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公開教養講座 篠田節子氏講演会
『活字から広げる世界 ‐イメージを立ち上げる力‐』を開催



 1月12日(土)午後2時よりガウチャー記念礼拝堂で、作家の篠田節子先生が講師となり、「活字から広げる世界 イメージを立ち上げる力」というテーマの公開授業が行われました。この授業は、国際政治経済学部嶋田順好教授のフレッシャーズ・セミナー「読書の喜びを見出すためのゼミ -食わず嫌いを克服しよう-」の一環として、読売新聞東京本社「活字文化推進会議」と青山スタンダード教育機構が協力して開催したものです。
 篠田先生は、1990年『絹の変容』で小説すばる新人賞、1996年『ゴサインタン ‐神の座‐』で第10回山本周五郎賞、1997年『女たちのジハード』で第117回直木賞を受賞され、SF、恋愛小説、パニック小説、幻想小説と、ジャンルを越えた話題作を精力的に生み出してこられた現代日本を代表する作家のお一人です。
 先生は、ケータイ小説・美帆『最愛の君へ』に始まり、菊地秀幸『吸血鬼ハンター』、宮部みゆき『弓子の後悔』、新津きよみ『頼まれた男』、スティーヴン・キング『スタンド・バイ・ミー』、ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』を次々と取り上げ、「文字情報とイメージ」、「小説における説明と描写」といった、小説の作り手としての専門的な話もおりまぜながら、「活字から広げる世界 -イメージを立ち上げる力-」について深く分かりやすい、素晴らしい授業を展開してくださいました。ことに印象に残ったのは、作家として目指していることは「読者に活字を追っていることを忘れさせ、目の前に大スクリーンが立ち上がってくるような喚起力に富んだ力ある文章を生み出すことにある」と語られたことです。
 今回の公開授業の特徴は、篠田先生と共に壇上に上がったゼミ生たちに、先生が前述の文学作品を次々と朗読させ、その読後感を聞き出しながら、文字通り学生たちに向かって授業を行うという形式をとったことです。この日のための備えとして、ゼミ生たちは、事前に篠田先生の代表作『神鳥・イビス』、『弥勒』を読み、話し合いもしてきましたが、当日は満堂の聴衆を前に、緊張の色がありありと浮かんでいました。しかし、授業が進むにつれ、先生の親しみやすい人柄と軽快な語り口にも助けられ、またその豊かな授業内容そのものにも引き込まれ、いつしか普段のゼミのように活発な質疑を展開することができたことは幸いなことでした。
 ゼミ生たちにとっても、聴講した全ての方々にとっても、読書の醍醐味がいずこにあるかということを、あらためて深く納得させられた心に残る公開授業でした。
(国際政治経済学部教授 嶋田 順好 記)
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