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新入学・新学期を迎える学生のみなさんへ 

  • 人は何のために生きている?

    新入生・在校生共、新学期を迎える今だからこそ4月からの学校生活やこれからの人生について考えてみてはいかがでしょうか。
    「人は何のために生きているのだろうか」と考えたり、悩んだりしたことはありますか。何のためであるのか、本当のところは誰にもわからないことのような気がします。

    私の話をしますと、私は18才くらいのときに「人は何のために生きているのか」と悩み、勉強がまったく手につかなくなりました。高校3年生のときから2年くらい悩んで私なりに出てきた答えが「幸せになるために生きている」でした。私にとって、幸せになるとは人生を楽しむことで、人生を楽しむこととは真実に触れること、善いと思うことをすること、美しいものを美しいと感じることであると思いました。これは私がたどりついた私なりの答えであって誰かに押し付けるものでは決してありませんが、何が起きても「そこにどのような真実があるか」と自然に考えるようになりました。またどんな窮地であっても(もしかするととても不謹慎なことであるのかもわかりませんが)まるで遊びに近い心を伴って生きるようになったような気がします。

  • 身動きがとれないとき

    次に学生の話をします。ある日、卒論が書けずにいる4年生が学生相談センターに相談にみえました。その学生は「卒論は何のために書くのか」と私に聴いてきました。その学生曰く「書いて誰か他の人や社会に役立つなら書くけれど自分の論理力を高めたり、大学を卒業した一つの証として書いたりする程度なら自分はそのような力を身に着ける機会や記念みたいなものは求めてないので要らない。だから書きたくない、書けない」というのです。

    卒論に限らず、悩むことは大事です。でも「判断ができなくなって身動きがとれなくなる」のは「悩んでいる」のとは少し違うと思います。このようなとき、少しだけ気軽に考えてみたらどうでしょう。これから生きていく上で自分が「そんなもの必要がない、そのために時間を使いたくない、でもすることを避けることもできない、どうしよう」と立ち往生しすぎてしまうくらいなら、次のように発想を転換してみてはどうでしょうか。

    社会では“信頼を得るため”とか“お付き合い”などで(他の理由もたくさんあると思いますが割愛します)「実行しておいた方が後々自分が楽になること」などがあります。でも「そんなことで自分を消耗したくない」というのであればあるほど、そこに時間を消費しないためにも「ではどうしたら最小のエネルギーで必要十分な効果を得られるだろうか」とあたかもゲーム感覚でそのやり方を見出だすことにチャレンジしたら、苦痛も和らぐのではないでしょうか。

    矛盾するようですが、もし嫌なことを避けて済ませられるようでしたら避けたり逃げたりするのも良いと考えます。ブラックな環境から逃れること、生命を第一に考えることは大事なことです。避けたり逃げたりもできない、なんとか乗り切りたいと追い詰められたとき、「閉塞感から抜け出せる道はきっとありますよ」ということです。

  • コロナ禍でイライラする

    コロナ禍の自分についてはどうでしょう。「せっかく受験勉強に集中して青学に入ったのに、大学に入ったらいろいろなことを楽しみたいと思っていたのに、コロナ禍でできないじゃないか」と誰かを恨んだり怒りをぶつけたりしても、さほど自分の状況は変わらないのではないでしょうか。それよりも、どうしたら欲求が満たされるのだろうかと考えてみます。例えば“感染リスクに十分気を付けつつ人と会ったり経験を重ねたり”ということは可能です。さすがに海外に行くことについては制限があるのは事実で、当然ながら限界はありますが。「“リスク回避”と“欲求を満たすこと”の折り合いを見出すような考え方もある」ということです。

  • 人生に正解はない

    これまでの受験勉強では正解が一つだけありました。でも皆さんがこれから生きていく上では、一つだけの正解しかないという場面はほとんどありません。ですからここで述べたように能動的で主体的に物事を考える習慣を今から身に着けようと意識して暮らすことをお勧めします。その際に思い出してほしいのが最初に述べた遊び心(playfulness)です。窮地に出くわしても「これは真実を知るための良い機会かもしれない」「必ず自分なりの答えがあるはず」などとその人なりの遊び心をもって考えると人生はもしかしたらより楽しくなるかもしれませんし、良いアイデアが浮かびやすくなる、そう私は実感します。

    「生きづらさを抱えている、自分だけでは立ち往生するばかりで出口がみえない」という学生はもちろん、「ちょっと何言っているかわからない、でも何か大事なことを言っている気がして気になる」とか「いや自分は、その考えとは違う考えをもっている、それをカウンセラーに直接話したい」といった人も、カウンセラーに何でもお話ししにきてくださってもちろん構いません。皆さんがより充実した学生生活をおくれるよう応援したいという気持ちでお待ちしています。悩みは成長のチャンスと考えてみてほしいと考えます。