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文部科学省の「産学連携による実践型人材育成事業」に採択

苅宿俊文
プロジェクト責任者
社会情報学部
教授
苅宿 俊文


 本事業で開発するプログラムは、企業や行政機関などの組織の人材育成担当者が必要としている、組織間・組織内でのコミュニティ形成に関する知識や技能を、eラーニングによる講義と実践的なワークショップを組み合わせて身につけ、さらにSNSを活用して意見交換や人脈作りもできるプログラムです。
 組織の人材育成にかかわっている人たちの大きな悩みは、「世代間の意思疎通ができない」ことであり、「若手の早期退職」です。これは大問題で、組織の活性化が大きく阻害されます。しかしながら、育成担当者への期待は高まるものの、コミュニケーション力の強化やコミュニティ形成のノウハウを持っているケースは多くありません。そのための研修はあるのですが、忙しくて参加しにくく、また知識を学んでも実践力が身につけにくいのが現状でした。以前、地域教育に携わる人たちを対象としたコミュニティ形成研修を行ったところ、企業や団体の人事部の方や人材育成担当の方が「コミュニティ形成のノウハウを知りたい」と大勢参加して驚いたことがあります。それほどに人材育成担当者の悩みは深いのです。それを受けてリサーチをしたところ、担当者は、現場のコミュニケーション力を強化し、縦割りの組織を横断する取り組みをしたいと望んでいることがわかりました。
 このプログラムの最大の特徴は、「eラーニング・対面ワークショップ・SNS」の3種ハイブリッド型の研修スタイルであることです。コミュニティ形成の理論学習と技能習得をパソコンを活用した「eラーニング型研修」と対面しての「ワークショップ型研修」を組み合わせて行い、さらに、「SNS型研修」としてパソコンを通じて双方向に意見を交換できる環境をつくりました。知識と実践が研修の柱であることは確かなのですが、このSNSによる意見交換も極めて有意義で、自分の会社、組織以外の人たちとの人脈作り、ネットワーク作りに発展することが大いに期待できます。実際にかつて「SNS型研修」を取り入れたプログラムでは、意見交換で盛り上がって活発にヒューマンネットワークが形成されていました。
 これまでの研修システムでは、課題解決のための知識を増やすことはできますが、問題の発見やコミュニケーションを通してわかり合う能力を育成することは難しい。しかしこのプログラムは、eラーニングで知識を学び、ワークショップでコミュニティ形成のエクササイズを体験して、SNSの意見交換でネットワークをつくって交流できる、複合的なメリットがあります。
 2010年度中にプログラムを開発し、その効果を検証していく予定です。将来的には青山学院大学の社会人教育のプログラムとして開放し、「大人の学びなおし」の場を提供したいと考えています。
※SNS=ソーシャル・ネットワーキング・サービス
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