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学内の研究支援から地元企業への技術指導まで「機器分析センター」開設3年目の飛躍

澤邊 厚仁
理工学部・電気電子工学科
澤邊 厚仁 教授


中村 新一
機器分析センター
中村 新一 技術主幹


2003年の相模原キャンパス完成と同時にオープンした「機器分析センター」も開設から3年が経ちました。この3年間を振り返りながら、施設の現状を教えてください。

澤邊 相模原に移る前の世田谷キャンパスの時代は、各学科独自で研究・分析用の設備機器を抱えていました。そのため経費や人手の面でかなり非効率的な部分があり、学部全体としても大きな負担となっていました。そこで新キャンパスへの移転を機に、各設備機器の維持・管理・指導などを一括して行うことを目的とする施設の設置が計画され、「機器分析センター」が完成したわけです。1年目はほとんど準備期間でしたが、2年目に透過電子顕微鏡の第一人者でもある中村さんを招へいし、少しずつ体制を整え、ようやく昨年ぐらいから効果的に活用されるようになってきました。
中村 機器分析センターの役割は、大きく4つに分類できます。まずは「学生への研究・技術支援」です。論文や学科発表の際のデータ収集の支援や各種機器を操作できるようになるための講習会も実施しています。次に「CAT(先端技術研究開発センター)の研究支援」。COE研究プログラムや外部資金研究プログラムなどに、最新の研究分野で取り組むCATの各教員の研究テーマに対応した支援を行うものです。3つ目は「研究効率の向上」があげられます。研究支援にもつながることですが、センターの機器を積極的に活用いただくことが研究の効率化にもなるはずです。常に快適な状態で利用できるように機器の管理・メンテナンス業務にも細心の注意を払っています。そして4つ目が「地域貢献」です。大学内だけでなく、外部との交流も機器分析センターの大きな使命。特に地域とのつながりを深めるなど、地域に貢献できる、社会に還元できる活動を展開したいと考えています。すでにいくつかの神奈川県内の企業を対象に、分析装置の技術指導を定期的に行っており、また大規模な設備を持たない中小の企業からは、さまざまな分析の依頼をいただくこともあります。



学生や教員が、機器分析センターを活用するにあたっての大切な心構えを教えてください。

中村 機器分析センターは基本的に24時間オープンしています。昨年度は、理工学部の経営システム工学科をのぞく5学科・14研究室で233名の学生や先生方にご活用いただきました。機器分析センターは学生にとって、本当に生きた体験のできる場所です。頭だけで理解するには限界があります。実体あるものを自分の手を使って調べることで、本当の知識として理解することができます。せっかくプロフェッショナルな研究に身近で触れることのできる環境が用意されているのですから、どんどん積極的に活用してもらいたいです。
澤邊 最近はどの分野でもコンピュータ化が進んでいます。例えば透過電子顕微鏡でもコンピュータで簡単に制御できるものが多くあります。しかし大切なことは、ただ漠然と分析のために顕微鏡で素材を覗くのではなく、その研究に何故「分析」が必要なのかを理解したうえで研究に取り組む姿勢です。いわば観察するために必要な資料をしっかり用意すること。その部分はどんなに近代化が進もうとコンピュータはやってくれません。地道な作業が研究を有意義なものにするのです。



機器分析センターが今後目指して行く方向性、および可能性を聞かせてください。

澤邊 分析センターを備える大学は数多くありますが、学内においてこれだけ学生に有効に利用され、しかも学外とも深くつながり合うセンターは、他にはあまり聞きません。訪れた方々に設備の充実度をよくお褒めいただきますが、私は設備のことを褒められるよりも、機器分析センターによって学生が成長し、地域にも貢献できる環境が整っている点をご指摘いただける方が何倍もうれしいですね。
中村 これまではそれぞれの研究が大変なため、学科間での交流といった点は、あまり見られないようでしたが、機器分析センター内の各部屋はオープンなスペースですし、他の研究室の研究過程などから新たなヒントが生まれる可能性も考えられます。今後は、それぞれの研究室が切磋琢磨しながらお互いを高められるような機会を提供できる場としてもご活用いただければうれしいですね。
澤邊 「分析する」ことは、研究者にとっては水や空気と同じようにごく当然のことです。ただし、どうしても世間からスポットライトが当てられるのは、常に“研究結果”の方。成果にたどり着くために欠かせない「分析する」部分に注目が集まることはほとんどありません。しかし、分析が重要な研究の過程に欠かせないことは明確な事実。機器分析センターは“縁の下の力持ち”として、今後ますます重要な地位を築いていくはずです。
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