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激戦のシード権争いを征した第87回箱根駅伝。懸命にタスキをつないだ10人の選手たち、原晋監督の声をお届けするとともに、感動のレースを振り返ります

 2011年1月2日(日)・3日(月)に行われた第87回箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)は、各大学が例年以上に高いレベルで僅差を競う白熱した展開となりました。その中で本学は、8位から11位までがわずか7秒差という大混戦となったシード権争いに勝ち残り、総合9位の成績でゴール。10名の選手たちが懸命にタスキをつなぎ、見事に2年連続でシード権を手にしました。順位は昨年の総合8位におよびませんでしたが、11時間13分20秒を記録した総合成績は、昨年のタイムをおよそ8分更新。また、10区で果敢なラストスパートを見せた主将の小林駿祐君、2区で圧巻の11人抜きを演じた出岐雄大君をはじめとした選手たちの勇姿は、“さらに強くなった青山学院大学”を十分に印象づけるものでした。
 33年ぶりの出場を果たした一昨年、41年ぶりにシード権を獲得した昨年に続き、再び大きな感動に包まれた箱根駅伝の2日間をもう一度振り返ります。





往路 1月2日(日) 東京~箱根(108.0km)  往路16位 5時間37分53秒

1区 東京~鶴見(21.4km) 1時間4分33秒(区間16位)
福田雄大
社会情報学部
1年
福田 雄大 君
 「1区・2区のスタートダッシュがポイント」と原監督が語ったように、1区は駅伝全体の流れをつくる重要な区間。10月の出雲駅伝でエース区間を任された福田君は、その役割をしっかりと果たしました。
 レースは、始めから早稲田大学と日本大学が後続を大きく引き離し、残る選手がスローペースで18人の集団をつくりお互いを牽制し合う展開。福田君はときおり集団の前に出る積極性を見せながら冷静に戦況を読み、残り3kmのスパート勝負に挑みます。鶴見中継所での順位こそ16位となりましたが、3位駒澤大学とのタイム差はわずか18秒。好位置をキープしエース出岐君へタスキをつなぎます。
●選手のコメント
 重役のプレッシャーはありましたが、レースの流れをつくるという最低限の仕事は果たせました。それでもラストスパートに競り負け16位になってしまったのは、やはり悔しい。来年の箱根駅伝ではもっと上位を走ってリベンジしたいと思います。

2区 鶴見~戸塚(23.2km) 1時間7分50秒(区間4位)
出岐雄大
社会情報学部
2年
出岐 雄大 君
 花の2区を任されたのは、前回大会1区での活躍が記憶に新しい出岐君。10月の高島平ロードレース(20km)で58分51秒の大会タイ記録で優勝した勢いをそのままに、各校エースとの対決に挑みました。
 レースは、順序が目まぐるしく入れ替わる激しい展開。序盤で拓殖大学、東海大学が後方から一気に前へ出ますが、出岐君は動じることなく自分のペースで攻めの走りを見せます。力強くピッチを刻むと、駒澤大学や山梨学院大学らの優勝候補を次々と置き去りに。後半には失速した拓殖大学を抜き返し5位でタスキをリレー。11人抜き、区間4位の快走でチームに流れを呼び込み、エースの役割をしっかりと果たしました。
●選手のコメント
 エース区間を走ることには不安もありましたが、仲間を信じ自分の走りに集中しようと決めていました。最低限の目標だったシード権を獲得できたのはうれしいです。これからは自分がチームを引っ張る気持ちをもって、来年の箱根駅伝に向け取り組んでいきたいと思います。

3区 戸塚~平塚(21.5km) 1時間5分20秒(区間16位)
横山拓也
総合文化政策学部
2年
横山 拓也 君
 4区の距離が短縮されて以来、2区に続く重要区間と見なされるようになった3区を任されたのは横山君。前回大会の4区に続き再び箱根路に挑みました。
 ハーフマラソンでの自己ベストを上回るペースで力走した横山君ですが、ライバルたちは予想通り各校のエース級ぞろい。序盤は順位をまもったものの、後続の大学に追いつかれてしまいます。それでも14km付近の茅ヶ崎からは後続の逆転を許さず11位でタスキリレー。粘りの走りで10位のチームと32秒差に踏みとどまります。
●選手のコメント
 自分の力は出し切ったのですが、結果的に順位を落としてしまい悔しい気持ちでいっぱいです。もっと高いレベルで競えるように力をつけ、来年の箱根駅伝までに区間賞を狙えるランナーになりたいと思います。

4区 平塚~小田原(18.5km) 57分51秒(区間17位)
辻本啓吏
国際政治経済学部
4年
辻本 啓吏 君
 最短コースながらも細かなアップダウンがあり攻略が難しい4区。2年前の箱根駅伝を走った経験を買われ抜擢された辻本君は、チームに流れを引き戻すべく、懸命にライバルを追いかけますが、後続の追撃を許してしまう苦しいレースを強いられます。しかし、往路で唯一となった4年生の役割を果たそうとの気持ちで足を前に進め、小田原中継所までを走破。17位で5区の松田君にタスキを託しました。
●選手のコメント
 自分のところで流れを崩してしまったのは悔しいですが、チームとしてシード権を獲得できたことは本当にうれしく思います。僕が苦しいレースを区間17位で踏みとどまれたのは、皆さんの応援に勇気をいただいたおかげです。心から感謝しています。

5区 小田原~箱根(23.4km) 1時間22分19秒(区間12位)
松田 直久
教育人間科学部
2年
松田 直久 君
 山上りの5区に挑戦するのは、秋以降から安定した記録を残してきた松田君。チームはシード権圏内まで7校を抜かなければならない厳しい状況でしたが、復路に向け少しでも好位置を保てるよう、果敢に標高876mのゴールを目指しました。
 「気持ちが高ぶっていた」と話す松田君は、最初の5kmを区間5位のハイペースで入ると、幸先よく関東学連選抜を追い抜きます。中盤以降は我慢の走りとなりますが、失速した日本大学を吸収しさらに順位を一つ上げます。ゴール手前で神奈川大学に先行を許したものの、終始安定した走りを展開。前回大会の小嶺君を上回る好タイムで往路のゴールを16位でフィニッシュしました。この時点で10位とのタイム差はわずか1分34秒。復路での逆転に望みをつなぐ位置で往路の闘いを終えました。
●選手のコメント
 沿道のすごい応援に後押しされ、まるで自分の体ではないような感覚で走ることができました。来年は3・4年生が中心となり、優勝争いに近づけるように頑張りたいです。個人としてはまた5区を走り、東洋大学の柏原さんの記録に挑戦したいと思います。


複路1月3日(月) 箱根~東京(109.9km) 復路5位 5時間35分27秒

6区 箱根~小田原(20.8km) 1時間0分5秒(区間5位)
小川恭正
国際政治経済学部
4年
小川 恭正 君
 シード権獲得のキーマンとして山下りの6区に送り出されたのは、前回も同じ区間を走り区間7位の好成績を残した小川君。「6区には自信をもっている」と話した原監督の期待に応え快走を見せてくれました。
 スタートからの上りをプラン通りに抑えたペースで入ると、得意の下りからギアを加速モードへチェンジ。路面は小雪が降り滑りやすくなっていましたが、前年の経験を生かした攻めの走りで、見事に難コースを攻略します。そして最後は、7区の川村君へガッツポーズでタスキリレー。自身の記録を45秒更新するタイムで順位を2つ上げ14位とし、10位とのタイム差も50秒まで縮めました。
●選手のコメント
 往路はほとんどを1・2年生に任せていたので、復路は4年生の自分がまず流れを作りたいと思って走りました。目標タイムの1時間以内には届きませんでしたが、ある程度は結果に納得しています。来年以降、後輩が達成してくれることに期待します。

7区 小田原~平塚(21.3km) 1時間5分12秒(区間7位)
川村駿吾
法学部
3年
川村 駿吾 君
 シード権争いが激しさを増す展開で7区を託されたのは、「1年間で頼もしいランナーに成長した」と原監督に評される川村君。小川君がつくった追い上げの流れを受け、しっかりと期待に応える走りを披露してくれました。
 はじめから快調に飛ばした川村君は前半で8位集団に追いつき、一時は8校が10秒差以内にひしめくほどの接戦状態の中で、激しい競り合いを繰り広げます。後半はさすがに疲れが出て順位を下げますが、10位との差を38秒まで詰め13位で平塚中継所に到着。8区の小嶺君にタスキを託しました。
●選手のコメント
 6区の小川さんがいい位置でタスキを渡してくれたので、もっと前へ行き少しでも8区の小嶺が走りやすい展開をつくりたいと思っていました。前半ハイペースで入った分、終盤が苦しかったのですが、沿道の声援に後押しされ粘りの走りができました。最低限の仕事ができよかったです。

8区 平塚~戸塚(21.5km) 1時間7分16秒(区間10位)
小嶺篤志
法学部
2年
小嶺 篤志 君
 16km地点からの遊行寺の上り坂が勝負のポイントとなる8区。前回5区を走った上りを得意とする小嶺君は、持ち前の力強い走りを見せてくれました。
 中盤までは、原監督の指示通りに我慢のレースを展開。そして遊行寺の上り坂から積極的な走りに切り替えると、山梨学院大学、國學院大学との先行争いが始まります。競り合いは、戸塚中継所目前まで続きますが、最後には勝負を制し2校の前に躍り出た小嶺君。10位との差を5秒縮め33秒とし、11位で9区の小林(剛)君へタスキをリレーしました。
●選手のコメント
 タイムにはある程度満足していますが、区間順位1桁に入れなかったのは悔しいです。それでも、緊張感のある場面で勝負する走りを経験できたのは貴重だったと思います。来年は全日本駅伝、出雲駅伝、箱根駅伝の3大会で結果を出せるように頑張りたいです。
写真提供:陸上競技部横山選手保護者

9区 戸塚~鶴見(23.2km) 1時間10分52秒(区間4位)
小林剛寛
社会情報学部
3年
小林 剛寛 君
 復路のエースが集う9区は、前々回以来の箱根駅伝出場となる小林(剛)君。シード権獲得への想いと、前回に故障で出場を逃した悔しさを胸に、2度目の大舞台に挑みました。
 小林(剛)君は、はじめから攻めの走りで10位のチームを追いかけ、タイム差を8km付近の権太坂で17秒まで詰めますが、なかなか並ぶ位置まで届きません。勝負が動いたのは、残り5kmに差し掛かったところ。失速した日本体育大学を射程にとらえると一気に追い越し、ついにシード権圏内へと順位を押し上げます。小林(剛)君はそのまま10位をキープし、11位のチームと21秒の差をつけ鶴見中継所に到着。アンカーの小林(駿)君へ笑顔でタスキを託しました。
●選手のコメント
 僕に回ってきたのは、シード権圏内まであと一歩の差で前のチームを追う場面。とにかく攻めていくしかないと思って走りました。自分が出せる力をすべて出し、それが結果につながったのは本当によかったです。来年は往路で強豪と渡り合えるように、もっと力をつけていきたいと思います。

10区 鶴見~東京(23.1km) 1時間12分2秒(区間13位)
小林駿祐
法学部
4年
小林 駿祐 君
 シード権争いがクライマックスを迎えた10区。最後の大役は、主将としてチームを支えてきた小林(駿)君に巡ってきました。
 各校の意地と意地がぶつかり合う場面。小林(駿)君は、仲間の汗が染み込んだフレッシュグリーンのタスキを懸命に運びますが、他校も必死の追撃を見せ、残り7km付近で本学を含めた5校が9位で並びます。残り3kmになると、帝京大学が遅れ出し、ほぼ同時に8位の城西大学を吸収。残り2kmでは山梨学院大学が脱落し、シード権をかけた決着は、青山学院大学、日本体育大学、城西大学、國學院大学の4校が、3つの枠を競う格好となりました。小林(駿)君は、早めのロングスパートを仕掛けますが、他の3校は全く離れません。最後の300m。沿道からの大歓声を力に変えた小林(駿)君は、「後輩にシードを残したい」という願いを胸に抱き、苦手としていたラストスパートで驚異的なスピードを見せます。そして、2校を振り切り総合9位でフィニッシュ。その瞬間、2年連続となる本学のシード権獲得が決定し、青山学院大学の伝統に新たな一歩が刻まれました。
●選手のコメント
 もともとプレッシャーに弱い方なのですが、9区の小林(剛)が笑顔でタスキを渡してくれたおかげでリラックスして走れました。大手町でのラストスパートは、自分の実力を考えるとまさに奇跡(笑)。いつも以上の力を出せたのは、皆さんのあたたかい声援があったからこそと思っています。

原晋監督のメッセージ
原晋
陸上競技部
監督
原 晋
 総合3位という目標を掲げて取り組んできましたが、往路16位から執念をみせてシード権を勝ち取った総合9位は、まずまずの評価をしてよいのではと考えています。10月には出雲駅伝を不本意な成績で終えてしまいましたが、それがかえって「箱根駅伝では絶対にやってやる」というムードになり、今回の結果につながりました。また、故障を抱えている選手はいたものの、最近2か月で自己ベストを更新した選手が多く、全体のコンディションも上向きで来ていました。特に高島平ロードレースで好タイムを記録し優勝した出岐は、MVPといっていい活躍を見せてくれました。
 チームは2年連続で箱根駅伝の総合タイムを大幅に更新しました。来年のチームには、それをさらに縮められる可能性を感じています。今度こそ実現可能な目標として箱根駅伝総合3位を目指しますので、ぜひご期待ください。
 あたたかいご声援、ありがとうございました。

内山義英部長のメッセージ
内山義英
青山学院大学
陸上競技部
部長
内山 義英
 激戦を制しシード権を獲得した選手たちの力走に熱く胸を打たれました。一方で私は、直前でメンバーからもれ悔し涙を流した選手たちの姿も忘れられません。互いに切磋琢磨し、想いを共にしてきた彼らがいたからこそ、チームは磨かれひとつになれたのだと思います。感動をくれた選手たちに、あらためて感謝の言葉を申し上げます。
 また、沿道から選手たちを名前で呼んで応援していただいたこと、選手たちにとってはとても励みになりました。御礼申し上げます。



半田正夫理事長のメッセージ
半田正夫
青山学院
理事長
半田 正夫
 復路が行われた1月3日(月)は私の誕生日であり、感動という素敵なプレゼントをいただいた思いです。白熱したレースを闘う選手たちや声援を送る関係者の皆様の姿は、青山学院の素晴らしさをあらためて感じさせてくれるものでした。2年連続のシード権獲得を心から祝福いたします。

山北宣久院長のメッセージ
山北宣久
青山学院
院長
山北 宣久
 勝負を分けたのはわずかに数秒の差でしたが、長きにわたる選手や監督、コーチの努力があったからこそ今回の結果があったのでしょう。小さなことを一途に積み上げていく大切さを箱根駅伝によって再認識させられた気がいたします。そして沿道で応援してくれた皆様も彼らに大きな力をくれました。本当にありがとうございました。

伊藤定良学長のメッセージ
伊藤定良
青山学院大学
学長
伊藤 定良
 往路の競走が終わった後、箱根の山に雪が降りました。後から思うとあれは、本学が復路で逆転を演じる波乱の前兆だったのかもしれません。今回のシード権獲得は、選手や監督の努力と、関係者の皆様のご支援で実現できたものです。心から感謝いたします。これからも皆様とともに青山学院大学の伝統を積み上げていければと考えています。

原進校友会会長のメッセージ
原進
青山学院校友会
会長
原 進
 あたたかいご声援ありがとうございました。シード権獲得の喜びを校友の皆様と分かち合えることをうれしく思います。今年度は、箱根駅伝の他にも、体育連合会各部がさまざまな大会で目覚ましい活躍をみせています。今後も選手たちが大きな感動と興奮を与えてくれることを心より期待しています。

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