メインコンテンツへ
開設2年目を迎えた新学部・学科の現状を学部長と学生が語る。〈教育人間科学部〉

2009年4月に本学は新学部「教育人間科学部(教育学科・心理学科)」と新学科「経営学部マーケティング学科」を開設しました。 学部長と学生による座談会を実施し、時代が求める教育の場を提供すべく誕生し1年を経過した新しい学部と学科の現状について聞きました。
「人間」について教育と心理の両面からアプローチし、
1+1が3にも4にもなる学びを目指しています。
池田 稔
教育人間科学部長
池田 稔



長谷川 浩幸 君
教育人間科学部
教育学科2年
長谷川 浩幸 君



増田 千晃 さん
教育人間科学部
心理学科2年
増田 千晃 さん
「教育」と「心理」のコラボによる
相乗効果が大きな特色


池田 教育学科と心理学科を融合する形で誕生した教育人間科学部ですが、おふたりがそれぞれの学科を志望したきっかけは何だったのですか。
長谷川 高校2年の頃に「自分が将来やりたいことは何だろう」と真剣に考えました。そのとき今の自分がいるのは、これまでにお世話になった多くの先生方のおかげだと気づいたのです。それで自分も子どもたちを成長させるような仕事をしたいと考え、教師になろうと決めました。
池田 教育系の大学は数多くありますが、そのなかで本学を選んだ理由は何ですか。
長谷川 教育学科と心理学科で構成されていることで、心理的な面も学べると考えました。教師として子どもの心理状態を把握するのは大切なことなので、子どもの気持ちを理解するのに役立つと思ったのです。
池田 増田さんはいかがですか。
増田 私は、小さい頃からすごく神経質なところがあり、そういった人間の心理的な部分に興味がありました。心理学科なら人間について もっと深く理解できると思ったのです。また、心理学科は文学部に所属している大学が多いなかで、青学は教育人間科学部という独立した学部が新設されると聞き、より専門的に学べると感じて進学を決めました。
池田 両学科は本学でも、もともとは文学部に所属していました。それが時代の変化にともない、理論と実践を恒常的に繰り返す研究方法を特質とする“教育・心理系”の学問分野は、“文学・歴史系”の人間研究とは目指すべき方向性が異なると考えられ始め、新学部の開設へとつながっていったのです。
 では、実際に1年間、本学部で学んでの率直な感想を聞かせてください。
長谷川 いい意味で予想と違いました。大学では教育論だけでなく心理面も含めてより広く学びたいと考えていましたが、そんな心配は必要なかったくらい本当に幅広いんです(笑)。でも広い視野を持った教育者になるには、いろいろな知識が必要なんだと気合いを入れ直して勉強に向き合っているところです。
増田 私にとってこの1年間は、学科の専門的な学びというよりは、大学生として学べる態勢を整えるための時間だった気がします。あくまで受け身で勉強していた中学・高校時代と違い、大学では自ら学ぶ意志を持たないと成長できないことを実感しました。また1、2年生の間は、教育学科の人とも一緒に学ぶ科目が結構ありますが、他学科の人と話すことは刺激になります。ああ、こんな考え方もあるんだ、と気づかされることが多いです。
長谷川 そうですね。心理系の科目では当然心理学科の学生が多いのですが、発言の着眼点が違っていて、いつも「すごいなあ」と感心しています。僕もいい刺激を受けていますね。
池田 教育と心理という学問的出会いもありますし、そのなかで人との出会いもあります。お互いに刺激し合うことで、今まで想像もしていなかったものが構築できることもあるはずです。我々も教育学科と心理学科との“コラボレー ション”は、単に1+1=2ではなく、その結果が 3にも4にもなることを期待し、また狙っています。いい相乗効果が生まれているようで安心しました。




両学科ともに“人との関わり”が
大切になる分野


池田 2年生になると少しずつ専門的な科目も増えてきますが、カリキュラムや学びの面で満足できていますか。
増田 心理学科では2年生から毎週実験が始まってとても面白いです。視覚や触覚、知覚に関する実験など、最初は心理とどう関係するんだろうと思っていましたが、進めていくうちに、心理を学ぶことは「人間」を学ぶこと、“心理は人間そのもの”だと理解できてきました。人間理解には人間に関するすべてのことを知ることが必要です。人間の感覚的なものを実験するのもある意味で当然だと考えられるようになりました。ただ…。
池田 ただ?
増田 毎週実験するだけでOKだと楽しいんですけど、実験が終わるごとに課せられるレ ポートは大変です(笑)。
長谷川 教育学科で学ぶことは、そのひとつひとつが教師として将来働くために必要なことだと実感できます。僕は小学校教員になることが目標ですが、2年生から100人以上の学生の前で自分が調べた教育の課題について発表するなど、実践的な学びも増えてきました。人への教え方を教わるのは難しいことですが、学ぶごとに目標が明確になっていくようでやる気が湧きます。
池田 教育も心理も人との関わりが大切になる分野です。そういう意味では、勉強はもち ろんのこと、大学生活のなかでいろいろな経験をしてもらいたいと考えています。何か課外活動に取り組んでいますか。
増田 私は書道部に所属しています。これまで部活に入ったり、本格的に習ったりしたわけではありませんが、授業や課題で提出した作品が賞をいただいたりなど、少し興味は持っていました。大学では勉強の気分転換にもなると思って入部しました。また、国際交流を経験できるアドバイザーグループにも参加しています。もともと洋楽や洋画が好きなのですが、実際に海外の人と交流できる機会は少ないので、いい経験ができると考えました。先日も英会話喫茶というところに行って、タイ、イギリス、セルビアなどいろんな国の人と英語で語り合えて楽しかったです。それに日本人とは異なる海外の人の考え方を知ることは、絶好の「人間理解」にもつながると思いました。
長谷川 僕は大学の児童福祉ボランティア サークル「青山子ども会」に所属し、相模原 キャンパス周辺の小学生と積極的に交流しています。授業以外にかなりの時間を取られて大変な部分もありますが、子どもの安全をすべて任されて責任ある行動が求められるなど、普段は味わえない貴重な体験です。自分も子どもたちから多くのことを学び、成長させてもらっていると実感しています。
池田 おふたりとも貴重な経験をされているようですばらしいですね。しかも自分の勉強や将来にも関連させて考えているのが理想的です。これからどんどん勉強も忙しくなるでしょうが、授業プラスαの活動にも精力的に取り 組んでもらいたいと思います。




理論と実践を兼ね備えた
「自己教育力」を修得


池田 これから3年生、4年生と、より専門的で深い学びが展開されていくと思いますが、今後の大学生活で頑張りたいことや抱負を聞かせてもらえますか。
長谷川 3年生からの応用が求められる学びに対応できるように、とにかく基礎的なことを しっかりと身につけたいと考えています。これは1年間学んでわかったことですが、基礎知識が中途半端だと絶対に応用には対応できま せん。とにかく基礎づくりといえる1、2年生の授業で学ぶことを自分の力として修得したいです。それと「青山子ども会」のように実際に子どもたちと触れ合える機会を、これからも積極的に設けたいと考えています。母校の小学校では授業をサポートするボランティアも経験していますが、現場を知ることで見えてくることがたくさんあるのです。楽しいことばかりでなく、教師の仕事の大変さも目の当たりにしますが、それがさらに教師を目指す強い思いにもつな がっています。
増田 私は1年間勉強してきて、将来は臨床系の道に進みたいと考えるようになりました。とくに人格障害や摂食障害などの研究に興味があります。ただその専門性に絞って勉強するのではなく、大学で学べることはすべて吸収するつもりでいろいろな分野にチャレンジし、そのなかから本当に進みたい道と出会えればいいですね。心理学科では3年生から卒業研究にも取りかかると聞いていますので、私も幅広い分野に対応できる基礎力をしっかり身につけたいですね。
池田 新しい学部を設置し、「入学してきた学生にどのような学修・研究力を身につけさせるべきか」は、大学側の大きな課題です。「人間」について学び、理解するには、コミュニケーション能力や伝達能力はもちろんですが、“理論と実践”や“専門的知識と幅広い視野”というように複眼的な考え方も必要です。理論と実践を兼ね備えた「自己教育力」を身につけることが、他者と関わる仕事をする人には必要不可欠だと考えており、それらを修得できるカリ キュラムを教育人間科学部では開設しています。今日、おふたりの話を聞いて、まだ1年と少しの実績ではありますが、進む方向は間違っていないという自信になりました。これからも夢に向かって頑張ってください。我々もみな さんの夢をしっかりとサポートしていきます。今日はありがとうございました。
ページトップへ