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本学とも縁の深い「日米学生会議」に、国際政治経済学部の安藤歩美さんが参加しました

 1934年当時、満州事変を機に悪化傾向にあった日米関係を危惧した本学在籍の中山公威氏をはじめとする4名の大学生有志たちは、太平洋を越えた積極的な働きかけの末に、本学を会場とする「第1回日米学生会議」を実現させました。その後、戦中、戦後の一時期を除き、日本と米国を交互に行き来しながら会議は継続。そして75周年を迎えた今年、第61回目となる日米学生会議が日本(東京、函館、長野、京都)を舞台に7月28日(火)~8月21日(金)の日程で開催され、本学からも国際政治経済学部国際政治学科3年の安藤歩美さんが、日本側の代表36名の一員として参加しました。
 日米学生会議は、毎年掲げられたテーマに沿って、日米それぞれ36名、計72名の大学生が参加してお互いに議論を戦わせるもので、今年のテーマは「日常から世界、日米から地球へ~国際社会を見据えた対話と発信~」。さらに7つの分科会に分かれての研究報告も行われるなど、1カ月間全員で共同生活をしながら、相互理解を深めます。
 約1カ月にわたる“会議”を経験した安藤さんに、期間中の様子や参加して得られたことなどについて話を聞きました。



安藤 歩美 さん
国際政治経済学部
国際政治学科3年
安藤 歩美 さん
 大学1年の「入門セミナー」の授業で、以前、会議に参加した経験のある武田興欣先生から当時のお話をお聞きしたことが、日米学生会議の存在を知ったきっかけです。そのときは、こんな会議に参加する人たちは、日米関係の将来を真剣に論じるエリートばかりだろうと、一種の憧れを感じました。
 その後、国際政治学科で勉強を重ね、最近では日米の安全保障、特にその核となる日米同盟に強い関心を抱くようになりました。と同時に、“米国人にとっての日本の存在”が気になり出し、実際に米国人に意見を聞ける機会、しかも自分と同じ大学生と交流できる機会としての日米学生会議が、私のなかで大きなウエイトを占めるようになったのです。
 とはいえ、選考はかなり厳しいと聞いていたので、まさか自分がメンバーに選ばれるとは思っていませんでした。他の参加者は語学も堪能で頭の回転も速い学生ばかりだろうと、少し気後れする面もあり、参加前は期待よりも不安の方が大きかったですね。
 しかし、5月の連休中と、本番が始まる直前に行われた日本側の学生だけの“合宿”を通じて、私のなかの不安は解消されました。想像以上に多様な人々が集まる特殊な環境は、大きな刺激の場となり、みんなとの交流が自分にとってプラスになることばかりだと感じられたのです。まだ本番前でありながら、既に「この会議に参加できて良かった」と思ったほど。そして米国側の学生と合流してからは、さらに大きな衝撃の連続でしたね(笑)

 米国の学生と接してみて、異なる環境で生まれ育った自分たちとの考え方や言動の違いをやはり感じました。数々の討論や分科会の打ち合わせなどでも、何度も衝突を繰り返しました。個人的な感想かもしれませんが、米国側は野心的というのか、何でも積極的に“形を作ろう(結論を出そう)”と話をドンドン展開していきます。一方で日本側は、まず政策面を整えてから実行に移そうとする慎重論になりがち。ここのせめぎ合いが多くみられましたね。
 また、こうした傾向は、通常の“発言”にも影響します。もともと会議中は、すべて英語を使うことが決まりなので、米国側にアドバンテージがあるのですが、とにかく思いつくことを次から次に発言する米国の学生に対し、こちらは、真意を伝えようと思えば思うほど、言葉選びが慎重になり、なかなか発言できないのです。後からじっくり考えれば、発言内容は間違いなく日本側の方が優れているのに、その場の勢いで言い負かされる場面が多く、少し歯がゆい思いもしました。

 約1カ月間、72名でさまざまな意見をぶつけ合いましたが、日を追うごとに仲間意識、さらには信頼感が強まったことも確かです。国境を越えたコミュニケーションが確実に深まることを実感できるなど、通常の学生生活では体験できない、本当に貴重な1カ月間を過ごすことができたと考えています。
 今回の会議に参加して良かったのは、何よりも自分自身を見つめ直せたことです。例えば、大学で「国際政治」を学んでいる私は、その自分の観点で討論や分科会の活動に取り組もうと考えていました。しかし、多様で個性的な学生が集まった集団のなかでは、当然ながら私の主張が通らない場面も多く、嫌でも新しい観点での物の考え方が必要となったのです。これまでどちらかといえば関心の薄かったビジネスや経済方面の話題も、実際に議論してみると「あっ、やっぱり必要だな」と気付くことができました。
 さらに「海外で勉強したい」との思いも今回の経験でより強くなりました。単に語学を学ぶのではなく、海外の国々の多彩な価値観を知りたいと考えています。大学卒業後は大学院に進み、“アジアの安全保障”について研究を深めるつもりですが、自分に何ができるのか、何をするべきなのかを見極める段階で、日米学生会議に参加した経験が大きく役立ちそうな気がします。
 想像していた以上の衝撃を受け、同時に日米を問わず多くの新しい友人とも出会えた日米学生会議。青学の大先輩が礎を築いた同会議ですが、節目となる75周年の年に参加できたのも何かの縁かもしれません。来年度以降も多くの青学の学生が参加し、私同様に貴重な経験をしてもらいたいと思います。
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