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文学部主催「キング牧師没後40周年記念企画──コーネル・ウェスト氏による姜尚中氏との対談と特別講演会」開催報告

 去る5月9日(金)と10日(土)の両日、文学部主催・英米文学科企画によるキング牧師没後40周年記念行事が、現代アメリカを代表する宗教哲学者コーネル・ウェスト氏(プリンストン大学教授)を迎えて、姜尚中氏(東京大学大学院教授)との対談と特別講演の二部構成で開催されました。


 第一部「異なるものの共生──コーネル・ウェスト×姜尚中対談」(後援:朝日新聞社・青山学院宗教センター・青山学院大学英文学会)は、中央区築地の浜離宮朝日ホールにて、青山学院関係者と全国から足を運んでくださった一般参加者合わせて300人近い聴衆を前に行われました。深町正信院長と西澤文昭文学部長の挨拶、冨山太佳夫文学部英米文学科教授による対談者紹介の後、ウェスト氏と姜氏は日米それぞれの歴史における民主主義の成り立ちと現状を比較しつつ、真の民主主義のあり方をめぐって真摯で創造的な対話を繰り広げられました。2時間半あまりに及んだ第一部は、姜氏の提案により、「異なるものの共生」を可能にする未来への希望を込めて、参加者全員で1963年のワシントン大行進でも歌われた「勝利を我らに(We Shall Overcome)」を歌い、高揚した空気の中、閉会となりました。


 第二部では、本学青山キャンパスのガウチャー記念礼拝堂に会場を移し、「今なぜHumanity/Humanitiesか」と題して、ウェスト氏による特別講演会が行われました(後援:青山学院宗教センター・青山学院 大学英文学会)。講演に先立ち、大島力大学宗教部長による開会祈祷と伊藤定良学長の挨拶がなされました。ついで西本の紹介で演台に上がったウェスト氏は、キング牧師をはじめ暴力と不正に対して高い精神性で挑んだ人々の系譜を辿り、苦難に直面した人間がその悲喜劇的な状況を生きる過程で生み出す芸術表現の役割に触れて、現代における人間性と人文学の意義を力説しました。雨天にもかかわらず約700席ある会場を埋め尽くした学内外からの聴衆は、黒人バプテスト教会の伝統を引くウェスト氏の熱く心を揺さぶる語り口に真剣に聞き入っていました。講演後に設けられた質疑応答では時間が足りず、閉会後も一言ウェスト氏と対話をしようと長い列を作った参加者とウェスト氏との語らいは1時間にも及びました。


 その後、青学会館ミルトスの間にて開かれたレセプションには、伊藤学長、西澤文学部長、伊藤悟大学宗教主任、折島正司文学部英米文学科主任などが列席し、学内外の研究者、教員、大学院生、学部生など約80名の参加者の皆さんと共に、ウェスト氏に歓迎の意を表しました。
 非暴力によって差別や貧困と戦い、自由と平等の実現を目指したキング牧師が凶弾に倒れてから40年。21世紀を生きる私たちは、その遺産から何を受け継ぐのか。「楽観に陥ることなく未来に希望を抱き続けること」「一人一人が正義のために行動を起こすこと」の重要性を語るウェスト氏の言葉に耳を傾けつつ、あらためて問い直した2日間でした。
(文学部英米文学科 准教授 西本 あづさ 記)
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