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アジアの生活と文化

青山学院女子短期大学 現代教養学科准教授 輪島 達郎

青山学院女子短期大学
現代教養学科准教授
輪島 達郎 [Tatsuroh Wajima]

琉球の歌と踊りと祈り

第1回 2017/5/13(土)

本講座では、王国時代から明治時代に成立した沖縄の伝統芸能が表現している豊かな精神世界を味わいたいと思います。そのためには、琉球語による歌詞を理解し、踊りの所作や衣装や道具の意味を理解し、それらの背景をなす琉球・沖縄の歴史と文化の理解する必要があります。そこで本講座では、歌や踊りの実演をまじえながら、琉球芸能に初めて触れる方にもわかりやすく、その意味をていねいに解き明かしていきます。

15世紀に統一された琉球王国は、中国とのあいだに冊封(さくほう)関係と呼ばれる外交関係を結んでいました。琉球国王は、中国皇帝に朝貢し、礼をつくすかわりに、中国皇帝は琉球国王を任命し、冠を授け、王国を保護するという関係です。

琉球国王の即位式には総勢5百名以上ともいわれる中国からの使者がやってきて何か月も滞在しましたが、その来訪は王国統一前の1404年から、王国が日本に編入される直前の1866年まで、22回におよびました。こうした中、王国は即位などの儀式や、冊封使を歓待する宴会のための芸能を重視し、遅くとも17世紀前半には、それを担当する専門の役職である「踊奉行」(うどぅいぶじょー)まで設けたのです。

もちろん、琉球各地には祭祀芸能、歌(琉歌)、俗謡などが伝えられていました。踊奉行たちはそのような各地の芸能や琉歌を収集し、宮廷芸能にふさわしい格式と洗練を加えて、数多くの作品を作り上げていったのです。

こうした背景の中で成立した琉球の古典芸能は、中国や日本や東南アジア各地の影響を受けながら、そのいずれでもない、王国の独自性を追求した形跡を色濃く残しています。たとえば、8886のリズムを持った歌の韻律、琉球音階と呼ばれる独特の音階、中国や日本のものとは大きくに異なる三線(さんしん)、踊りの基本姿勢、衣装、所作などなど、数え上げれば切りがありません。

琉球の伝統芸能が追求した独自性とはいったい何だったのか、そして今日なお、沖縄の人々が芸能を通じて「沖縄らしさ」を追求してやまないのはなぜか。本講座はこうした問いへの答えを探りながら進めていきたいと考えています。

プロフィール

青山学院女子短期大学 現代教養学科准教授
輪島 達郎 [Tatsuroh Wajima]

青山学院女子短期大学 現代教養学科日本専攻准教授(政治学・沖縄学)。
徳原清文に師事。琉球古典音楽野村流音楽協会教師。第51回琉球古典音楽コンクール最高賞受賞。専門は琉球・沖縄の文化と社会。

踊り手
赤嶺 真希 [Maki Akamine]

2013年青山学院女子短期大学英文学科卒。前田千加子に師事。八曄流教師。2015年度沖縄タイムス伝統芸能選考会最高賞受賞。国立劇場おきなわほか舞台出演多数。

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