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第12回OECD/Japanセミナーを開催

 2008年10月22日(水)より24日(金)にかけ、第12回OECD/JapanセミナーがOECD教育研究革新センター(Centre for Educational Research and Innovation, CERI)、文部科学省、青山学院大学総合研究所の共催により、青学会館で開催されました。2008年はOECD-CERIの設立40周年にあたり、開式は祝賀ムードに包まれました。佐藤禎一文部科学省顧問・OECD-CERI運営理事、バーバラ・イシンガーOECD教育局長、秋元実治青山学院大学総合研究所長による開会の辞に続き、ダーク・ヴァン・ダムCERI所長より、今回のセミナーテーマである「グローバリゼーションと言語コンピテンシー」プロジェクトの意義と展望が述べられました。
 第一基調講演では、小泉英明氏(株式会社日立製作所フェロー、科学技術振興機構、東京大学客員教授)より「脳を育む:学習の脳科学」と題して、OECD-CERIと世界的に著名な脳科学者との国際連携と協調に基づく研究の成果が発表されました。小泉英明氏が先導的に取り組んで来られた非侵襲脳機能計測装置および技法の開発により、教育と社会のあらゆる課題に、脳科学の観点からアプローチする可能性が開かれた経緯が紹介されました。「グローバリゼーションと言語コンピテンシー」が網羅する複雑かつ多様な諸課題にも、等しく脳科学からの貢献が期待できることが提示されました。
 続く第二基調講演では、ルイス・フェリペ・ロペス・カルバ氏(国際連合開発計画)が「OECD加盟国における言語的課題」と題し、言語と文化、経済、政策の相互作用と可能性を示されました。世界各国における様々な形態の言語政策から我々は何を学ぶことができるかを深く問いかける講演となりました。
 第三基調講演は「グローバリゼーションとカナダにおける言語コンピテンシー」と題して、サティヤ・ブリンク氏(カナダ政府人材・社会開発省)より、カナダの複合的な社会言語学的現状の紹介の後、詳細な調査データに基づく言語と富の関係が示されました。
 引き続き、全体会では、本セミナーのタイトルである「グローバリゼーションと言語コンピテンシー(GLC)」に焦点を絞った発表が行われました。まず、OECD-CERIのブルーノ・デラ・キエーザ氏は、視覚認識の転換を実感させる画像教材を活用しながら、多様性が生み出す創造力と国際協調の可能性をGLCプロジェクトに見いだす道筋を示しました。
 続いて、本学国際政治経済学部の本名信行教授より「グローバリゼーションと英語の多様性」と題する講演が行われました。この中で本名教授は、普及と変容の相関関係を示した上で、それぞれの地域の言語文化を備えることと不可分な国際共通語としての英語の諸相を、特にアジアの現状に焦点を絞って紹介されました。
 さらに「言語習得におけるモチベーションの役割」と題したOECD-CERIの宮本晃司氏の講演では、内発的な動機付けと外因性の動機付けと言語習得の関連が示され、両者の有機的な融合の必要性と、それを約束する諸要因のさらなる模索が今後の課題として示されました。
 多彩かつ濃厚な論題が次々と展開された初日でしたが、一日を締め括るレセプションでは、和やかに親交が暖められました。
 翌、23日(木)は6つの分科会に分かれ、さらに具体的かつ活発な発表と議論が展開されました。分科会テーマは、1.国際コミュニケーションにおける英語の機能と役割、2.言語習得への脳科学からのアプローチ、3.グローバリゼーションと日本の言語課題、4.移民・言語マイノリティの言語的可能性、5.多様化する言語環境への対応:言語監査の未来像、6.学校外言語学習:メディアとICTの役割、と多岐にわたるものとなり、活発な各国専門家の情報交換が行われました。
 24日(金)はあいにくの雨模様にもかかわらず、40名近い参加者による学校訪問、授業参観が行われました。世田谷区立東大原小学校では第4学年の英語活動を参観しました。元気いっぱいの歌声が響いた後、世界のさまざまな国について児童らが調べ、作成した大型絵本の発表が行われました。続いて訪れた私立広尾学園では、中学1年生、高校1年生の文法、同じく高校1年生のSELHiの取り組みの様子を参観させていただきました。参観後は質疑応答の時間が設けられ、日本の英語教育の現状と展望が広く語られました。
(青山学院大学総合研究所 客員研究員 猿橋順子 記)
佐藤禎一氏文部科学省顧問・OECD-CERI運営理事   バーバラ・イシンガー氏OECD教育局長   秋元実治氏青山学院大学総合研究所長
佐藤禎一氏
文部科学省顧問・
OECD-CERI運営理事

  バーバラ・イシンガー氏
OECD教育局長
  秋元実治氏
青山学院大学
総合研究所長
ダーク・ヴァン・ダム氏CERI所長   小泉英明氏(株式会社日立製作所フェロー、科学技術振興機構) 小泉英明氏(株式会社日立製作所フェロー、科学技術振興機構)   ルイス・フェリペ・ロペス・カルバ氏(国際連合開発計画) ルイス・フェリペ・ロペス・カルバ氏(国際連合開発計画)
ダーク・ヴァン・ダム氏
CERI所長
  小泉英明氏
(株式会社日立製作所フェロー、科学技術振興機構)
  ルイス・フェリペ・
ロペス・カルバ氏
(国際連合開発計画)

サティヤ・ブリンク氏(カナダ政府人材・社会開発省) サティヤ・ブリンク氏(カナダ政府人材・社会開発省)   ブルーノ・デラ・キエーザ氏(OECD-CERI)   本名信行氏(青山学院大学国際政治経済学部教授)
サティヤ・ブリンク氏
(カナダ政府人材・
社会開発省)
  ブルーノ・デラ・
キエーザ氏
(OECD-CERI)
  本名信行氏
(青山学院大学
国際政治経済学部教授)

宮本晃司氏(OECD-CERI)   左から木曾功(文部科学省国際統括官)バーバラ・イシンガー(OECD教育局長)、伊藤定良(青山学院大学学長)、本名信行(青山学院大学教授)、猿橋順子(青山学院大学総合研究所客員研究員)
宮本晃司氏
(OECD-CERI)
  左から木曾功(文部科学省国際統括官)
バーバラ・イシンガー(OECD教育局長)
伊藤定良(青山学院大学学長)
本名信行(青山学院大学教授)
猿橋順子(青山学院大学総合研究所客員研究員)
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