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シリーズ14.コロナ禍とレジリエンス

梅雨明けを前に不安定な天候が続いています。高温多湿の寝苦しい夜もありますが、生活のペースは保たれているでしょうか?

春先から始まった新型コロナウイルス感染症により日常生活が大きく変わりました。授業がオンライン形式になり、さまざまな活動が大きく制限される日々が続きました。これまでにない環境の変化に戸惑いを感じ、見通しが立たない不安から、鬱屈した気持ちを抱え込んでいる人もたくさんいるのではないでしょうか。この特別な状況に付き合うことは、誰も簡単なことではありません。皆さんはきっとそれぞれが色々な工夫や努力を重ねて、ここまで生活を続けて来られたに違いありません。

「レジリエンス」という言葉があります。これは回復力、復元力、弾力性などと訳され、困難な状況に陥ってもそれを乗り越え立ち直ろうとする力のことです。普段、特別に意識することがないのですが、私たちは生活のさまざまな出来事を乗り越えるために、このレジリエンスを発揮して生きていると言えます。

前期も学生の皆さんから色々な声が届きました。「コロナでできないことが増えてしまったけど、できることを探そうと発想を変えてみた」「楽器の演奏を上手くなろうと動画で自主練したら着実にスキルが上がった」「自炊に挑戦したら安価で栄養がしっかり摂れることがわかった」「授業で話題になったことを考え続けてみたら頭が整理できた」

今、誰もが先の見えない不安の中にいます。その不安を無視して、無理にポジティブに物事を見ようとすると、心は固くなって却って折れやすくなります。不安や不満、落ち着かなさなど、自分の心の中にあるネガティブな感情を、まず目を背けずにしっかり認めてあげましょう。その上で、ちょっとラクになりそうなこと、少しだけよさそうなことがないか粘り強く探してみる、そんな小さな試みが自分自身の今を大切にし、未来につなげていく原動力になるのではないかと思うのです。

レジリエンスは心のしなやかさとも言えます。この環境下において、土の中で根を大きく張るように皆さんの中のレジリエンスは確実に育っているはずです。
前期も残すところひと月となりました。息切れしないようにいっしょに乗り切っていきましょう。