるという理論的な予言がなされていますが、この現象を確認できる候補物質が非常に少ないことが問題となっていました。菅野さんは、遷移金属を特定の配合比とすることで新規カイラル磁性体を合成することに成功しました。また、中性子回折測定をInstitut Laue-Langevin(フランス)及びLaboratoire Léon Brillouin(フランス)で行い、新規カイラル磁性体がらせん磁気構造を形成することを発見しました。これらの成果は、将来的にハードディスクなどの磁気記録の超高密度化技術などに応用されることが期待されます。

なお、本研究は、九州工業大学・広島大学・大阪府立大学・Universidad de Zaragoza(スペイン)・Institut Laue-Langevin・Laboratoire Léon Brillouinとの共同研究であり、科学研究費補助金(基盤研究(A)(No.22245023)及び研究活動スタート支援(No.22840038))、日本中性子科学会震災対応学会員旅費支援の助成を受けています。
「The AOCNS Poster Award」を受賞した
菅野 絵理奈さん(写真右)と指導教官の秋光 純教授(写真左)