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理工学部の村田亜紀代さん、重里有三教授、機器分析センターの中村新一さんが、日本セラミックス協会学術写真賞の最優秀賞を受賞

 理工学部化学生命科学科4年生村田亜紀代さん、重里有三教授、理工学部付置機器分析センターの中村新一さんが、第34回(2009)日本セラミックス協会学術写真賞の最優秀賞を受賞しました。この賞は長年の伝統があり、「オリジナルな科学的知見を含んでいる学術的価値の高い写真で、技術的に高度で美術的な水準も高いと認められるもの」に送られるもので、今回は40件近い応募の中から最優秀賞として1件だけ選ばれたものです。受賞した電子顕微鏡像は、村田さんが卒業研究として1年間取り組んできた中の成果の一つで、柱状酸化タングステン (WO3)多結晶薄膜上に担持したナノサイズの白金(Pt)島状構造の高分解能透過型電子顕微鏡による解析像です。


最優秀賞を受賞した白金担持酸化タングステン光触媒の
透過電子顕微鏡写真

 このWO3薄膜は、重要な環境技術の一つである可視光応答性を持つ光触媒として期待されおり、特定条件下、反応性DCマグマトロンスパッタ法にて成膜すると幅100nmの柱状結晶体で構成される膜構造を示します。その表面は高低差100~200nmの凹凸を示し、高い比表面積を持ちます。一方、光触媒表面への助触媒としてのPt担持効果が期待できるため、我々は簡易スパッタ法によりWO3薄膜表面にPtを島状に成長させ(Volmer-Weber型結晶成長と呼ばれています)、Ptナノ粒子担持WO3薄膜を作製して、光触媒活性の飛躍的な向上に成功しました。また可視光照射下において、シックハウス症候群の原因となる有害なアルデヒドの分解活性の最も高いPtナノ粒子結着のスパッタ条件を見出しました。その検証として透過電子顕微鏡観察によって、WO3薄膜表面上のPtナノ粒子の形態評価を行った結果、ナノ粒子は薄膜全表面を覆うように分散しており、かつ形成ナノ粒子径が1~3nmであることを確認しました。今回受賞したのはこの観察像で、研究の着眼点、ナノ構造形成手法の卓越性、極めて高レベルな解析結果などが評価されました。


村田亜紀代さん【左から2番目】
審査委員長 矢野豊彦東京工業大学教授(物質工学部門)【右から2番目】

 本研究成果の詳細は、4月に開催される応用物理学会(筑波大学)、並びに、機能性透明酸化物に関する国際会議(TOEO-6)で講演を行う予定です。光による環境浄化技術として、病院や介護施設などでの幅広い応用が期待されています。
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