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航空部が大学対抗グライダー競技大会「原田覚一郎杯」で念願の初優勝を飾りました

 8月8日(日)から18日(水)の日程で、大学対抗グライダー競技大会「第14回原田覚一郎杯」が、埼玉県熊谷市にある妻沼滑空場において開催され、本学航空部の青山Aチームが見事に初優勝(原田覚一郎杯)を飾りました。また個人賞でも井口知彦君が、最優秀選手賞、Aコース距離選手賞、滞空選手賞、1フライトハイスコア賞、熊谷市長賞を受賞するなど大活躍。団体、個人ともに2位以下とのスコアを大きく引き離しての完全優勝でした。
 エンジンを搭載せず、上昇気流を適確に捉えることで飛行するグライダー。その滞空時間と飛行距離とをポイント換算して競うのがグライダー競技です。航空部にとっては、夏の原田覚一郎杯、冬の関東大会、春の全日本選手権が目標となる主な大会ですが、今回の原田覚一郎杯が本学初のメジャー大会優勝でした。
 歴史的な快挙を成し遂げた青山Aチームのパイロット井口知彦君(理工学部物理・数理学科4年)と上田貴大君(法学部法学科4年)、航空部部長の小川武史(理工学部機械創造工学科)教授に、喜びの声、今後の目標、さらにはグライダー競技の魅力について聞きました。



井口 知彦 君
体育連合会 航空部
理工学部
物理・数理学科4年
井口 知彦 君



上田 貴大 君
体育連合会 航空部
法学部
法学科4年
上田 貴大 君



小川 武史
体育連合会 航空部
部長
理工学部
機械創造工学科
教授
小川 武史
――原田覚一郎杯で見事に優勝を果たした感想を聞かせてください。
井口 昨年の原田覚一郎杯では、ずっと3位以内をキープしていたのに、最終日に逆転されて4位に終わる悔しい思いをしたんです。その悔しさをバネに、今年は気流や気象関係の知識向上、さらに滑空場周辺の気流スポットの綿密な確認など、できる準備はすべて整えて大会に臨みました。初日から想像以上のフライトでポイントを稼ぐことができたのも、その成果だと思います。
 2位のチームに比較的リードを広げたまま最終日を迎えましたが、昨年のこともありますし、しかも最終日の気象的なコンディションが非常によく、他校が大きくポイントを稼ぐ可能性もあったため、最後まで気を抜けませんでした。大会終了の時間が近づいてきて、他校との比較からどうやら優勝できそうだと無線で聞いたとき、ようやくホッとできました。地上に降りて、みんなが笑顔で機体に集まってきたときは本当に嬉しかったです。
 個人賞もたくさんいただけて光栄ですが、何よりもチームとして優勝できたことが最高です。航空部員全員の快挙だと思います。
上田 井口同様に昨年の悔しさがあり、「今年は絶対にやってやる!」と意気込んでいました。それでもまさか優勝できるとは思っていなかったので、優勝が決まった瞬間は信じられない気持ちでした。エースの井口がすばらしいフライトを見せてくれたこともあり、自分は2番手パイロットとして「少しでもポイントを稼いでサポートしよう」と、リラックスして飛べました。
 実は今年の原田覚一郎杯には、後輩たちも経験を積む目的で、二人乗りの機体に教官とともに搭乗し、青山Bチームとして競技に参加していました。ところが井口が順調に滞空時間を稼いでいたため、急遽Bチーム用に用意していた二人乗りの機体に僕がひとりで乗って飛ぶことになったんです。Aチーム優勝の“勝負所”とはいえ、Bチームの競技を中断してしまうのは申し訳なく、部員全員の思いを痛いほど感じながらのフライトでした。それだけに、みんなの気持ちがひとつになっての優勝だったと思います。
小川 気流や天候などの自然環境に結果が左右されることの多いグライダー競技ですが、当然のことながら機体の性能面も勝敗に大きく影響してきます。1953年創部の歴史を誇る本学航空部は、相模原キャンパスの開設がひとつの機転となり、新しい機体の購入、およびキャンパス内での調整・整備が可能となりました。しかし環境面は改善されたものの客観的に見ると、他大学のなかには、より性能の高い機体を持っているところがあります。普通に勝負すれば勝ち目は薄いかなと言えるほどの性能差があるため、今大会も上位入賞は可能でも、まさか優勝できるとは考えていませんでした。しかし、今年2月には監督会議の資金でオーストラリア遠征を行っています。二人とも7日間で1年分に匹敵する時間の上昇気流を捕らえるトレーニングを行いました。この成果も見逃せません。
 今回の優勝は、気象環境に恵まれたことと、それを確実に生かした井口、上田両選手のセンス、そして彼らをサポートする部員たちの日頃の努力が実を結んだ結果だと思います。大方の予想通りに進まないのがグライダーの難しいところであり、面白いところ。そのことをあらためて実感しました。

――グライダーの魅力は何ですか?
井口 体力のある若いうちだけではなく、年齢を重ねても長く続けられる競技であることです。しかも知れば知るほど奥深く、大学生活の4年間では、グライダーの本当の楽しさは理解できないのかもしれません。競技も距離を競ったり、スピードを競ったりなど、大学生の大会では体験できない形態がいろいろ存在します。ちなみに距離の世界記録では3,000km超を飛んだグライダーが存在するそうです。こうしたグライダーの可能性や世界観に少しでも触れられるよう、卒業後も競技は続けていきたいと考えています。
上田 自家用操縦士の免許を取得し、初めてひとりで操縦したときの“怖さ”は今も忘れられません。でも少し飛ぶことにも慣れた現在は、空からの眺めを楽しむ余裕も生まれ、普通では味わえない“別世界”を体感しています。また、例え同じ滑空場であっても、その日によって気象条件が異なるので、毎回違うフライトになるのがグライダー競技です。決められたラインを飛ぶのではなく、自分自身で飛ぶコースを探し出して滞空を続ける、こうした自由度の高さがグライダーの魅力だと考えています。
小川 グライダー競技の魅力はいくつもありますが、男女の差がなく基本的に同じ土俵の上に立てることもそのひとつ。体力勝負ではないので、老若男女を問わず誰でも参加できる気軽さは大きな魅力です。また高校時代にグライダーを経験する人は少なく、ほとんどの人が大学に入ってから競技を始めるため、誰にもトップクラスの選手になれるチャンスが公平にあると言えます。実は原田覚一郎杯で最優秀選手となった井口君も、大学入学後にいくつかの部活動のなかから、たまたま航空部を選んだという経歴の持ち主です(笑)。少しでも多くの学生たちにグライダーの魅力に気づいてもらいたいと思います。

――今後の目標を教えてください。
井口 12月に「関東大学生グライダー競技会」が開催され、そこで上位に入賞すれば、来年3月の「全日本学生グライダー選手権」に参加することができます。全日本選手権が学生生活最後の大会になるので、何としても12月の関東大会で成績を残し、3月の“ラストフライト”に挑みたいです。冬場は夏場と違って上昇気流の発生が少なく、例年関東大会は低ポイントの争いとなりますが、原田覚一郎杯の優勝によって他校からもマークされるでしょうし、優勝チームとして恥ずかしくないフライトを見せたいと思います。
上田 実は昨年の全日本選手権も、途中まで6位前後の好位置に付けていたのに、最終日に大きく順位を落としてしまった苦い思い出があります。今年の原田覚一郎杯で昨年の失敗を成功につなげられたように、全日本選手権でも前回のリベンジを果たしたいので、まずは関東大会に全力投球し、春につなげたいです。
小川 部員数の少なさもあり、全日本どころか、ずっと関東大会でも好結果を残せなかった本学航空部ですが、ここ2年間は部員にも恵まれ、連続して全国大会出場を果たしています。原田覚一郎杯で初優勝した今年は、関東大会はもちろん、来春の全日本選手権でも上位入賞を目指すつもりです。とはいえ、何が起こるか分からないのがグライダー競技。先日の優勝におごることなく、気持ちを引き締めて関東大会に臨みます。
 また、パイロットがひとりで飛ぶため、個人種目と思われがちなグライダー競技ですが、パイロットが操縦に集中できるように、機体の整備、運搬、記録、連絡など、他の部員たちの役割が実は重要なのです。関東大会と全日本選手権でも全部員の力を結集した「チーム青山」の総合力で勝負します。部員たちの励みにもなりますので、ぜひ一度、競技の応援に来てください。グライダーの面白さを実感していただけるはずです。

青山学院大学航空部サイト
http://members3.jcom.home.ne.jp/aoyama_kokubu/index.html
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