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文部科学省「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)」活動報告e-Learning専門家の人材育成―世界に通用する専門家育成プログラムの開発と普及―

玉木欽也
eLPCOセンター長
経営学部教授
玉木 欽也
わが国における本格的な「eラーニング人材育成」の先駆けとしてスタート
 本取組は、総合研究所「eラーニング人材育成研究センター(eLPCO)」を拠点に、時代が求めるe-Learning専門家の育成を図るものです。教員が「教える授業」から、学生が「主体的に学ぶ授業」へ……eラーニングは、わが国の大学教育の「質」保証のためにも有効な手段であり、学習方法や教材開発などのe-ラーニング専門家の育成は急務といえるでしょう。しかし、欧米の先進国はもちろん、同じアジア圏にある韓国、シンガポール、タイなどの諸国と比較しても、わが国はeラーニング専門家の人材育成の分野で大きく遅れをとっています。そのため、eLPCOの前身となる経済産業省のプロジェクト「Aoyama & Asia e-Learning Network(A2EN)」では、日本とアジア各国の高等教育機関におけるe-ラーニング専門家のニーズについての実態調査を実施しました。これらの結果と本学におけるe-ラーニング実践をベースに、eLPCOは2005年にeラーニング授業開発・運用スキルの全範囲(分析・設計・開発・実施・評価)をカバーする5職種の専門家育成プログラムを開発。2006年4月、満を持して学部3・4年生・大学院生における正規の教育課程として「eラーニング専門家育成プログラム」をスタートさせました。正規科目として受講する場合は、従来の対面学習とeラーニングを組み合わせた“ブレンディッド・ラーニング”によって学び、eラーニング授業に関しては育成する5職種の内の一つである「メンタ」が学習サポートを行っています。そして職種ごとに定められた科目を受講し、最終試験に合格すれば、各職種のeラーニング専門家認定証を発行しています。現在、eラーニング専門家育成は、熊本大学大学院でも実施していますが、これは大学院生十数名を対象にした小規模なもので、学部生を中心とした多人数の育成プログラムは、今のところ本学のみが実施しています。

産学連携の促進を通して「eラーニング専門家」を広くアピール
 初年度となる2006年は前・後期あわせて181名が受講しました。「自分の好きな時間に好きな分だけ勉強できる」「対面授業でないからといって苦労することはなかった」「一人きりで学んでいるのではなく、誰かが見てくれているという感覚が、安心感とやる気につながった」など、受講者からは概ね好評でした。
 今後は、各学部と連携しながら、より単位取得につながる受講しやすいプログラムにしていきたいと考えています。同時に今後さらに受講者数を増やしていくために、eラーニング専門家の価値の周知も図っていく予定です。わが国ではeラーニング専門家育成自体が始まったばかりですから、eラーニング専門家に対する社会のニーズがイメージできない学生もまだ多いようです。初年度の受講者は文学部の学生が半数を占めていましたが、実は学校教育現場だけではなく、企業の人材育成部門などでもeラーニング専門家は強く求められているのです。そこでeLPCOではeラーニング専門家を待望する企業の方々と学生の交流組織である「eLPCO産学連携コミュニティ」を発足させ、2ヶ月に一度、「交流イベント」を開催。eラーニング専門家の社会的ニーズを把握し、就職課と連携して就職活動における有用な情報を得る場として機能させていきたいと考えています。
 さらに、eLPCOでは、他大学の教職員や社会人に向けてeラーニングの普及や促進を図る「公開講座」やeラーニング関係者の交流の場となる「eLPCOオープンフォーラム」も開催。大学、企業、官公庁など国内外のeラーニング関係者から大きな注目を集めています。
 なお、今後の展開としては、
  • 「現代GP」後もeラーニング専門家育成プログラムを持続的に運営していくための組織体制・経営基盤の確立
  • より高度な上級者向けeラーニング専門家育成プログラムの研究・開発
  • 特定非営利活動法人日本eラーニングコンソーシアム(eLC)等との相互認定により、eラーニング資格認定の制度化
等を計画しています。

※本取組の詳細に関しては「eLPCOウェブサイト(http://elpco.a2en.aoyama.ac.jp/)をご参照ください。
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