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「心に残る授業」をテーマとした「2014年度Happyくらす作品コンクール」審査結果について

「心に残る授業」をテーマとした「2014年度Happyくらす作品コンクール」審査結果について

2014年10月31日
全学FD委員会
委員長 長谷川 信

学生のみなさんの講義の思い出、心に響いたクラス、自分を変えた授業、目の覚めた講義、元気の出た授業など、講義を通して得た発見や感動、体験、成長などのよい思い出を「心に残る授業」として募集した、2014年度Happyくらす作品コンクールに多くのご応募をいただきました。
いずれも力作揃いで審査に苦慮しましたが、下記の通り、優秀賞1作品、佳作1作品、学生FDスタッフ特別賞1作品が選ばれました。受賞者の皆さん、おめでとうございます。

受賞者

優秀賞 文学部史学科 3年 酒井 優清さん
佳作 国際政治経済学部国際経済学科 2年 木村 匠さん
学生FDスタッフ特別賞 文学部史学科 3年 酒井 優清さん
NOTE
  • 優秀賞: 副賞1万円分の図書カード
    佳作: 副賞3千円分の図書カード
    学生FDスタッフ特別賞: 副賞3千円分の図書カード

優秀賞作品紹介

心に残る授業―私と韓国語
文学部史学科 3年 酒井 優清
「アニョハセヨ」のあいさつで始まるその授業は、私にとって常に緊張と不安が入り交じっていた。その授業の名は、インテンシブ・韓国語。第二外国語として、学んだ韓国語をさらに究めようとする学生のための授業である。私は今でも、第1回目の授業を覚えている。この授業を履修する際には、受講の認定試験を受けなければならなかった。教室に入ると、すでに女子学生が何名かいた。その後も入ってくるのは、女性ばかりで、チャイムが鳴ったとき、私を除いて全員が女性であった。そして、私を含め人数は10人。問題が配られ、解き始めると、私はわからない問題の多さに唖然とした。答え合わせで、指名された女子学生たちはすらすらと答えていく。英語と違って、1年間しか勉強していない韓国語。男子は自分だけ。本当に1年間、週4コマもやっていけるのだろうか。そのような思いが何度も頭をよぎった。しかし、帰宅後にポータルを見たとき、もう逃げられないと思った。すでに履修登録が完了していたのだ。私が飛び込んだインテンシブ・韓国語は、私にとって、まさに大きな試練の場となったのである。

インテンシブ・コースは、日本人の教員とネイティブの教員が担当する授業である。2回目の授業は、ネイティブの先生であった。私の予感は的中した。先生から韓国語で簡単な自己紹介をするように言われたのだ。私は、単語を書いたメモを見ながら、言うのが精一杯であった。しかし、周りの学生たちは私と違い、メモなど見ることなく、先生の目を堂々と見て、発言していた。この時、私はインテンシブ・コースを受講する意識が私と彼女たちでは大きく違うことに気付かされた。

そこで、私が意識を高めるために実践したことが、誰よりも早く教室に行き、教科書とノートを広げて待つことであった。これは一見すると無駄なことかもしれない。しかし、ひとりだけの静かな教室はいいものである。最初に来ることによって、誰よりも授業に対する思いが強いことを自然と肌で感じることができるからだ。また、余裕を持つことによって、授業に対する緊張感は和らぎ、刻一刻と迫る授業へのモチベーションも上がった。これは、いわば精神統一のようなものである。
次に、同じ授業を受ける学生たちとのコミュニケーションを大切にすることである。学び合う仲間の存在は、自分の意識を高めるための有効な方法である。きっかけは忘れてしまったが、授業を受ける毎に、女子たちといろいろな話をするようになった。特に韓国についての話は、私も勉強になったが、同時に彼女たちの韓国に対する強い関心、興味が伝わってきた。この時、私は心の中で、彼女たちに負けたくない、追いつきたいという思いでいっぱいになった。

この2つのことをとにかく続けた。すると、とんでもない変化が起きた。自然と授業へ行くのが楽しみになっている自分に気付いたのだ。そのきっかけは「早く明日にならないかな。明日のインテンシブ・韓国語の授業がとにかく楽しくて」と私が友人に言ったときであった。これは、自然に出た言葉であった。そこには、かつて授業におびえていた私は存在しなかった。いつの間に、このような変化が起きたのか、私にもよくわからない。しかし、私が自分に向かって言えることはただひとつ。「よかったな」と。こうして、私は1年間、インテンシブ・韓国語を続けることができた。最後の授業では皆で、記念写真を撮ったが、そこには4月のこわばった私の顔はなかった。あるのは、ただ笑顔があふれる私の顔であった。

大学の授業は、学問を究めるだけの場ではない。教員も学生も常に変化する環境の中で、自分自身を成長させる場である。私たちには多くの選択肢が与えられている。どんなに先生が厳しくても、どんなに単位を取るのが大変であっても、そんなことは関係ない。自分の興味や関心に従って、自分を成長させる授業を選ぶことが大切である。

最後に、インテンシブ・韓国語を担当されている金愛慶先生と、生越まり子先生に感謝を申し上げたい。金愛慶先生も生越まり子先生も、私のつたない韓国語を親身に聞いて、いろいろな指導をしてくださった。そして、何より私の努力を認めてくださったことが、本当に嬉しかった。私は現在、韓国語Ⅲの授業を履修している。私がこの最上級レベルの授業に足を踏み入れたのは、インテンシブ・韓国語で学び、鍛えられた自分がいたからである。私は今も、韓国語の習得はもちろん、新たな成長を求めて、突っ走っているのである。

  • 講評

    通常ならば挫折してしまうような自らの「アウエー」な立場から、努力と苦労によって授業を楽しみに思えるところまで成長した作者の様子がよく伝わって来た。自分に対する克己心と周囲とのコミュニケーションにより、授業を何倍も意味あるものにした作者の姿勢を評価したい。「自分の興味や関心に従って、自分を成長させる授業を選ぶ」大学での学びを再確認させてくれた作品だった。学ぶことの楽しさを知り現在も韓国語の学びを進める、作者のさらなる成長に期待したい。