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Research.02 アフリカの食糧増産に向けて

Research.02
アフリカの食糧増産に向けて

1960年代後半に始まる熱帯アジアの「緑の革命」は、同地域の食糧の長期的増産に貢献し、アジアを食糧危機から救いました。一方、サハラ以南のアフリカの農業は停滞しています。国際政治経済学部の加治佐 敬 教授の関わっている研究プロジェクトでは、アジアの経験を活かし、いかにしてアフリカで「緑の革命」を実現するかの開発戦略を国際機関やJICAなどと共に議論しています。

研究の背景

図1は熱帯アジアとサハラ以南のアフリカのコメとトウモロコシ(どちらも同地域にとって大切な食糧)のヘクタール当たりの収量を表しています。1960年代はどちらの地域でも1ヘクタールから収穫できる穀物の量は1トンから1.5トン程度でした。しかし、「緑の革命」を実現した熱帯アジアは、継続的に収量を上げ、今ではアフリカと大きな差があります。「緑の革命」は土地の狭いアジアで、土地生産性を上げることで収穫を増やし成功を収めました。この戦略はサハラ以南のアフリカにとっても有効でしょうか。

研究の内容

サハラ以南のアフリカはサファリに代表されるように広大なイメージがありますが、農業に適した土地は意外に限られています。

図2は農業のできる土地を人口で割った一人当たりの可耕地面積のアジアとサハラ以南のアフリカの時系列比較です。ここから分かるのは、1990年代にはすでにサハラ以南のアフリカにおいても数値が0.3程度にまで低下し、1960年代頃のアジア並みに農地が足りなくなっているということです。

つまり、土地生産性を上げるという当時のアジアの戦略が今のサハラ以南のアフリカにとっては有効なのです。ただし、アジアの経験をそのままコピーしても風土の異なるアフリカでうまくいくとは限りません。

例えば、稲作ですが、アジアでは田んぼに畔があるのは当たり前すぎる事実ですが、それが無いような圃場がたくさんあります。圃場の内部は水が均等にかかるように平らにするのがアジアでは当然ですが、アフリカではそれが行われていない農地がたくさんあります。アフリカでは土地を整備するための労働作業をいかにして喚起するかというところから戦略を考えていかねばなりません。

私の関わるプロジェクトでは、日本人が得意とする稲作に焦点を当て、研究者と実務家がタッグを組み、アジアの経験を踏まえつつアフリカの稲作振興プロジェクトを評価・検討し開発戦略を練っています。
私はその中で、モザンビーク担当です。モザンビークには、冒険家リビングストンが遡りビクトリアの滝を「発見」したザンベジ川という大河をはじめ多くの川があり、それらを水源とする稲作が伝統的に行われています。現在は、そこで行われているプロジェクトの評価を行い、どのようなトレーニングや政策介入が有効かを検証しています。

国際政治経済学部 国際経済学科
加治佐 敬 教授