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原田 勝弘 [Harada Katsuhiro]

原田 勝弘 [Harada Katsuhiro]

ゲーム開発の現場が直面する社会課題とは

第2回 2021/10/2(土)
バンダイナムコエンターテインメント 原田 勝弘

戦後に生まれた「TVゲーム、ビデオゲーム」は急速に世界に広がり、2020年現在ではビデオゲームの消費者が30億人を超えた。つまり全世界人口の約40%は何らかのゲームをプレイしている事になる。さらにこの数値は拡大を続けると予想されることからも、ゲームがひとつの文化として市民権を得たといっても過言ではない。
しかしながらゲームの歴史を紐解くと、ゲームは社会から敵視される事も多い。
70~80年代のゲームセンターブームには「不良の溜まり場」というイメージが醸成され、近年においてもゲームに没頭して生活や健康に支障をきたす状態について世界保健機関(WHO)が「ゲーム障害」なる国際疾病として認定するなど、ゲームは常に社会問題の要因のひとつとして語られてきた側面がある。
その一方で、2020年から拡大した新型コロナウイルス感染症対策として始まった「#PlayApartTogether」なるゲーム業界主導のキャンペーンを、同じく世界保健機関(WHO)が推奨する向きもあった。また、近年広がりつつあるesportsにおいては、その競技シーンで人種や国境のみならず、健常者や障碍者の区分もなく誰でも参加できるものとして注目され、ゲーム業界以外からも資本や人材が集まるという社会現象が起きている。
これらの事象や現象は、負の側面、正の側面のいずれであっても、常にゲームを開発する側に対して、新たな課題を突き付けるものとなる。
そして現在、世界規模に広がるビデオゲームはさらに複雑かつ多くの課題に直面している。社会通念として広がりを見せるポリティカルコレクトネスはゲームコンテンツにおける表現のあり方や、ゲームの世界観にも影響が及んでおり、社会からの要求は複雑さを増しているばかりか、あらゆる矛盾と衝突も内包している。
本講義では、ゲーム業界から見たゲームの社会的地位やゲームコンテンツが果たしている役目や役割について考察しつつ、世界的に起きている社会課題・問題がゲームコンテンツ開発にどのような影響を与え、どう解決していくべきかについて問うていきたい。

プロフィール

バンダイナムコエンターテインメント
原田 勝弘 [HARADA Katsuhiro]

早稲田大学を卒業後、ナムコ(現・バンダイナムコエンターテインメント)に入社。アーケードゲームと家庭用ゲーム双方において、企画&ディレクション、キャラクターデザイン、アニメーション制御スクリプトの開発を担当。また『鉄拳』シリーズのプロジェクトリーダーとして26年携わり、プロデュース、マーケティング、esports&コミュニティマネジメントなど幅広く活動している。現在も新規IPタイトルの開発プロジェクトを立ち上げ中。代表作は『鉄拳』シリーズ、『ソウルキャリバー』シリーズ、ポッ拳、VRサマーレッスンなど。