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APECを巡る日米協調――パトリシア・ハスラック米国APEC担当大使講演――

 駐日米国大使館の協力を得て、青山学院大学国際交流共同研究センターと国際政治経済学部の主催により、5月25日、総研ビル12階大会議室において、パトリシア・ハスラック米国アジア太平洋協力会議(APEC)担当大使のセミナーが開催され、学外から多くの日米関係者と報道関係者、及び本学の学生が出席しました。パトリシア・ハスラック大使は、これまで米国のインドネシア、パキスタン、インドの各大使館に勤務されたことがあり、ラオス大使を務めたあと現職につかれているキャリアの女性外交官です。「APECを巡る日米関係」と題して基調講演を行ったあと、会場からの質問にも応じ、モデレーターにこのセミナーを企画した福島安紀子国際交流共同研究センター研究員があたり、菊池努国際政治経済学部教授が討論者として加わりました。


パトリシア・ハスラック米国アジア太平洋協力会議(APEC)担当大使

 APEC参加地域のGDPは世界のGDPの55%にのぼり、米国貿易のトップ10カ国のうち5カ国がAPECに属しているほどAPEC経済のサイズは大きい。今年はちょうどAPEC創立20周年にあたり、また外交面で新しい理念と方向性を明確にしてきている米オバマ新政権が、APECではどのような方向を打ち出すのかにも高い関心が集まっています。APEC会議は今年シンガポールで開催され、来年が日本、そして再来年はアメリカでの開催が決まっていますが、他方、リーマン・ブラザーズ破綻以来の世界の経済不況、アメリカの自動車産業を始めとする米国経済の落ち込み、また依然として高い成長を続ける中国経済などの問題と課題を受けて、APECは今、どう対応しようとしているのかが問われています。


 質疑応答では、いよいよ来年に迫ったボゴール宣言(アジア太平洋地域の先進国は2010年までに自由で開かれた貿易及び投資という目標を達成する)の実施について日米両国がどう対処するのかなどの質問が出ましたが、大使は慎重に答えられて具体的な米国の方針は示されませんでした。また、当日、北朝鮮が二回目の核実験を行ったため、会場からはオバマ政権の対アジア安全保障政策についても質問が出されましたが、大使はAPECに関係する経済問題だけに話しの焦点を絞り手堅く話しをまとめられました。あらためてAPECの役割が問われている折からAPECの現場を知るうえで極めて得るところの多いセミナーとなりました。
(副学長・国際交流共同研究センター所長 土山實男)
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