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図書館長あいさつ

図書館長 近藤 泰弘

図書館長
近藤 泰弘 [Yasuhiro Kondo]

今日、図書館に求められる役割が大きく変化しつつあることは皆様もご存じと思います。海外の大学図書館には、本が一冊もない図書館、というものがすでに存在しています。図書館は、本を保管し、それを閲覧する場所ではなくなってしまうのでしょうか?

大学図書館の役割を一言で言うならば、それは「知へのアクセス」を提供する場だと言えるでしょう。旧来の図書館の場合は、その知の存在する形態は、多様な文学・芸術作品や、研究成果をまとめた研究書や、社会の動きを集積した年鑑などの万巻の著作であり、それを安全に保管し、誰でも自由に閲覧することを保証するのがもっとも重要な役割でした。

ところがIT社会の進展によって、知の形態自身が大きく変わってきました。最初は、雑誌が電子化され、電子ジャーナルやオンラインデータベースという形で提供されるようになりました。図書館も、電子ジャーナルやデータベースを契約し、構成員からのアクセスの便宜を図ることが重要な役目となりました。しかし、近年になり、さらに状況は大きく変わってきました。「知」のあり方そのものが変化しつつあると言っていいでしょう。「集合知」という言葉があります。現在は、単独の著者が自分の見解を著作するだけではなく、社会全体がネットワークによって連携し、新しい知を創造する社会へと変わりつつあると思われます。そのひとつの端的な例が「百科事典」です。もともとは個々の項目を専門の著者が分担して執筆するものでしたが、そのような形態では、変化する現代社会の速度にはついていけなくなりました。その代わりに出現したのがWikipediaです。Wikipediaは、その読者が自ら知を創造し編集に参加していくことで育つメディアです。そこにあるのは、「共同作業による知の創造」それ自体が「知へのアクセス」となったものだと言えると思います。

これからの図書館は、そのような、新しいタイプの、創造としての「知へのアクセス」を保証できるものでなくてはなりません。つまり、学習者・研究者が、共同で知を創造し蓄積し、発信していく快適な場を提供する必要があります。本学の図書館も、2015年度から、8号館・9号館1階に新しいラーニングコモンズとしての学習室を作りました。そこで皆さん自身が、共同で学習・研究することで新たな知の創造をして欲しいと願っています。ぜひご利用ください。図書館でも「情報の探索と表現コンテスト」も開催していますので、これらの場所をさらに活用してください。

もちろん、従来からの図書館としての役割も変わらず果たしていきます。青山と相模原両キャンパス図書館合わせて174万冊の図書を所蔵し、国内外の主要な電子ジャーナルやデータベースへのアクセスが可能です。また、発信側としては、本学教員の著作を電子化して公開している機関リポジトリ(AURORA-IR)も運用しています。これら、図書館機能の利用方法についての詳しい情報は、図書館のウェブサイトをご覧ください。

そして、最後になりますが、青山キャンパス図書館は築年数が経過し、新たな知を創造する場としての新図書館が必要であるという声が大きくなっています。それを受けて、大学でも新図書館建築に向けて、検討が行われています。皆様からの声を取り入れ、これからの時代の大学にふさわしい図書館を創りあげていくことが必要です。ぜひ新図書館建築にご理解・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

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