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読書教養講座 公開授業 京極夏彦氏の講演会「抽象力」を開催

 2009年10月10日(土)、21世紀活字文化プロジェクトによる「読書教養講座」の公開授業(主催:活字文化推進会議、青山学院大学、主管:読売新聞社)が、本学ガウチャー・メモリアル・ホールにて開催され、学生や市民約700人が参加しました。
 本年は江戸時代の怪異小説『雨月物語』で有名な上田秋成の没後200年に当たります。 本講演会は、この機会に本学の「日本文学特講」の授業に、江戸の怪異にまつわる小説をお書きになっている作家京極夏彦氏をお招きし、一般の方々にも開放したものです。



 講師を務めた京極氏は、1994年『姑獲鳥の夏』でデビュー、『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、『覗き小平次』で山本周五郎賞、2004年には『後巷説百物語』で直木賞を受賞、以後、現在に至るまで百鬼夜行シリーズや百物語シリーズなどで多くのファンを魅了しています。
 京極氏は「抽象力」と題して、日本人が概念を抽象化・象徴化し、実態を持たせて遊ぶという知的遊戯性を強く持っていたこと、例えば、「不思議だ、怖い」ということが起きたとき、お化けや妖怪のせいにして不安を解消する術を知っていた、非日常を日常の中に取り込んで生活する作法を知っていた、とお話になりました。ネガティブな人は怪談を読み、自分の方が恵まれていると自身を慰め、ポジティブな人は妖怪で遊んで楽しむことが、江戸時代に培われた「抽象力」で日常生活を健全に送るための智恵であると締めくくられました。



 また本学の文学部日本文学科 大屋多詠子准教授との対談では、曲亭馬琴など江戸読本の小説方法と絡め、京極氏がごく短時間に作品の構想を練りあげること、馬琴は挿絵についても細かな指示を出しているが、これは書籍を商品と考えていたためであり、京極氏も同様の意識が強いことなど、作品執筆にまつわるお話を伺いました。
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