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自分のイメージとは異なる“現実”が現地にはある――。NPO法人の事務局長として子どもたちの教育支援に参加

 国際政治経済学部の羽場久美子ゼミに所属する織田菜摘さん(国際経済学科4年)は、大学1年生から「NPO法人カンボジアの教育を支える会(PACE)」の活動に参加し、支援を必要とするカンボジアの小学生たちの学校生活面をサポートしてきました。3回ほど現地にも赴き、実際に子どもたちとの交流も体験。また2007年6月から2008年6月までの1年間は、組織の事務局長も務められました。現地で学んだことや大学の学習との相乗効果などを織田さんにお聞きするとともに、羽場教授に織田さんの活動の意義、さらには海外を体験することの重要性について伺いました。
織田菜摘さん
国際政治経済学部
国際経済学科4年
織田 菜摘さん
 高校時代から発展途上国や貧困国などに関心があり、機会があれば、「何か支援がしたい」とずっと考えていました。そんなときに友人から紹介されたのがPACEの活動です。PACEが支援するカンボジアの田舎にあるドーントロー小学校では、児童数に対して教室や教員、また教科書が足りず、十分な教育を受けられない状況でした。現地の子どもたちのために何ができるのか…。それをPACEのメンバーである学生が集まり、自分たちで企画、運営、実行するのです。イベントで集めた募金を校舎の建築や教科書の購入に充てたり、実際にカンボジアで子どもたちと交流したり、また学校周辺の村の視察なども行いました。現地を見たことで、いかに日本が恵まれた環境にあるかが痛いほどわかるとともに、“彼らのために何かしてあげたい”との思いが、さらに強くなりました。
 PACEは、現地での支援以外にも、日本国内でのチャリティイベントやPR活動など、数々の行事があり、年間を通して結構忙しく活動しています。全体を管理する事務局長を務めたときは、組織の運営面の問題や社会人の方との交渉事など、初めての経験の連続で、体力的にも精神的にも疲れました。でも普通の学生生活では味わえない経験ができたので、今は事務局長を務めて良かったと思っています。
 こうしてカンボジア関連のイベントばかりに関わると、どうしても視野が狭くなりがち。そんなときに羽場ゼミで欧米の話題について幅広く学ぶことで、自分の中ではバランスが取れていたように感じています。また「現地主義」の羽場先生にも影響を受け、長期休暇にはカンボジアだけでなく、ベトナム、ケニア、アメリカ、中国、フランスなど、時間とアルバイト代が許す限り海外に行きました。日本で話を聞くだけでは理解できない、現実の世界が現地には数多くあるので、本当の意味で自分自身の視野を広げることができたと実感しています。応援いただいた羽場先生をはじめ、国際政治経済学部で学んだことすべてに感謝の気持ちで一杯です。


羽場 久美子
国際政治経済学部
国際政治学科
教授
羽場 久美子
 旧来帰国子女や外国人留学生も多く所属する羽場ゼミでは、「世界に羽ばたく」をモットーに、国際的に活躍する人材を多数輩出してきました。実際にゼミ卒業生たちは、海外大学院留学とともに、世界銀行・アジア開発銀行や、国連(ユネスコ)、ゴールドマン・サックス、JETROなどに属して海外各地で活躍していますし、近年ではNHK、読売新聞、朝日新聞、毎日新聞などジャーナリスト系の分野にも多く進んでいます。
 しかしながら本学の学生は、国際政治経済学部に籍を置きながら、全体として必ずしも日常生活で鋭い国際感覚を研ぎ澄まして思考し、行動するといった機会が少ないように感じています。理論には強いものの現地に赴いて関わっていく行動力に若干欠ける印象です。そうした中で、織田さんが今回、重要な国際開発援助活動の一つでもあるカンボジアの教育支援を行う団体で事務局長として活動される機会を得、現地でも日本でも繰り返し援助活動に従事してきたことは、他に代えがたい国際政治経済コミュニケーション活動であり、周りの学生たちにエネルギーと行動力を与え、国際政治を現場から考えようと訴えかける良い機会になったと思います。
 今年の羽場ゼミにも、非常に個性豊かな行動力のある人が集まってくれましたが、織田さんはその中でも特に活動的な学生の一人です。国際的な現場感覚を持っているので発言にも深みがありますし、3年次のサブゼミではEU拡大とともにコソボ紛争を扱ったのですが、民族・地域紛争の現実的問題点、貧困や格差、紛争後の社会再構築の困難さなど、深いところまで分析する力も備えていました。今後も織田さんたちを筆頭に、国際社会に求められる人材が青学生から多数育ってくれることを願い、それを後押ししていきたいと考えています。
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