メインコンテンツへ
新春対談松澤建 新理事長×武藤元昭 学長


昨年11月、日本興亜損害保険株式会社代表取締役社長である松澤建氏が、青山学院理事長に就任。
今回の特集は、魚住清彦副学長の司会により、新理事長をお迎えして武藤元昭学長との対談を行い、これからの青山学院大学のこと、教育にかける思いについて、忌憚なく意見を交わしていただきました。

新春対談松澤建 新理事長×武藤元昭 学長
改善すべき課題に対しては、スピード感を持って対応します。

司会 今回、ビジネスの最前線で活躍されている新理事長を迎え、その手腕に私たち大学執行部も大きな期待を抱いております。
松澤 私を育ててくれた青山学院のために、金融界での経験を少しでも活かすことができれば、これに勝る喜びはありません。これまでも青山学院の理事を務めさせていただいておりましたので、武藤学長とはすでに何度もお会いしております。
武藤 企業経営者でもある松澤理事長の存在は、今後、本学に良い意味での緊張感を与えてくださるでしょうね。
松澤 もちろん、私も学院を預かる重大な責任を身に染みて感じておりますが、同時に学院の発展のため、武藤学長をはじめとする教職員のみなさんと一緒に仕事ができることを、実はとても楽しみにしております。
司会 まず、松澤理事長の今後の学院運営に対するビジョンをお聞かせください。
松澤 一言で申せば「変えるべきものは変え、変えてはならないものは守り抜く」ということでしょうか。キリスト教信仰に基づく建学の精神の遵守、教育・研究における質の向上、財政基盤の安定、そして、社会からさらに評価される学院づくり……羽坂勇司前理事長が標榜されたこの4つの柱を、引き続き基本に据え、学院の運営に臨んでいく所存です。その一方、企業でも学校法人でも、世の中にパーフェクトな組織はありません。青山学院にも時代の変化に応じて改善すべき点があるでしょう。そうした課題に対しては、スピード感をもって対応していくつもりです。そしてそのためには、大学執行部の方々をはじめ、学院で働く教職員のみなさんと、今後は広く意見交換を行っていく必要があると思っております。時には異なる意見がぶつかり合うこともあるかもしれません。しかし、すべての価値判断基準を「青山学院のために」に置きさえすれば、自ずと適切な答えが導きだされるはずです。答えが出たなら、あとは教職員一丸となってその実現に邁進するのみです。

青山学院の発展のためなら議論、激論大歓迎です。

武藤 今の松澤理事長のお話にまったく同感です。特に「青山学院のために」という確固たる価値判断基準を掲げていらっしゃることに、強く共感します。私自身も学長就任時に「すべての教職員は学生の方を向いて仕事をする」ことを掲げました。
松澤 ああ、それは基本的に私の言わんとしたことと同じですね。
武藤 ありがたいことです。ところで松澤理事長は、経営者として、すべての社員の意見や提案を聴く仕組みを作り、「風通しの良い社風」をモットーにされているとうかがっています。
松澤 ええ、社員が自由に意見が言える環境の中でこそ、良い経営ができるのです。
武藤 実は私も「風通しの良い大学」をモットーに、学生と教職員、そして教員と事務職員、お互いが自由に意見を交わせる大学づくりを志しているのです。
松澤 うれしいですね。私たちは志を共有しているようです。
司会 ただ、多くの人々の意見を集約する過程では、相反する意見などがぶつかり合う状況も多いわけです。松澤理事長が、経営者として多くの社員の意見を採り上げる場合に、どのように采配をふるわれていらっしゃるのか、ぜひおうかがいしたいです。
松澤 私はいたって基本に忠実な人間ですので、経営者としての説明責任を果たした上で、ひたすら誠心誠意、意を尽くして相手と話し合うだけです。それぞれの立場で意見が異なるのは当たり前なのですから、議論、時には激論も大歓迎。かつて私はマレーシアで合弁会社の立ち上げに関わったことがあります。その際にはさまざまな宗教・人種の人々が、まさに侃々諤々の議論をしました。しかしながら、企業として利益を上げるという目的では全員が一致していましたから、最終的には事業を成功に導くことができました。それと同じく「青山学院のために」という共通の目標さえしっかりと共有していれば、この少子・高齢化社会の逆風の中、積極果敢に、また正しい方向へ、青山学院を導くことができると私は信じております。
武藤 議論をしながらも、それぞれの立場で責任を全うするということですね。私は物事をはっきり申し上げるタイプの人間ですので、松澤理事長も忌憚ないご意見を私たち大学執行部に投げかけてください。活発なコミュニケーションによって、今後、さらに法人本部と大学の距離を縮めていきたいと思います。
松澤 いいですね。何でもおっしゃってください。私は「学生」になったつもりで、武藤学長をはじめとする大学の先生方から、虚心坦懐に、大学の教育・研究について学ばせていただきたいと思っております。

私たちが育てたいのは、「柔の中の剛」を感じさせる若者

司会 松澤理事長も本学ご出身ですが、今、青山学院大学の卒業生は、社会でどのように評価されているのでしょうか。
松澤 青学出身者の人間性に対する企業社会の評価は、きわめて高いです。キリスト教をバックボーンとする人間教育の賜物でしょう。ぜいたくをいえば、その人柄の良さに変化の激しい時代をたくましく生き抜く力強さ、積極性が加われば言うことはありません。
武藤 都心のキリスト教大学である本学には、一般的に上品でソフトなイメージがありますので、入学してくる学生も、自然と人柄のよい優しいタイプが多くなるようです。私はそのことが本学の美点の一つと思っておりますが、松澤理事長がおっしゃっている力強さや積極性も、人生をより良く生きていくためには、やはり大切なことです。私も「柔の中の剛」を感じさせる学生を育成したいとかねがね願っておりました。
松澤 「柔の中の剛」……いい言葉です。素晴らしいですね。人柄の良さや優しさといった青学生のスクールカラーは、今後も決して失ってはならないものです。ただ、自分の“後輩”に対してはつい過大な期待をしてしまうものでして(笑)、私には社会でもっともっと青学出身者に活躍してもらいたいという、OBとしての思い入れが大きいのかもしれません。どこでも、誰の前でも、自分の信念を堂々と貫き、主張できる若者になってほしい。そのためにも武藤学長が掲げる「風通しの良い大学」という方向性を、全力でバックアップさせていただきます。
武藤 力強いお言葉ありがとうございます。大学全体を見渡してみますと、力強さや積極性を持つ学生もたくさんいますし、実はとてもバラエティあふれる学生たちで構成されているわけで、そうした多様性も本学の強みといえるでしょうね。
松澤 おっしゃる通りです。画一的ではないさまざまなタイプの学生がいてこそ、大学としての総合力です。学生たちには学問はもちろん、芸術や武道・スポーツ……あらゆる分野で才能を伸ばしてもらいたいですね。

企業現場からの声を取り入れ、教育と就職支援のさらなる充実を。

武藤 先日、松澤理事長から学生の就職活動に関する貴重なアドバイスをいただきました。私たち大学人は、企業現場を熟知された理事長からの教育や学生の就職指導・支援に関する御見識にとても期待しているのです。
司会 本学にも少なからず企業経験のある教員がおりますが、こうした先生方は、たとえば就職指導などの面で、実にパワフルに活躍されています。本学教員も、これからはもっと積極的に企業の方々と交流する必要があるかもしれません。
松澤 それでしたら、校友の企業人の会である「青山会ネットワーク」に業種別の青山会が結成されていますから、大学各学部の先生方とこうした企業人OB・OGとの交流の場を持つというのもひとつのアイデアではないでしょうか。
司会 それはいいですね。
松澤 では、私から各青山会の責任者の方々に声をかけて、早急に実現させましょう。
武藤 ありがとうございます。今後もさまざまなことで頼りにさせていただくことになるかもしれません。お忙しいとは思いますが、よろしくお願いいたします。
松澤 いえいえ、忙しいのはまったく気になりません。何しろ私は、大学卒業以来、現在までずっと忙しく働いてきたのですから(笑)。どうか遠慮なく私を学院のために働かせてください。
司会 では、最後に『AGU NEWS』をお読みいただいている学生の保護者の方々に向けて、松澤理事長からメッセージをお願い致します。
松澤 教育とは、当たり前ですが、一人ひとりの人生にとって大切なことを、毎日の生活の中で着実に実行していくことではないかと思っています。青山学院から謙虚で、堅実で、しかし積極的に自らの人生を切りひらく気概を持つ若者をできるだけ多く輩出できるよう、今後、全力投球で理事長の責任を果たす所存です。どうか、お子様を通わせている青山学院を、私にまかせてください!

●2005年12月5日 青山キャンパス法人本部大会議室にて

理事長
松澤 建

●1938年東京生
●1960年青山学院大学経済学部卒業後、日本火災海上保険入社
●マレーシア駐在員、取締役首都圏営業本部長、常務、専務を経て、1998年社長就任
●2001年に業界再編のトップを切る興亜火災との合併を実現させ、初代社長に就任。


学長
武藤 元昭


[司会]
総務・広報担当副学長
魚住 清彦
ページトップへ