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物理・数理学科の秋光教授が、権威あるアメリカ物理学会の“2008 James C. McGroddy Prize for New Materials”を受賞

 アメリカ物理学会(America Physical Society)では毎年、顕著な研究成果を挙げた研究者に賞を贈り、その功績を讃えています。そして今年、理工学部物理・数理学科の秋光純教授が、「金属系化合物における種々の高温超伝導体の発見」の功績が認められ、“2008 James C.McGroddy Prize for New Materials”を受賞されました。同賞の歴代受賞者には、ノーベル賞を獲った学者も多く名前を連ねるほど権威ある賞で、秋光教授の今後にも大きな注目が集まります。受賞の喜びの声、および今後の抱負について秋光教授にお話をお聞きしました。
秋光 純 教授
理工学部物理・数理学科
秋光 純 教授
 私が研究を続けている超伝導とは、その物質がある温度になると電気抵抗がまったくない“0”の状態になることを言います。この技術を用いた例としては、開発が進むリニアモーターカーが最も有名ですが、その他にもMRIや心磁図・脳波図測定などの医療技術、電力貯蔵システムや送電システムなどのエネルギー技術など、すでに活用されているものや研究中のものを含めて多岐にわたります。20世紀は「半導体の時代」と呼ばれましたが、21世紀は「超伝導の時代」と呼ばれるようになると思われます。
 超伝導は、非常に低い温度でなければ発生しない現象です。そのため少しでも高い温度で臨界点に達する素材の発見が研究者たちのテーマとなりました。英国の科学雑誌『Nature』に、私の「二ホウ化マグネシウムにおける39Kの超伝導」の論文が掲載されたのは2001年の春のことです。金属では27年振りの高温超伝導体の発見であり、しかもそれまでの20K(ケルビン)から大きく前進したということで、あのときも世界中から高い評価をいただきました。その後もいくつかの超伝導体を発見してきたことが、今回のアメリカ物理学会からの受賞につながったのではないかと思っております。
 大きな賞をいただけたことは素直にうれしく思いますが、だからといってこれまでの研究の何かが変わるわけではありません。あくまでも賞は“過去”の実績に対する評価です。常に未来を見続けることが科学者であり、物理学者。その都度、現状に満足してはいけないとの思いが強くあります。高い評価を受けた39Kの高温超伝導体にしても、摂氏で言えば-234度。超伝導の世界は、まだまだ一般の方々の想像からは遠いところで研究が続けられているのです。
 これは私の夢であり、また人類の夢でもありますが、いつか室温で臨界温度に達する超伝導の新材料をぜひ発見してみたいと思っています。まさに夢のような話だと感じる人もいるでしょうが、私自身は絶対どこかにあると信じています。どこか冒険家にも似た思いとでも言えそうですね。しかし、こうして研究を続けられるのも、大学側の理解とサポート、そして一緒に研究に取り組む学生たちの情熱があってこそです。「“研究”と“教育”は結び付かなければ意味がない」が、私のモットー。これからも学生たちの成長を見守りながら、ともに夢を追い続けたいと思います。


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