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学生の意識調査からみる青山学院大学の学生像

はじめに

学務・学生担当副学長
全学FD委員会委員長
長谷川 信


本学は、2010年度より、すべての学部学生を対象に、学生意識調査を行っています。
この調査は、大学が学生の意識やニーズに関する客観的なデータを把握し、その全国比較と経年的な分析にもとづいて、教育改善や学生生活の充実を図っていくことを目的に実施しています。
同時に、個別の調査結果は受検した在学生にフィードバックされ、全体のなかでの自分の意識の特徴・位置づけが明示されます。これによって自己発見・自己認識が進み、学生生活における具体的な目標設定が容易になるように支援していくことが、この調査のもう一つの目的です。
さらに、将来のキャリアデザイン(進路・就職)に結びつくことを狙いに、フォローアップ講座を設定して受講学生の意識を高める企画を実施しています。

学年別の調査目的

本学における学生意識調査の目的を学年別にみると、以下のとおりです。

  • 1年次生(4月実施)

    (学生にとって)
    学生生活の目標設定、学びと進路のつながりを意識するきっかけとする。
    (大学にとって)
    入学時の意識、期待感を把握し、学生の意識の変化を測る起点のデータとする。

  • 2年次生(4月実施)

    (学生にとって)
    学生生活の振り返りをもとに、2年次以降の目標を再設定するきっかけとする。
    (大学にとって)
    1年間の学生生活の満足度・成長感を把握し、教育改善・学生生活の充実につなげる。

  • 3年次生(4月実施)

    (学生にとって)
    自己分析の結果にもとづいて、進路就職に結びつく、自己PRのポイントを明確にする。
    (大学にとって)
    学生生活の満足度・成長感と学生が身につけた能力を把握し、教育改善・学生生活の充実につなげる。

  • 4年次生(3月実施)

    (大学にとって)
    4年間の学生生活の満足度・成長感、学生が身につけた能力、本学の教育への評価などを総合的に把握し、教育改善・学生生活の充実につなげる。

在学生むけのフォローアップ講座

学生に対して調査結果を返却するとともに、学生のキャリアデザインや就職活動を支援するためのフォローアップ講座を1~3年生を対象に実施しています。各学年にふさわしい内容を、進路・就職センターと連携して実施しています。

  • 1年次生(4月実施)

    (目的)
    卒業後の進路を考えるきっかけをつくり、自己認識(強み・弱み)を深める。
    (内容)
    大学生活のテーマを検討する(正課授業・課外活動)・1年間の目標を立てる
    (参加学生の声)
    卒業後の進路を考えるにあたって、どういうことを考えて大学生活を過ごしたらいいのかを考えるきっかけになった。不安感が拭われ、頑張ろうと前向きになれた。自分のことも見えてきた!

  • 2年次生(4月実施)

    (目的)
    1年間で取り組んだことがらを振り返り、結果を参考にして自己の成長を認識する。
    (内容)
    就職活動で問われることを確認し、今後のテーマを検討して、1年間の目標を立てる。
    (参加学生の声)
    私は今年からアクティブに活動しているのですが、講義の中で「2年生の間にどれだけ経験しているかが大事」と言われたので、自分の今やっていることは間違いじゃないんだと勇気をもらいました。勉強と活動を両立させていくためにスケジュール管理をしてきたいと思います。それは将来、仕事と家庭の両立につながると思います。

  • 3年次生(4月実施)

    (目的)
    就職活動の具体的な流れを知り、大学生活での取り組みを振り返って、自己の強みを考える。
    (内容)
    自己PRを作成する。今後取り組むテーマを検討して、就職活動を視野に1年間の目標を立てる。
    (参加学生の声)
    改めて自分の将来について考えさせられた。今までいろいろと企業にアピールできるようなこと(東南アジアボランティア旅行など)を大学時代にしておいてよかったと思った。これからも人と差別化できるような社会経験を積んでいきたい。

2012年度入学生(1年生)のデータから

―入学生はどのような気持ちで入学しているのか、どのような期待を青山学院大学に寄せているのか―

1. 大学進学の理由

大学では、「興味や関心のあることを勉強」し、「社会で役立つ知識や技能を身につけたい」という理由から進学した学生が多く見られます。

2. 青山学院大学に入学した理由

「学びたい学問分野がある」「知名度の高さ」「大学のイメージ」「キャンパスの立地・環境の良さ」などの理由が多く挙げられています。

3. 大学の志望度合い、学部・学科の志望度合い

青山学院大学を第一志望とした学生は38.6%、希望した学部や学科に入学した学生は74.3%でした。

4. 大学で力をいれたいこと

本学の新入生は、「専門的な勉強」「語学に関する勉強」に高い関心を持ち、一方では「クラブ・サークル活動」「友人との交際」などの大学生活への期待を持っているようです。特に「語学に関する勉強」と「海外留学」は全国平均を上回っています。また、「教員との交流」「社会活動」「海外留学」などは近年関心が増加してきている様子がわかります。

5. 身につけたい英語のレベル

身につけたい英語のレベルは、「仕事ができるレベル」と「留学し、授業についていけるレベル」の合計が54.0%となりました。

(参考)
学部ごとの職業興味 学部ごとにみると、興味のある職業分野がやや異なることがわかります。

2012年度2年生のデータから

―2年生になった時の勉学・学生生活への評価―

1. 大学における勉学・生活の充実度

1年間の勉学と学生生活を経験して、大学生活が「とても充実している」「まあ充実している」と答えた比率は80.4%となりました。また、学部学科を後輩へも勧めたいかという問いには、「とても勧めたい」「まあ勧めたい」と答えた比率は73.0%となっています。

2. どのような能力を身につけるのに授業が役だっているか

入学後の1年間の授業は、「コミュニケーションスキル」「情報リテラシー」「論理的思考力」「問題解決力」「自己管理力」「倫理観」「生涯学習力」などの能力を身につけるのに役立ったと、60%以上の2年生が感じています。

3. どのような分野に成長感をもっているか

入学してから1年間の間に、「自己認識」「対人積極性」「社会理解」「知的活動性」「進路」の分野において、どの分野で特に成長感があるかを確認しています。「対人積極性」「知的活動性」「進路」などの項目においての成長感が高めに出ていることが本学の特徴のようです。

2012年度3年生のデータから

―3年生になった時の勉学・学生生活への評価―

1. 大学における勉学・生活の充実度

大学生活の充実度は、「とても充実している」「まあ充実している」を合計すると81.6%となります。2年生の充実度は約80%であったため、ほぼ同水準でした。学部学科をお勧めするかという問いについても2年生と同水準となりました。

2. 大学教育への要望

大学教育への要望は、「企業と接する機会」「文章やレポートを学ぶ」「思考方法を学ぶ」「教員と接する機会を増やす」などの比率が高くなっているようです。

3. 社会的強みの伸び(2010年度入学生の経年変化)

現3年生が入学時からどのような強みが伸びた自覚があるかを示しています。1年次から3年次まで本学学生が認識する“社会的強み(社会で求められる力)”は、「国際性(国際的な関心の高さ)」「現実的態度(実現可能な範囲で、最も効果的な方法を実行することができる)」が高く現れます。また、「自主性(人に左右されず、自分の考えで行動する)」「発信力(自分の意見をうまく発信する)」「指導性(人をまとめる)」「論理性(筋道を立てて考える)」「IT適応力(情報の収集・加工・伝達等をパソコンを駆使して対処する)」などの伸びが順調であることがわかります。

(補足:社会的強みについて)
評価:18項目ごと、3分類で偏差値を算出(偏差値:2006年度の大学3年生の調査結果をもとに標準化)
合計126問(1尺度あたり7設問)で構成しており、1問につき「非常にあてはまる」「ややあてはまる」「あまり当てはまらない」「まったくあてはまらない」で回答。
(例:「指示されなくてもやるべきことを見つけて動くことができる(自主性)」)

2011年度4年生(卒業生)のデータから

―本学で4年間を過ごした学生の大学に対する評価、要望など―

1. 大学における勉学・生活の充実度、お勧め度

4年間の勉強を振り返って、“学生生活は充実していたか”という問いに対し、「とても充実」「やや充実」という回答の合計は、87.0%となりました。また、“青山学院大学をお勧めしたいか”という問いに対しては、「勧めたい」「やや勧めたい」という回答の合計は77.4%となっています。

2. 大学教育・学生生活の満足度

大学教育・学生生活の満足度に関してより具体的な項目を調査すると、肯定的に回答する割合が高かった項目は、下記10項目でした。「大学のイメージやブランド」「学生ポータル」「図書館」「教養教育」「キャンパスの立地」「専門教育」「コンピュータールーム」「校舎・教室」などが特に学生の満足度が高い様子がわかります。

3. 大学で身についた力

大学の授業・講座の中で身についた能力は、「問題解決力」を筆頭に、「論理的思考力」「情報リテラシー」「生涯学習力」「倫理観」「自己管理力」「コミュニケーション・スキル」等の順位となっています。一方、大学の授業・講座の中で身についたものと、それ以外の場で身についたものを比較すると、大学で身についたものの割合が高かったのは、「論理的思考力」「情報リテラシー」「生涯学習力」「数量的スキル」となります。

4. 大学教育への要望(教育プログラムで増やしてほしかったもの)

大学教育への要望としては、「思考法を身につける授業やプログラム」「語学教育の充実」「社会人や企業と接する機会」「専門を深めるカリキュラム」「文章力を身につける授業やプログラム」等がありました。

本学が目指す人材育成と調査結果について

仙波憲一学長の基本方針は、「様々な分野や国境を問わず広い視野で物事を考え、常に新しい可能性を探究し学び続け、自分の個性や能力を高め、社会に対して積極的に発信していく」人物像を基本に、「高い倫理観と社会性を併せ持った人材を育成する」としています。
今回の学生意識調査では、入学した学生が勉学への関心と社会に役立つ知識、技能の修得に意欲をもち、また海外留学や語学学習に関して、高い意欲を示していることがわかりました。とくに海外留学への意識の高さが特徴的です。
2年生では、コミュニーケーションスキル、情報リテラシー、論理的思考力、問題解決能力などが1年間の授業の中で身についたと感じており、自己認識、対人積極性、社会理解、知的活動性などで成長感を感じています。
3年生になると、社会的強みとして、国際性、現実的態度、自主性、発信力などが、入学時から順調に伸びていると自覚しています。
そして、卒業時には、問題解決能力、論理的思考力、情報リテラシー、生涯学習力などを学生時代に身につけることができたと認識しています。
このように、今回の学生意識調査の結果は、4年間の教育課程が一定程度、学生の成長に寄与していることを示すとともに、人材育成の方針に沿って、さらに教育課程の充実に力を注いでいく必要があることを示しています。

学生意識調査の実施概要と回答人数について

「青山学院大学の学生像」の基礎になった学生意識調査の実施概要は、以下の通りです。

■実施期間
1年生~3年生:各年度の4月~6月
4年生:2012年1月~3月

■実施方法
1年生:オリエンテーション期間・着席形式
2年生・3年生:履修ガイダンス期間・着席形式・もしくは自宅回答形式
4年生:全卒業予定者に対し、調査票郵送の上自宅回答形式

■受検人数
【1年生 学生意識調査】
 2012年度 3,899名(2011年度:3,913名、2010年度:3,419名)
本文書に参考として掲載した全国データは、2012年度1年生にベネッセコーポレーションの「大学生基礎力調査Ⅰ」を受験した86,063名のデータ(2012年6月末時点)
【2年生 学生意識調査】
 2012年度 2,585名
本文書に参考として掲載した全国データは、2012年度2年生にベネッセコーポレーションの「大学生基礎力調査Ⅱ」を受験した16,486名のデータ(2012年6月末時点)
【3年生 学生意識調査】
 2012年度 2,405名
【4年生 学生意識調査】
 2011年度 1,086名