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文科省「社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム」に、本学ヒューマン・イノベーション研究センターの取り組みが採択

 文部科学省の「社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム」において、青山学院大学社会連携機構ヒューマン・イノベーション研究センター(HiRC)が推進する「主婦・団塊世代等社会人経験を有する人材に対するオンライン学習支援者育成プログラム」の取り組みが採択されました。これは、大学の教育研究資源を活用し、社会人の学び直しニーズに対応した教育プログラムを提供することが目的とされるもので、HiRCでは、企業をリタイヤした団塊世代、および出産や育児などで一時的に離職している主婦層をターゲットに、「オンライン学習支援者(e-メンタ)」を育成するための教育プログラムを開発・提供。豊かな社会経験を持つ団塊世代や自宅勤務のメリットを活かせる主婦層に“オンライン学習支援者”として活躍いただくことで、e-ラーニングの普及、活性化に結び付けようとの狙いも含まれます。
 HiRCの玉木欽也副所長(経営学部教授)、同センターの齋藤裕助教、同じく松田岳士客員研究員に、取り組みの主旨および今後の展開などを聞きました。
玉木 欽也
ヒューマン・イノベーション
研究センター
副所長
玉木 欽也
 本学のe-ラーニングへの取り組みを振り返ると、授業設計やコンテンツ作りなどに着手したのが約10年前。その後、対面授業にe-ラーニングの良さを組み合わせたブレンディッドラーニングの考え方が生まれ、e-ラーニングのメリットが認められると授業開発のためのインストラクショナルデザインが必要となり、そして次にはe-ラーニングの専門家の育成が求められるようになりました。これらのニーズに対しては、本学のe-ラーニング人材育成研究センター(eLPCO)においても積極的な研究が重ねられ、「e-ラーニング専門家認定証」を発行するシステムの構築など、これまでに大きな成果を上げています。
 こうしてe-ラーニングによる教育システムは充実し、さらなる普及を目指す段階に入ろうとしていますが、そこで問題視されてきたのが、e-ラーニングの学びを受講者がどれだけ最後までやり通せるかという点です。いつでもどこでも学べるのがe-ラーニングの大きな利点ですが、対面授業でない分、自分自身の“やる気”に大きく左右され、意志の弱い人では最後まで学習するモチベーションが続かないという現象が現れるようになりました。そこで注目され始めたのが、e-ラーニングによる遠隔教育を支援する専門家の存在です。オンラインコミュニケーションによって、受講者に的確なアドバイスを送りつつ、個人個人の遠隔教育をサポート。受講者を最後の学習修了まで導くことが“オンライン学習支援者”の大きな役割となります。
 今回、我々は、オンライン学習支援者の適任者として、豊富な社会経験を持ちながらも現役を退いた団塊世代の方や、バリバリと働く意志がありながら出産や育児などで離職を余儀なくされている主婦層をターゲットとしました。e-ラーニングとはいえ、人とのコミュニケーションが必要となるため、豊富な社会経験が必要と考えたからです。文科省のプログラムに採択され、より計画性を持って事業に取り組むことになりました。取り組みの成果等は、HiRCのホームページ上で随時ご報告させていただきます。ぜひご期待ください。

ヒューマン・イノベーション研究センターH.P.
「研究・外部資金」
http://www.hirc.aoyama.ac.jp/research/rsc03.html


齋藤 裕
ヒューマン・イノベーション
研究センター
助教
齋藤 裕
 私はプログラムのマネジメント的な部分を主に担当しています。よく文科省の教育改革支援プログラムなどに応募する際に、募集事業に応じた内容を構築するケースがありますが、今回の場合は、HiRCが独自で進めていた取組内容が、たまたまピッタリ当てはまった感じです。e-ラーニングの認識とともにオンライン学習支援者のニーズも高まっていましたし、主婦・団塊世代の社会人経験を活かす主旨もタイムリーで、恐らくスムーズに採択されるはずだと思っていました。
 今後の具体的な取り組みは、2008年度中に一度「プログラム実証テスト」を試行版として実施。このテスト結果から、構築した学習プログラムの形成的評価と、受講対象者となる団塊世代や主婦層のe-ラーニング学習環境やニーズを調査します。そして2009年度から本格始動。隔月で参加を受け付け、定員を1回30名、2年間で360名のオンライン学習支援者を育成したいと考えています。本学関係者で受講対象者と重なる方の応募も大歓迎です。興味のある方は、ぜひホームページで情報を確認してみてください。


松田 岳士
ヒューマン・イノベーション
研究センター
客員研究員
松田 岳士
 私はカリキュラムの構築など、プログラムの中身を考える役割を担っています。e-ラーニングは、システム的にもコンテンツ的にも熟成しつつある段階です。しかし、より普及させ、それを継続していくためには、システムを提供する側ではなく、活用する受講者側の視点で考えることも必要。その発想から導かれた答えが“オンライン学習支援者”と言えます。オンラインで送られてくる課題や教材をひとりでこなすことの連続では、よほど精神力の強い人でなければ最後までやり遂げることは困難です。学習状況を見守ってくれ、困ったときに気軽に相談できる人がいるだけで、やる気も大幅に向上されるはずです。
 オンライン学習支援者はe-ラーニングの専門家ですが、だからといって例えばプログラミングの知識に長けた人が適しているわけではありません。オンラインコミュニケーションとはいえ、結局は人と人とのつながりが大切。『e-ラーニング白書』によると、「モチベーションが続かない」「やる気がおきない」などの項目が、やはりe-ラーニングの課題点の上位に並びますが、こうした点の大部分をオンライン学習支援者の存在が解消してくれるはず。今後の取り組みにぜひ注目していただきたいと思います。
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