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2026.09.15
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【理工学研究科】三橋花楓さんが「2026年光化学討論会」で「優秀学生発表賞」を受賞
2026年9月8日(火)~ 10日(木)、神戸大学鶴甲第1キャンパスで開催された「2026年光化学討論会」において、理工学研究科化学コース博士前期課程2年・阿部二朗教授研究室所属の三橋花楓さんが、「優秀学生発表賞(口頭)」を受賞しました。昨年の2025年光化学討論会では、「優秀学生発表賞(ポスター)」を受賞しており、2年連続の受賞となりました。
本賞は、2026年光化学討論会において、学生による研究発表の中から特に優れたものに贈られるものです。今年度は24件の口頭発表が審査対象となり、そのうち7名の学生が受賞しました。
三橋さんの発表題目は「Stepwise Photochromism of Pyridyl-Bridged Macrocyclic
Biphotochromic Molecules(ピリジル基架橋大環状バイフォトクロミック分子の段階的フォトクロミズム)」です。一般的なフォトクロミック分子では、二つの状態を光や熱によって切り替えます。二つのフォトクロミックユニットを一つの分子に組み込むことで、複数の状態を作り出し、それぞれの状態の寿命を制御できれば、より複雑な光応答を実現できます。三橋さんは、二つの逆フォトクロミックユニットを環状構造に組み込んだ新しい分子を開発しました。その結果、光照射を停止した後の熱戻り反応において、二つの段階で反応速度が大きく異なることを見いだし、非線形な熱戻り挙動を示すことを明らかにしました。このように、一分子内に二つのフォトクロミックユニットを環状に組み込むことで、ユニット同士の構造的な関係が熱戻り反応の速度に影響し、複雑な応答が生じることが示されました。本研究は、光の強度や照射時間に応じて異なる応答を示す、新たな光応答性分子の設計につながるものと期待されます。三橋さんの発表は、優れた研究成果に加え、英語による発表スキルや質疑応答における積極的な姿勢も高く評価され、本賞の受賞に至りました。
*フォトクロミック分子とは:光照射により可逆的に構造が変化し、色や性質が変わる分子のことです。阿部研究室では、色や性質が高速に変化する独自の高速フォトクロミック分子を開発しており、屋外でのみ着色するサングラスやリアルタイムホログラムなど、従来にない応用が期待されています。
本研究は、日本学術振興会・科研費 JP26K22782、およびJP23H04878(学術領域変革研究(A) メゾヒエラルキーの物質科学)の支援による研究成果です。
「2026年光化学討論会」で「優秀学生発表賞(口頭)」を受賞した三橋花楓さん 受賞者からのコメント
三橋花楓さん(理工学研究科 理工学専攻 化学コース 博士前期課程2年・阿部二朗教授研究室所属)
この度、「優秀学生発表賞」という栄誉ある賞をいただき、大変嬉しく、光栄に思います。本研究では、2つのフォトクロミックユニットを環状構造に組み込むことで、熱戻り反応に速度差を生じさせ、非線形な熱戻り反応を実現しました。合成や光学測定、速度論解析において多くの困難に直面しましたが、試行錯誤を重ねながら研究に取り組むことで、成果を得ることができました。今回の受賞は、日頃よりご指導いただいている阿部二朗教授、相澤匠助教、そして研究室の皆さまのおかげです。心より感謝申し上げます。今後は本受賞を励みに、一層研究に精進してまいります。
「2026年光化学討論会」で「優秀学生発表賞(口頭)」を受賞した三橋花楓さん 指導教員からのコメント
阿部二朗教授(理工学部化学・生命科学科)
三橋さん、このたびの「優秀学生発表賞(口頭)」の受賞、誠におめでとうございます。三橋さんは、昨年の2025年光化学討論会においても「優秀学生発表賞(ポスター)」を受賞しており、2年連続で研究成果と発表力が高く評価されたことを大変うれしく思います。
今回の研究では、二つのフォトクロミックユニットを環状構造に組み込むという独創的な分子設計により、段階的で非線形な熱戻り挙動を実現しました。合成から光化学特性の評価、速度論解析まで粘り強く研究を進め、興味深い成果へと結びつけた点は高く評価できます。また、本討論会では英語での口頭発表という大きな挑戦に対し、入念な準備を重ねて本番に臨んでいました。当日の堂々としたプレゼンテーションはもちろんのこと、専門的な質疑に対しても的確かつ積極的に議論を交わす姿は大変頼もしく、その姿勢が審査委員の皆様に高く評価されたことを、指導教員としても大変誇りに思います。今回の栄えある受賞を大きな自信と糧にして、光化学の分野に新しい展開をもたらす研究者へと成長していくことを大いに期待しています。
