メインコンテンツへ
第55回全日本大学選手権大会(全日本インカレ)優勝の女子バレーボール部、生瀬監督と土田主将インタビュー

 本学女子バレーボール部は、平成20年度第55回全日本バレーボール大学選手権大会の決勝戦で東海大学をくだし、見事に優勝しました。同大会の優勝監督賞に選ばれた生瀬良造監督と最優秀選手賞・セッター賞の土田 望未キャプテン(文学部4年)に、同大会を含めた1年間の活動を振り返って、語っていただきました。
生瀬 良造
女子バレーボール部
監督
生瀬 良造
濃密な短時間練習で培った集中力で
勝ち取った全日本インカレ優勝

 部員全員がよく頑張ってくれて全日本インカレで優勝し、日本一となって2008年を締めくくることができました。皆様の御声援に感謝します。
 他大学が大型選手を揃えているのに比べ、青山学院大学女子バレーボール部の部員は、バレーの選手としては小柄です。しかし、小柄ながらスピードと粘りを身上として、全員で一点を取るというのが我が部の伝統的スタイル。今大会でも、その伝統が十分に発揮されました。
 春季関東リーグ2位、夏の東日本インカレと東西インカレは3位でしたが、少し頑張れば、優勝も十分に狙える位置にいました。しかし、秋季関東リーグではフルセットの試合が続き、これをものにできず残念ながら5位になりました。この時は、久しぶりに怒りました。ただ、これは喝を入れたようなもので、気持ちを入れて闘えば、実力的には12月の全日本インカレで優勝できるという確信を持っていました。
 全日本インカレは準々決勝から決勝までの3試合すべてフルセットの厳しい戦いでしたが、やはり伝統の粘り強さと精神力で勝利をもたらしてくれました。
 決勝戦の相手となった東海大は、我が部に劣らずスピードを武器にしているチーム。たぶん、決勝まで勝ち進むだろうと予測していましたので、勝つための対策はいろいろとやりました。たとえばいつにもまして、強打ボールでのレシーブ練習を徹底しておこないました。東海大のスピードと強打ボールに対応することをイメージさせながら、自信がつくまで徹底して練習しました。
 そして正確なつなぎバレーを目指しさらに磨きをかけること。必ずしもセッターに返せるとは限りませんから、セッター以外の者もアタックしやすい正確なトスを上げられることが重要なポイントになり、このつなぎがよくなると、ピンチでも大崩れすることなく、粘り強く戦えるのです。
 選手たちは厳しい練習にも、楽しく一生懸命取り組んでくれました。一生懸命やることで、楽しさが生まれるというのが我が部の特色です。だから全体での長時間の練習はあまりしません。他のライバル大学に比べても時間的には断然短いし、もしかすると日本でいちばん短いかもしれません(笑)。なぜ短時間練習かというと、長時間の練習をするとどうしても自分達で力の配分を計算してしまい、集中力が乏しくなるからです。時間が短いかわりに時間内は目いっぱい集中して全力を出すという練習を続けることで、実際の試合での集中力も自然に身につき、試合中に力を抜くことがなくなり、これが粘りにつながるのです。
 短時間ゆえに、全体練習を終えた後に自分が足りないと思ったところを自主的に練習する余裕も生まれます。実はこれにはお手本があって、野球部の河原井監督から以前伺ったのですが、現在プロで活躍している小久保選手が部員だった頃、全体練習は短めにして、個々が強化したいところに使う時間をつくって欲しいと要望を出し、それを受け入れた河原井監督が、短時間集中練習に切り替えたそうです。その話がヒントになったのです。
 全体練習を短縮し、個々の弱点克服、レベルアップに自分たちが取り組むことで、選手たちの自主性が高まりチームワークが生じたのです。やらされる練習ではなく、自分たちで自立してやる練習を通じて、周囲への感謝の気持ち、謙虚さなど、青山学院の精神に通じるものが育まれていると感じます。
 大学の団体スポーツの多くは、精神力が勝敗を左右するので、相手に勝る一つのプレーがチーム全体に勢いをつけ一体感を生みます。3年以下の部員たちが、闘志溢れるプレーで4年生の最後の大会だから4年生のために勝ちたいとコートの内外で力を合わせて頑張り、4年生はその思いに感謝しながら全力を出し切って闘いました。その結果が今回の全日本インカレ優勝という結果をもたらしたのだと思います。

土田 望未さん
文学部4年
土田 望未さん
19人の部員全員がひとつになって
青学伝統の粘り強いチームになった

 去年は内田さんという大砲がいて大活躍してくれたのですが、今年は飛びぬけたエースはいないし、平均身長も去年より低くなっています。それだけに、速いバレー、粘るバレーという青学バレーの原点を確実なものにしなければとみんな思っていました。
 実際に春季リーグが始まって、大型選手中心の筑波大に敗れて2位になってしまいました。もし勝てていれば春季リーグ4連覇だったので、悔しかったですね。
 ところが、筑波大には6月の東日本インカレでも負け、7月の東西インカレ選抜でも勝てませんでした。これではいけないと全員で話し合いました。青学女子バレー部のいいところは、学年の上下は関係なく、ミーティングでは自由に発言し、全員で話し合うところです。この時も後輩たちがいい意見をたくさん出してくれてくれました。
 打倒筑波大に燃えた夏の練習では、早い攻撃と確実なレシーブの練習だけでなく、筋トレも頑張ってみんなベストの体調で秋のリーグ戦に突入し、滑り出しは絶好調。生瀬監督も驚くぐらいの好調さで、3試合連続1セットも落とさずに勝ち続けました。ところが、今度も筑波大に負けてしまい、それが尾を引いたのか、東海大にも破れ、さらには日体大、嘉悦大にも勝てずに、その大会では上位リーグに残れず下位リーグで闘うことになり、10チーム中総合5位という最悪の結果になってしまいました。
 嘉悦大に負けて下位リーグが決まった試合は、フルセットで19-21の惜敗。本当に悔しかったのですが、それと同時に、いい攻めのかたちができ始めていたことを実感していました。みんなも同じ感じをつかんでくれて、負けはしたものの「これは全日本インカレにつながるよね」と復活の手ごたえを共有しました。
 その手ごたえをより確かなものにするために取り組んだ全日本インカレ前の練習では、後輩たちがよく声を出してすごく頑張ってくれました。それに応えなくては、と私たち4年生も頑張ります。チームがひとつになってこそ最高の力を発揮するというのが青学バレーの伝統、チームは最高の状態に仕上がってきました。
 そして12月、全日本インカレがスタート。3試合目まで1セットも落とさず勝ち、4試合目の広島大で初めて1セット目を落としました。私は内心あせったのですが、みんなの顔を見るととっても落ち着いていて、その表情に励まされました。そして「よし、立て直そう」の言葉一つでチームの集中力が戻り、勝利しました。
 次は、宿敵の西のチャンピオン鹿屋体育大戦。この試合はフルセットまでもつれたのに、なぜかとっても楽しく感じました。味方も敵も全員が執念を燃やして実力の120%を出して1球を追う、その緊迫感から生まれるスポーツの真の面白さ、醍醐味を楽しんでいたのです。これぞバレー、という喜びです。この試合で、コートの中も外も本当にひとつになりました。というより、ひとつにならなかったら勝てない試合だったと思います。
 次の嘉悦大は、それまでの試合をすべてストレートで勝ち。一方、私たちは前日に鹿屋体育大とフルセットで闘っています。この違いが勝負のひとつのあやだったと思います。私たちは、頭もからだも5セット目の闘い方を覚えていたうえ、5セット目が始まる前に3年生が「4年生のために勝ちます」と元気をくれたことで、集中力はさらに高まりました。しかし嘉悦大は大会初の5セット目で、集中力が続かなかったようです。
 決勝の相手は、筑波大を破って勝ち上がった東海大。私たちのシナリオでは、今年勝てなかった筑波大を決勝で下して優勝の予定だったので、ちょっと予定がくるいました。でも、拍子抜けしている時ではありません。何がなんでも東海大に勝たなくてはならないのです。東海大は1年生中心のスピードがある勢いに乗っているチーム。私たちは3、4年生のチーム。若さの勢いに押されることなく、ベテランの技で勝とうと意思統一をし、あわてずあせらず、拾って拾っての青学らしい粘りを発揮して勝ち、ついに優勝しました。
 チームは19名。今年の合言葉は「あきらめないど根性」(笑)。私はキャプテンとして、ボールが床につくまであきらめないで飛び込む、コートの外に出たボールも追いかけて取りに行く、どんなボールも無理だろうと思わず追い続けることが次につながる、ということを言い続けてきました。そして、もうひとつは、自分の仕事に徹底することです。セッターの私なら打ちやすいトスを100%上げることを目指し、リベロなら可能な限りトスを上げやすい球をセッターに出すことを目標に、一人ひとりが自分の仕事を追求して高めることに取り組んできました。このふたつの目標をコツコツと積み上げた結果、最終戦に勝てたのだと思います。
 生瀬監督にとっては、ほんとうにハラハラしたチームだったと思います。いつもは声を荒げることもなく、選手の自主性と信頼関係を大切にしてくれる監督が、秋季リーグで5位になった時は珍しく怒って、「史上最低のチームだ」と怒鳴りました。でも、あの怒りの言葉を聞いてから、私たちは「史上最低から這い上がって、史上最高のチームになろう」と誓い合い、それが全日本インカレ優勝の大きな原動力になりました。
 今はみんなに感謝の気持ちでいっぱいです。私たちを信じてくれた監督、コーチ、可愛くもまた頼りがいのあった後輩たち、そして応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。
ページトップへ