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誌上公開講座 No.52
青山スタンダード科目  最終回「青山スタンダード科目」は、本学学生の“質保証”につながります。

2003年度の相模原キャンパス開学と同時にスタートした「青山スタンダード科目」。誌上公開講座では、毎回青山スタンダード科目の対象科目をピックアップしてきましたが、今回で“最終回”を迎えることになりました。そこで青山スタンダード教育機構長を務める長谷川信副学長に、導入から8年目を迎えた青山スタンダード科目の役割と今後の展望を聞きました。
長谷川  信
学務・学生担当副学長
(青山スタンダード教育機構長)
長谷川 信
専門科目との相互補完を担う青山スタンダード科目

 本学では2003年度から、それまでの教養教育の在り方を抜本的に改革した、独自の「青山スタンダード科目」をスタートしました。そのねらいは、「およそ青山学院大学の卒業生であれば、どの学部・学科を卒業したかに関わりなく、一定の水準の技能・能力と一定の範囲の知識・教養を備えているという社会的評価を受けることを到達の目標とする」と位置づけています。在学中はもちろんのこと、社会に出てからも通用するだけの優れた知性・人間性を備えるためのベースにもなる学びのシステムです。
 「スタンダード」という言葉は標準や基準という意味を持つため、少し固いイメージを抱かれるかもしれませんが、青山スタンダード科目は、とても柔軟で幅広い教養と技能を身につけられるものであり、その仕組みや構成も独特です。まず1年次の初めには「フレッシャーズ・セミナー」が設けられます。これは20名程の少人数によるゼミ形式で行われる科目で、大学で学ぶために必要となる技法等を身につけることが目的です。いわば入門的科目ですが、このフレッシャーズ・セミナーの学びが、「コア科目」と呼ばれる本学らしい多彩で先進的な学びに結びついていきます。
 コア科目は「技能コア」と「教養コア」に分かれます。「青山スタンダード科目のねらい」に当てはめれば、技能コアは“一定の水準の技能・能力”、教養コアは“一定の範囲の知識・教養”を身につけるための科目です。さらにコア科目の発展的な科目として「テーマ別科目」を設置しています。テーマ別科目においては、寄附講座や実務者講師による講義を取り入れるなど、幅広い知識や教養を得るための工夫も積極的に行っています。
 そして青山スタンダード科目の大きな特色のひとつが、コア科目とテーマ別科目に共通して設けられている8つの「領域」です。これは従来の学問分野ありきの一般教養と呼ばれた仕組みとは一線を画したもので、狭い専門領域にとらわれることなく、「人間理解」や「社会理解」「自然理解」など、時代のニーズをとらえて組み立てた本学独自の領域設定となっています。
 青山スタンダード科目は、単なる導入教育ではありません。専門科目と相互補完できるような特色を持った科目です。そのため1、2年次だけでなく、3、4年次でも履修できるシステムになっています。一時期、一般的に重要視されていなかった教養教育のあり方が、昨今再び見直され始めていますが、他大学に先駆けて2003年に「青山スタンダード科目」の構築に着手したことは、本学において今も大きなアドバンテージとなっているのです。


学生はもちろんのこと、教員の視野も広げる開放性

 青山スタンダード科目は、柔軟性とともに開放性も備えた科目です。とくに開放性については、教員の講義への取り組み方にその成果が見られます。学部・学科の枠を超えて学際的に学べる青山スタンダード科目の担当教員は、当然ながら自分の所属学部以外の学生にも教えることになります。つまり自分の専門を深めるだけのテーマ設定では、内容を理解できない学生が出てくる恐れがあるわけです。そのため教員側が専門性を広げ、自分の研究を社会問題と関連させてテーマづけするなど、多くの学生が理解でき、興味を示せるようなコンテンツを用意することになります。こうした学生だけでなく、教員側も視野を広げる機会になっている点に、青山スタンダード科目の“強み”があるのです。
 本学が自信を持って学生に届けている「青山スタンダード科目」ですが、決して“完成”しているとは考えておりません。科目の組み換えや開発など、その時代ごとに応じた科目設定を行うことは必須であり、あらかじめ3年周期で内容を見直すことが定められています。近年では昨年2009年に見直しを行い、改革の一環として、初年次教育の充実を図ることをねらいとした「ウェルカム・レクチャー」を設置しました。
 ウェルカム・レクチャーは、学問入門編とも呼べる科目です。学問領域の異なる複数名の教員によって運営され、学生たちは毎回、教員ごとに違った視点でのレクチャーを受けることになります。異なる分野の専門家による相互交流、いわば“知性のオープン化”は教員自身にも新鮮な刺激を与え、多彩な学問が融合した学びを試行しています。ウェルカム・レクチャーも青山スタンダード科目の特色のひとつである開放性を備えた科目といえるでしょう。


青山スタンダード科目がこれから目指す方向性

 これからも青山スタンダード科目は、全学共通教育システムとしての機能を高めていく必要があります。それが社会的評価を受け、また最近よく耳にする言葉でいえば、本学学生の“質保証”にもつながるはずです。2009年に設置したウェルカム・レクチャーだけでなく、今後は、初年次教育を重要視した科目の充実が必要だと考えています。例えば、キャリアを意識させる科目や文章の作成能力を向上させる科目など、1年次の早い段階から取り組み、それが卒業後にも役立つスキルとなるような科目です。時代が求める新しい科目開発には、これからも積極的に対応していきます。
 2012年には本学において就学キャンパスの再配置が予定されており、青山スタンダード科目も両キャンパスにおける4年一貫教育への対応が必要となります。今後とも全学的な協力体制のもとで、青山スタンダード科目のすぐれた理念を継承しつつ、特色ある全学共通教育システムとしての青山スタンダード教育を推進してまいりますので、ご期待ください。
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