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青山学院「知的資産連携機構」の取り組みが、文科省「産学官連携戦略展開事業」に採択

 2004年に設立された「青山学院知的資産連携機構」は、学院内の「知的資産」を評価・保全・活用し、青山学院のブランド力、および経営力の向上につなげる役割を担っています。同機構では、そうした学院内全体のさらなる連携体制を強化させる一方、さまざまな知財の評価、運用、廃棄などを請け負う「知財クリニック」を2005年に創設。これはいわば、知財の“健康管理”と“病理処方”を行う機関で、近年は知財クリニック・ドクターを育成するための実践の場としても活用されています。そしてこのたび、こうした一連の取り組み内容が、文部科学省の2008年度大学教育改革支援(大学改革GP)のひとつ、「産学官連携戦略展開事業〈戦略展開プログラム〉」の「知的財産活動基盤の強化」区分に採択されました。
 知的資産連携機構を担当する法学部・法学研究科の菊池純一教授に、今回採択された取り組みの概要、および今後の展開について聞きました。
高菊池 純一
青山学院
知的資産連携機構担当
法学部法学研究科
教授
菊池 純一
 例えば、大学から発信された情報であっても、幼稚園から大学、大学院まで、青山学院全体の「知的資産」になるというのが、「青山学院知的資産連携機構」の基本的な考え方です。つまり、青山学院内のすべての教員と職員が、「知財情報」を共有できるよう、情報が学院内をスムーズに循環するシステムづくりを目指しています。「情報共有」と聞くと、一見当然のことで簡単にできそうですが、各学校間の連携の仕組みや、教員と職員とのつながりなど、意外と難しい点があるものです。しかし、ちょっとした油断から情報が流出したり、その価値が揺らいだりなど、思わぬ落とし穴があるのが、知的資産の怖いところ。そうした失敗を未然に防ぐために、学院内の体制を構築し、さらにその取り組みを知的財産活動の“基盤強化”につなげていくことが、今回文科省に採択された事業のベーシックなテーマです。
 ただし、事業名に「戦略展開プログラム」とあるからには、活動のなかに何かしらの「戦略」が必要となります。そこで具体的な施策として、知的資産連携機構では、ふたつの取り組みをスタートさせました。まずは理工学部の澤邊厚仁教授とのコラボレーションです。これは、澤邊教授が社長を務めるハイテクベンチャー企業「AGDマテリアル(株)」と提携し、ダイヤモンドの新しい用途を提案するコンソシアムを構築、運用しようというもの。それらを青山学院の知財の「基盤」にしようと考えたのです。AGDマテリアルで開発を進めるダイヤモンド薄膜は、多くのメリットと可能性を秘めており、知財としても大きな価値があります。澤邊教授ご自身は、ダイヤモンドに対して数十年かかっても実現したい研究課題をお持ちですが、今回はGPの期限もあり、1年後、2年後を見据えた“短期”での研究成果に特別にご協力いただくことになりました。こうした法学部と理工学部の教員同士が連携を取ることも知財の活動ならではといえそうです。
 そしてもうひとつの取り組みが、「知財クリニック」の充実。クリニックは、法人、個人を問わず、「知財」の扱い方には、かなりの温度差があるのが実情ですが、明らかに誤った扱いをしている知財を「病気」と定め、その診断および治療を行うことが目的です。例えば、その知財の状況に応じて、健康診断、知財ドック、内科的処方、外科的処方、移植・不妊治療、知財リハビリ、知財テストベット、紛争処理、CSR活動と、9種類の対応を用意。私の他にも外部から“知財のプロ”を招き、「治療」にあたっています。さらに、こうしたクリニックの現場を知財の最先端を学ぶための教育の場と位置付け、知財に通じた人材育成にも注力。本学大学院法学研究科のビジネス法務専攻知財法務コースに、知財クリニック・ドクター(PhD)コース(博士課程)を設置し、知財のプロ養成を目指しています。
 本学では、知的財産のマネジメントを企業向けに行うなど、「産学官連携戦略展開事業」に採択される以前から、知財に関する取り組みを積極的に行ってきました。仮に採択がなかったとしても引き続き活動を展開していたはずです。それでも今回、文科省に認めていただいたことを機会に、活動内容をより掘り下げ、また広く告知していけるよう、さらなる充実につなげていきたいと考えています。我々の取り組みが、多くの方々に「知財」を理解し、認識していただける機会となれば幸いです。
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