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第7回青山学院「会計サミット」『低迷する経済環境下における会計の役割と課題』

 第7回青山学院「会計サミット」が46年ぶりの皆既日食がみられた2009年7月22日(水)に、ガウチャー・メモリアル・ホールにおいて多数の出席者を得て開催されました。


 米国発の金融危機に端を発した100年に一度といわれる全世界的な景気の低迷により、日本企業は2008年度の第2四半期までの過去最高益の決算から、第4四半期では営業利益段階での大幅な落込みがみられました。この状況下では、企業にとっては時価情報開示や内部統制報告などの新しい会計制度が負担となっているとの危惧がささやかれているのも、また事実です。そこで、今回の会計サミットでは、金融危機下においてさまざまな経済回復への取組みが行われている中で、会計がいかなる役割を果たすことができ、またできないのかについて検討しました。
 第一部の特別講演では、会計数値を信用するタイプの経営者の方が現場を信用するタイプよりも経営判断を誤りやすいという経験談から始まり、リーマンブラザースにおいては、誰もがうらやむ高額の給料が実は現金の裏づけのある利益ではなく借入金で支払われていたという一例が示されました。そして、固定費が高く景気変動を受けやすい高級フレンチレストランよりも、客の入りが多少減っても利益に与える影響が少ない(限界利益率の低い)餃子屋の方が不況下においては強いという話がありました。
 第二部のパネル討論会では、会計基準は市場で起こっている取引・事象を正しく財務諸表に反映するためのルールであって、市場情報の開示を促す会計基準が市場を負のスパイラルに巻き込み、金融危機を増長させているという議論は正しくないという結論をえました。そして、目先の利益計上や損失の先送りのための会計処理を一時的に認めたとしても、市場は決してそのような企業を評価しないし、結果的に経済成長は見込まれないと締めくくられました。
 プログラムは、以下の通りです(以下、敬称略)。

第一部 特別講演
林 總(LEC会計大学院教授、公認会計士)
「経営者はなぜ経営判断を誤るのか ー会計数値を鵜呑みにしてはならないー」
第二部 パネル討論会「低迷する経済環境下における会計の役割と課題」
●パネリストと報告タイトル(報告順)

①小林 慶一郎(独立行政法人経済産業研究所・上級研究員)「世界経済危機と日本の経験」/②冨山 和彦(株式会社経営共創基盤・代表取締役CEO)「二つの巨大バブル崩壊を超えて会計制度が問われるもの」/③鈴木 豊(青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科長・教授)「経済社会における公会計・公監査の役割を明確に」/④加藤 厚(企業会計基準委員会・公認会計士)「グローバル金融危機下において問われた会計の役割と教訓」


●コーディネータ
八田 進二(青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科教授)


 2010年は果たしてどのような世の中になっているのか、先が読めない時代に突入していますが、来年の第8回青山学院「会計サミット」もこれまでと同様に、時代をキャッチアップしたテーマをとりあげます。どうぞご期待していてください。

(大学院会計プロフェッション研究科教授 小西 範幸 記)
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