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「電波吸収体」に関する各企業との共同研究・開発が、ETCや無線LANの分野などで実用化───理工学部  橋本研究室


理工学部
橋本 修 教授
 目には見えませんが、現代の生活環境においては至る所で“電波”が飛び交っています。飛び交う電波をそのまま放っておいては、混信や誤作動など機器の不具合が発生します。そこで必要とされるのが、電波を吸収し、電波の乱反射を防ぐ「電波吸収体」。橋本研究室では、各種電波吸収体における材料定数測定や測定評価についての研究を進めています。
 「今、電波吸収体の実用化に向けて取り組んでいる分野は大きく分けて3つ。高速道路のETC用、無線LAN用、近傍(携帯電話やパソコンなど筐体の中が電波でさらされるもの)用です。とくに近年急ピッチで普及が進むETCでは、ゲートと車載機との無線通信に使われる電波がゲートの天上や路面、車両などで乱反射を起こし、後続や隣のレーンの車両に影響を及ぼして二重で課金されたりなどの障害が報告されています。それらの電波環境問題を改善するのが電波吸収体ですが、ただ電波を吸収すれば良いわけではありません。耐久性はもちろんのこと、ゲートの天上に設置するには軽量化、隣のレーンとの間に設置するには視認性を考慮するなど、クリアすべき課題がいくつもあります。研究室ではNXCO(旧道路公団)をはじめ、東芝セラミック、ブリヂストン、横浜ゴムなど、数々の企業と電波吸収体の材料や形状などについての共同研究・開発を進行中。『透明型電波吸収体』や『格子型電波吸収体』など既に実用化に向けて試験施工が行われています。今後、順次ETCゲートへ採用されていく予定です。  一方、無線LANや近傍用の分野の研究も順調に進んでいます。無線LAN関係では、オフィスビルの各部屋の快適な電波環境を実現するために、建材そのものが電波吸収体となる製品を開発。石膏ボード型、木材型、窓ガラス型とバリエーションもさまざまで、実験では99%もの電波吸収率を実現しました。また、携帯電話などの小型精密機械については、さらなる小型化・軽量化を追究し、筐体そのものが電波吸収体となる製品が実用化されています」
 企業との共同・受託研究は25件以上、そして取り組むべきテーマは80件以上という橋本研究室。目に見えない電波が、人の暮らしのなかでより快適に利用されるよう、その研究はまだまだ続けられます。
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