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電気電子工学科橋本教授が、三井造船(株)とETCレーン間用格子型電波吸収体を開発

橋本 修
理工学部電気電子学科
橋本 修 教授
 この度、三井造船株式会社と共同で、高速道路の自動料金収受システム(ETC)のレーン間に設置する格子状の電波吸収体を開発しました。
 従来、ETCレーンでは、料金所天井に設置されたアンテナから送信される電波の乱反射による料金二重収受や開閉バーの誤作動といった問題を防ぐため、天井や路面などに電波を散乱または吸収する材料が利用されていました。現在、全国にある料金所は約1300箇所。そのうちETCのレーン数は2000を超え、今年に入り普及率の上昇に伴って複数レーン化が進み始めています。レーン間に立てるためには、従来の壁状や布状の電波吸収体では風圧による荷重や隣接レーンへの視認性、また耐久性などに問題がありました。そこで、まず、電波に対して損失効果を有するカーボン材の選定から最適な配合量の決定を理論的に行い、つづいて格子寸法の形状や吸収体の厚み、またバックメタルとして使用する最適な金網について、時間領域差分(FDTD)法をはじめとする各種シミュレーション技術を駆使して検討。そして、この設計をもとに実際に吸収体のサンプルを試作し、本研究室所有の電波暗室にて特性評価試験を行いました。その結果、ETCで使用される電波(円偏波)に対して99%を吸収する効果を確認し、耐久性に優れるガラス繊維強化プラスチック(GFRP)製グレーチング、そしてステンレス製織金網で構成されるレーン間用電波吸収体の開発に成功しました。今年度中に、実際の料金所に設置した際の効果を検証することが決定しています。






 現在、研究室においては、このような電波吸収体をはじめとする環境電磁工学、携帯電話などに使用されるマイクロ波フィルタ技術、マイクロ波照射による発熱を詳細に解析できるシミュレーション技術、さらには電波の生体影響に関する研究を中心に進めています。電波吸収体については、上記のETC電波環境対策用や室内無線LAN対策用、また回路基板に実装する近傍対策用、フィルタについては近年特に注目される超広帯域無線(Ultra Wide Band : UWB)用の実現に向けた開発がメインとなっています。また、電磁界と伝熱の全て(熱伝導、熱伝達、熱放射)を連成して検討可能なシミュレーション技術の開発、さらにIHクッキングヒータからの漏洩波をはじめとした低周波磁界が人体へ与える影響など、電波に関する多岐にわたるテーマのもと、社会貢献へとつながる成果を生み出せるように、研究を行っています。



 橋本教授は、2005年11月、社団法人電気学会の上級会員に認定されました。
 電気学会上級会員制度は、電気技術に関する専門家として、電気学会の諸活動において活躍されている会員に対して、敬意を表するとともに、更なる学会の発展に向けて貢献をお願いすることを目的としています。
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