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2026.09.15
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【理工学研究科】市川裕真さんが「14th Asian and Oceanian Photochemistry Conference」で「Impressive Poster Award」を受賞
2026年9月4日(金)~ 8日(火)、神戸商工会議所で開催された「14th Asian and Oceanian Photochemistry Conference」において、理工学研究科化学コース博士前期課程1年・阿部二朗教授研究室所属の市川裕真さんが、「Impressive Poster Award」を受賞しました。
本賞は、14th Asian and Oceanian Photochemistry Conferenceにおいて、学生による研究発表の中から特に優れたものに贈られるものです。今年度は122件のポスター発表が審査対象となり、そのうち23名の学生が受賞しました。
市川さんの発表題目は「Stepwise Two-Photon Photochromism Using NIR and Visible Light in a Biphotochromic Molecule(近赤外・可視光に応答するバイフォトクロミック分子の段階的二光子フォトクロミズム)」です。一般的なフォトクロミック分子では二つの状態間を光や熱で切り替えますが、より多くの状態を選択的に制御できれば、光スイッチング分子としてさらに高度な機能を持たせることができます。市川さんは、近赤外光と可視光という異なる波長の光を用いて、三つの異性体を段階的に変換できる新規フォトクロミック分子を開発しました。本分子では各異性体の吸収帯が大きく分離しているため、近赤外光による第一段階の異性化と、可視光による第二段階の異性化を波長選択的に進行させることができます。さらに、生成した異性体は熱反応によって元の状態へ戻ることから、光と熱を利用して複数の分子状態を可逆的に制御できます。このような多状態かつ段階的な光応答は、高密度情報記録や分子スイッチなどへの応用が期待されます。市川さんの発表は、優れた研究成果に加え、発表スキルや質疑応答における態度も高く評価され、本賞の受賞に至りました。
*フォトクロミック分子とは:光照射により可逆的に構造が変化し、色や性質が変わる分子のことです。阿部研究室では、色や性質が高速に変化する独自の高速フォトクロミック分子を開発しており、屋外でのみ着色するサングラスやリアルタイムホログラムなど、従来にない応用が期待されています。
本研究は、日本学術振興会・科研費 JP26K22782、およびJP23H04878(学術領域変革研究(A) メゾヒエラルキーの物質科学)の支援による研究成果です。
「14th Asian and Oceanian Photochemistry Conference」で「Impressive Poster Award」を受賞した市川裕真さん 受賞者からのコメント
市川裕真さん(理工学研究科 理工学専攻 化学コース 博士前期課程1年・阿部二朗教授研究室所属)
このたび「Impressive Poster Award」という栄誉ある賞をいただき、大変光栄に思います。近赤外光と可視光を用いて段階的に光異性化するフォトクロミック分子の開発に取り組む中で、合成、光学測定において多くの試行錯誤を重ねてきました。今回、このような形で研究成果を評価していただけたことを大変うれしく思います。本受賞は、日頃よりご指導いただいている阿部二朗教授、相澤匠助教、そして研究室の皆さまのご支援のおかげです。心より感謝申し上げます。今後も本受賞を励みに、研究をさらに発展させられるよう一層精進してまいります。
「14th Asian and Oceanian Photochemistry Conference」で「Impressive Poster Award」を受賞した市川裕真さん 指導教員からのコメント
阿部二朗教授(理工学部化学・生命科学科)
市川さん、このたびのImpressive Poster Award受賞、誠におめでとうございます。近赤外光と可視光を使い分けることで、複数の分子状態を段階的かつ選択的に制御するという本研究は、光応答分子の新たな可能性を拓く成果です。市川さんは、分子設計・合成から光化学特性の解析まで、試行錯誤を重ねながら粘り強く研究に取り組んできました。今回、研究成果だけでなく、国際会議における発表や質疑応答も高く評価されたことを大変うれしく思います。博士前期課程1年という早い段階での今回の受賞を励みに、今後さらに研究を発展させ、大きく飛躍してくれることを期待しています。
