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シリーズ10.今、思うこと(1)

最近読んだ文章を紹介します。
藤原辰史さんの『パンデミックを生きる指針―歴史研究のアプローチ』、検索すると出てきます。友達が、京都新聞にも載っていた、評判いいらしいよと、メールで教えてくれました。もとは、岩波新書HP「岩波新書のB面」に掲載されたものです。
まず「起こりうる事態を冷徹に考える」と述べられています。藤原さんは京都大学で農業史を研究している史学の人です。文系の研究者として、「虚心坦懐に史料を読む技術を徹底的に叩き込まれてきた、その訓練は、過去に起こった類似の現象を参考にして、人間がすがりたくなる希望を冷徹に選別することを可能にするだろう。」と言っています。理系の専門家でなく、文系の人間ができることは何かというところからの提言です。
文系であっても理系であっても、学ぶということは、冷徹に選別する力を得ること、そして思考を言葉や行動や制作という表現や形にしていくことが出来るようにするということなのでしょう。ここで言うすがりたくなる希望というのは、危機に対する(たぶん大丈夫、何も変わらずにいられる)という思いなのですが、「思考の止まった」楽観的な逃げの姿勢でなく不安や臆病になることでなく、こういう状況に、どう生きるのか、どう生きようとするのかを考えることが、学んできた者が成すべきことと言っていると思いました。(文章は、国としてどういう方向に行くのかという、主体は国なのですが、今、のような危機状態は、一つ船に乗っているような状況ですので、私たちはどうするのかということで考えていきたいと思います。)冷静ではなく、「冷徹に」というところが、この文章に共感したところで、皆さんに、この話をしようと思ったところです。
冷徹とは冷静とどう違うのでしょうか。冷静とは感情のコントロールのことです。ある意味、個人の資質的なところもあって、曖昧なところがあります。コントロール出来ているつもりが出来ていなかったり、それで疲弊してしまったり。では、冷徹とは、、、考えの根本を見通すこととあります。感情的にではなく物事の本質を見極めること、そのためには、知識とともに手段としての技術の訓練も不可欠なこととして、学びを重ねていく。冷徹というのは、学んできた者のできる強みであると思います。
経済的に、社会的地位として、学生は弱者と思われるかもしれませんが、人は皆、特に若者は、弱者を助ける強き人であるということをお伝えしたいと思いました。大人は、守るものが多いほど、変わることに対して弱いということもあります。学生は、学べるということ、変われるということに自信を持って、前に進んで欲しいと思いました。
参考資料
:藤原辰史『パンデミックを生きる指針-歴史研究のアプローチ』
https://www.iwanamishinsho80.com/post/pandemic