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理工学部化学・生命科学科 長谷川美貴准教授の研究成果が高く評価を受け、「“偏光”を発するディスプレイ材料を開発」としてSPring―8ニュースで特集される

 AGUニューズ第39号(2007年11~12月号)で「世界初!偏光発光デバイスのメカニズムを発見!」として掲載した長谷川美貴准教授の研究成果が、その後の研究の成果も加えて、財団法人高輝度光科学研究センター発行のSPring―8(スプリングエイト)ニュース38号(2008年5月号)に「研究成果・トピックス」として大きく取り上げられました。研究とSPring―8との関係について、長谷川准教授に聞きました。
長谷川 美貴
理工学部
化学・生命科学科
准教授
長谷川 美貴
 2007年6月29日(木)に文部科学省において記者発表された研究成果は、セッケンのもとになる分子と希土類金属プラセオジム(Pr)を含ませた錯体に、メレムという三角形型の有機分子を加えると、0°と30°の特定の偏光角を持つ光を出すことを発見したというもので、EUの「フォトケミカル・アンド・フォトバイオロジカル・サイエンス」誌にも掲載されるなど、世界的な注目を集めました。
「研究の過程でSPring―8が重要な役割を果たしたことで、今回のSPring―8ニュースへの掲載となりました。記事は、今年3月に受けた取材をもとに書かれているので、2007年7月の発表時より進んだ内容になっています」
 SPring―8とは、世界最大の放射光施設。兵庫県の播磨科学公園都市内に設置されており、小山をすっぽり輪で囲んだような全長1436mの巨大な環状をしています。この巨大なリングの中で、80億電子ボルトの高エネルギーにされた電子を回しながら加速し、蓄え、放射光を発生させ、その放射光を利用して、物質の構造や特性を分子・原子レベルではっきりと観測することができます。一般には、1998年の和歌山毒物カレー事件で毒物の組成を調べるのに使われたことで知られています。
 「今回の研究は、SPring―8の高輝度放射光によるX線構造解析なしでは難しいものでした。最初の研究発表の時点では、ひとつのビームライン装置を使っての成果でしたが、現在は研究がさらに進み、4つのビームラインをフル活用しています」
 長谷川准教授の「偏光発光体」の発見と開発は、「のぞき見されない」ディスプレイの製造や高速光通信への活用など、今後大いに発展が期待される画期的なものでした。今はそれをさらに推し進め、SPring―8の放射光を使って、偏光の原因の究明やLB膜の本質の追究が行われています。
 「発見した偏光発光体は30°偏光しますが、この角度を制御できるかもしれません。現在行っている研究によって、どんな新しい発光体ができるかが楽しみです」
 長谷川准教授は研究のために新しい物質をつくり、それにあわせてSPring―8の研究者の方が新しい装置を開発するなど、双方が協力しながら、まさに世界最先端の未来を切り拓く研究が行われています。
 SPring―8ニュースは、「SPring―8」を使って行われる年間数1000件もの研究のうち、とくに素晴らしい成果を挙げたわずか6件の研究しか掲載されません。同誌に取り上げられたことは、長谷川准教授の研究成果が極めて高く評価されていることの証明です。
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