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センター長あいさつ

ジェンダー研究センター長挨拶 法学部教授 申 惠丰

本学ではこのたび、「青山学院大学附置スクーンメーカー記念ジェンダー研究センター」を開設することになりました。スクーンメーカーは、明治期に、青山学院の源流の一つである女子小学校を開校した宣教師の名前です。青山学院女子短期大学で行われていた研究を受け継ぎ、青山学院の女子教育の伝統を新たな時代に継承するとともに、ジェンダー研究・教育の発展を通じて、青山学院そして社会におけるジェンダー平等と性の多様性の尊重に貢献することを目的としています。

オリンピック憲章と倫理規程が、人権保護に関する条約を尊重しいかなる差別も拒否すると明記しているように、反差別は国際人権基準の最も基本的な原則です。しかし性差別は社会に根強く残っており、特に日本は、政界における女性の比率、幹部職に占める女性の比率、男女の賃金格差などの面で大きく立ち遅れています。人口の半分は女性なのに、物事を決めるのが男性ばかりでは、人々のニーズに適った社会を実現することはできません。性別にかかわらず、人々が生き生きと能力を発揮できる社会を創っていくためには、ジェンダーすなわち社会的・文化的な文脈における性の問題に注意を払うことが不可欠です。また、人の性的指向や性自認は多様で、その多様性も大切にする必要があります。

ジェンダーの視点は文学、法学、政治学、経済学など多くの学問分野にかかわり、本学がこのセンターを開設したことには大きな意義があると考えます。本センターが有益な活動を展開していくことができますよう、皆様のご助力をどうかよろしくお願いいたします。