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理工学研究科の院生が、数々の国際会議や学会等で高い評価を得ています。

林 洋一
理工学研究科長
林 洋一
研究発表の場は、
一人ひとりが大きく成長するための
貴重な実践の機会です


 本研究科の院生が各学会等に積極的に参加し、数々の賞を受けていることを喜ばしく思います。理工学系の研究成果の多くは、地道な日々の努力の積み重ねから得られるものです。最後まで諦めずに取り組めば、きっと周りから評価してもらえることを実感できたのではないでしょうか。
 賞の受賞は、本人はもちろん、一緒に研究する仲間、そして研究室全体にも良い影響を与えます。お互いが切磋琢磨しながら、さらなる研究成果を目指した活発な取り組みにもつながっていくはずです。また、研究発表の場は、専門家の方々に的確な意見やアドバイスをいただける絶好の機会でもあります。とくに最近は海外で発表できる機会も増えており、院生たちは本当に素晴らしい経験を積んでいます。本研究科では、理工学部とも密に連携しながら、今後も学生や院生たちが実践を通じて成長できる場を積極的に用意していくつもりです。日々研究に情熱を注ぐ若い力に、ぜひともご期待ください。


社団法人自動車技術会の派遣学生として国際会議に参加

社団法人腐食防食協会の講演大会「材料と環境2010」で優秀講演賞を受賞

アンテナ研究分野の国際会議「iWAT」で best paper prizeを受賞

日本統計学会春季集会ポスターセッションで学生優秀発表賞を受賞

日本機械学会の情報・知能・精密機器部門が設けるベストプレゼンテーション表彰を受賞


加藤 祐樹 君
理工学研究科
博士前期課程2年
機械創造コース
加藤 祐樹 君
(林光一研究室)
社団法人自動車技術会の派遣学生として
国際会議に参加


 国際会議「FISITA(国際自動車技術会連盟) World Automotive Congress」は、2年に1度開催される自動車技術に関する最も歴史のある国際会議です。5月30日(日)から6月4日(金)にブダペストで開催された同会議の“Student Congress”に、加藤祐樹さんが日本代表学生の推薦枠のひとりに選ばれ、日頃の研究成果を発表しました。

 私が発表した「圧縮空気自動車」は、高圧の空気と電気を使ったハイブ リッド構造で車を走らせるため、ガソリンのようにケミカルな化学反応に頼ることなく、トータル的な環境性能に優れていることが特色です。走行距離など動力性能の限界が大きな課題でしたが、今回考えられる数々の可能性を追求した結果、数値シミュレーション的に電気自動車を上回る成果を見いだすことができ、発表に臨みました。
 会議では、世界的に電気自動車に関する発表がほとんどで、圧縮空気技術をはじめ次世代エネルギーへの関心はあまり高くないと感じました。それでも一緒に日本代表として参加した他大学の学生が高く評価してくれるなど、お互いに刺激を与え合える仲間ができたことは大きな収穫です。それと同時に、彼らと話すことで日本が環境技術先進国であり、もっと世界をリードしていくべきだとの思いが強くなりました。圧縮空気自動車も、この先しっかりと研究が続けられ、世界中から大きな注目を浴びる技術へと進化する日が来ることを信じています。


針生 博基君
理工学研究科
博士前期課程1年
機械創造コース
針生 博基 君
(長秀雄研究室)
社団法人腐食防食協会の講演大会
「材料と環境2010」で優秀講演賞を受賞


 5月12日(水)から14日(金)に開催された社団法人腐食防食協会の講演大会「材料と環境2010」において、針生博基さんの「異なる条件下での鋭敏化SUS304鋼のポリチオン酸SCCのAE計測」に関する発表が、若手研究者・技術者対象の「コンペティションセッション」で優秀講演賞を受賞しました。

 金属材料が腐食し「割れ」が発生する応力腐食割れは、構造物の健全性を著しく損なう欠陥として、とくに原子炉などで問題視されているものです。私は、アコースティック・エミッション(AE)法という超音波を利用して応力腐食 割れの状況を検知する研究に取り組んでおり、今回のコンペティションセッ ションで最新の研究成果を発表しました。従来は割れが発生してから慌てて調査を行うなど、対応が後手後手にまわってしまいがちでしたが、AE法を活用すれば、リアルタイムでの検知が可能となり、腐食の早期発見に大きく貢献できると考えています。
 私が研究テーマに「腐食」を選んだのは、世の中の至るところで発生していながら、実はそのシステムが明らかにされておらず、人間がコントロールできない未知の分野であることにやりがいを感じたからです。大きな学会での発表は今回が初めての経験で、他の方々の発表も素晴らしいと感じたので自分が優秀講演賞をいただけるとは思いませんでした。受賞の結果以上に、学会への参加で視野が広がった部分もあるので、今後の研究に活かしていきたいと思います。


長谷川 翔平 君
理工学研究科
博士前期課程2年
電気電子工学コース
長谷川 翔平 君
(橋本修研究室)
アンテナ研究分野の国際会議「iWAT」で
best paper prizeを受賞


 ポルトガル・リスボンで3月1日(月)から3日(水)にかけて開催された「2010 International Workshop on Antenna Technology:(略称:iWAT)」において、長谷川翔平さんがiWAT 2010 best paper prizeを受賞しました。長谷川さんの研究は日本無線株式会社との共同研究で行われましたが、Paper38件、Poster100件が発表されたなかから厳選された3件に入ったことからも、研究内容に対する注目度の高さがうかがえます。

 研究タイトルは「A Large Number of Phased Array Antenna with Low Grating Lobes Using Partially Driven Technique」。人工衛星との双方向通信を実現するためのアンテナについての研究ですが、おもに自動車等の移動体への配置が想定されています。通常のアンテナは天頂に向けて 立っているため、指向性に限界があり、車が移動するたびにアンテナの方向を調整する必要がありました。今回の研究では、アンテナの指向性を物理的ではなく、電子的に変えることを試みています。具体的には、243本の小さなアンテナを集結させたものを電気的に制御。必要に応じて指向性を調整させる仕組みを採用しました。
 日々の研究成果が国際的な会議で評価されたことは大変光栄です。ただし現段階では受信用であり、実用化には双方向への対応が必要なため、まだまだ多くの課題が残っています。それでも人工衛星と送受信が行えれば、場所を選ばず日本中どこでも車内がネットワーク化され、さまざまなメリットが生まれるはずなので、実用化を目指して引き続き研究に取り組みたいと思います。


石黒 久稔君
理工学研究科
博士前期課程1年
マネジメント
テクノロジーコース
石黒 久稔 君
(天坂格郎研究室)


小島 拓 君
理工学研究科
博士前期課程2年
マネジメント
テクノロジーコース
小島 拓 君
(天坂格郎研究室)



日本統計学会春季集会ポスターセッションで
学生優秀発表賞を受賞


 3月7日(日)に本学青山キャンパスで開催さ れた「第4回日本統計学会春季集会」のポスター セッションにおいて、石黒久稔さん(当時理工学部経営システム工学科4年)が代表を務めた研究発表「集客効果を高めるダイレクトメール法“PMOS-DM”の確立 ~統計科学と数理計画の戦略的活用~」が、学生優秀発表賞を受賞しました。同発表は石黒さんと同級生の松尾愛美さん、当時理工学研究科博士前期課程1年の小島拓さんとの共同研究でした。

 例えば自動車メーカーの場合、ディーラーが送るダイレクトメールのポイントは「集客アップ」と「どの客層を集めるか」になり、誰宛に案内を送るのかが重要です。実際にディーラーの営業担当者に取材した結果、ダイレクトメールの送り先は、経験上の感覚で選んでいるのが実情のようでした。しかし、それではベテランと新人では、当然ながら結果にバラツキが出てしまいます。私たちが統計科学と数理計画から理論的に導き出したシステムを用いれば、誰がやっても集客力向上と同時に、狙った層の来店に一定の効果をもたらすことが可能となります。
 受賞理由を冷静に考えてみると、単なる推論ではなく、実践して導き出した“結論”を発表できたことが説得力につながったのだと思います。実は、ある自動車会社のディーラーさんに協力いただき、イベント時に私たちのシステムを活用していただいたのです。その結果、イベントへの来店率がかなりアップしたことが数字的にも証明されました。天坂研究室では「理論と実際」をコンセプトに掲げていますが、その考えが正しかったことが実証できてよかったです。


上原 和樹 君
理工学研究科
博士前期課程2年
機械創造コース
上原 和樹 君
(渡邉昌宏研究室)

日本機械学会の情報・知能・精密機器部門が
設けるベストプレゼンテーション表彰を受賞


 日本機械学会の情報・知能・精密機器部門では、1年間を通して同部門が企画・主催した講演会での発表研究を対象に、聴衆が理解しやすく、かつ聴衆へのアピールが顕著だった発表者に対し「ベストプレゼンテーション表彰」を贈っており、昨年の受賞者に上原和樹さんが選ばれました。上原さんは、企業の研究者を含めたすべての発表者のなかから1名だけが選ばれたもので、価値ある受賞となりました。

 太陽電池パネルや液晶ディスプレイなどで使用される機能性フィルムは、直接触れることが出来ないため非接触搬送により製造されます。そしてフィルムの搬送方向を転換する時、エアターバンという空気圧によりフィルムを浮上させる装置が使用されます。しかしこの時に発生する振動が技術的に大きな障壁となっています。私は、この振動の特性と発生メカニズムを解明する研究に取り組んでいます。ゼロから実験装置を製作し、実験を何度も繰り返し行った結果、異なる2種類の振動モードがあり、それらの振動が発生する条件を実験的に明らかにしました。
 今回の発表ではその「振動」の様子を伝えるために動画を活用し、全体構成に特にこだわりました。またプレゼン時では、聴衆の表情などに気を配りながら柔軟に伝えることを意識しています。結果として、ベストプレゼンテーション表彰をいただけたことは大変光栄です。
 近年、高機能性薄膜フィルムに関する研究は技術的な面だけでなく環境面でも世界中から注目を集める分野です。だからこそ私の研究が、フィルムの生産効率やハンドリング技術の向上に少しでも貢献できれば、さらに嬉しいですね。
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