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記念シンポジウム「岡本太郎『明日の神話』招致と渋谷・青山エリアの文化的成熟」を開催

 2008年10月28日(火)、本学総合研究所ビル12階大会議室において、岡本太郎『明日の神話』招致記念シンポジウム「岡本太郎『明日の神話』招致と渋谷・青山エリアの文化的成熟」が本学総合文化政策学部、大学社学連携研究センター(SACRE)、NPO明日の神話保全継承機構、岡本太郎記念現代芸術振興財団の主催のもと開催されました。『明日の神話』は、岡本太郎が『太陽の塔』の製作と同時期の1968年から1969年頃にかけてメキシコで描いた、縦5.5m、横30mの巨大壁画です。その後、行方不明となっていましたが、2003年にメキシコで偶然発見。その後、紆余曲折があったものの、最終的に東京・渋谷駅のJRと京王井の頭線とを結ぶ連絡通路(渋谷マークシティ内)に設置されることになり、2008年11月17日(月)から一般公開されます。
 今回のシンポジウムは、“地元の大学”である本学が、『明日の神話』を今後も継続して守り続ける活動を展開し、応援する姿勢を明確にする“エール”でもありました。岡本太郎・敏子両氏と生前に交流があり、『明日の神話』の招致活動にも尽力した、本学総合文化政策学部の井口典夫教授に、シンポジウム開催の背景についてお聞きしました。
井口 典夫
総合文化政策学部
教授
井口 典夫
 シンポジウムは、『明日の神話』が渋谷に設置されるまでの流れと、一般公開時また公開後のイベント企画などについてお知らせする「報告」、岡本太郎記念館館長の平野暁臣氏による「講演」、そして渋谷・青山エリアを拠点とする5名のクリエイター(浅葉克己氏、田中里沙氏、鶴岡真弓氏、箭内道彦氏、井口典夫)が参加した「パネルディスカッション」というプログラムで実施しました。途中、ミュージシャンの田島貴男氏(オリジナル・ラブ)が作ったイメージソングも披露されるなど、『明日の神話』を知っていただき、今後も応援していただく意味で、大変意義のあるシンポジウムであったと考えています。
 メキシコで発見された、岡本太郎の幻の作品とも呼べる『明日の神話』は、「核にも負けない人間の尊厳」といったテーマが描かれており、人間は一度、核に敗れはしたものの、さらに強くたくましく生まれ変わって生きていく姿が、独特の力強い作風で描かれています。
 岡本太郎のパートナーであり養女でもあった敏子さんは、『明日の神話』発見当時から作品を日本に持ち帰り、多くの人に見てもらいたいと考えていました。以前から交流のあった私にも設置場所を探してほしいとの依頼があり、ようやく現在の場所を探しあてましたが、敏子さんは作品が無事に日本に渡ることが決まった2005年に急逝。日本で『明日の神話』を見る夢は果たされませんでした。多くのアーティストや文化人が賛同し、この作品の再生プロジェクトに尽力している裏には、間違いなく敏子さんの熱い思いが生きていると思います。



 シンポジウムの「報告」で、『明日の神話』が渋谷で公開された後の保全と振興を担う組織「明日の神話保全継承機構」の設立が発表されました。縦5.5m×横30mの超大作ですから、作品を守り、維持し続けることは大変なことです。本学では、学生有志によるイベントの企画・運営などの活動を通じて『明日の神話』に関わっていますが、地元渋谷・青山地区を代表する新しい“文化資産”の誕生を、ぜひ多くの学院関係者の方々にも祝っていただきたいと思います。シンポジウムに参加された方はもちろん、参加できなかった方も、まずは渋谷駅に足を運び、『明日の神話』を一度自分の目で、じっくりとご覧ください。きっと心に響いてくる何かを感じられるはずです。
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