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2026.10.16

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【理工学部】山崎了教授が参加するチェレンコフ望遠鏡アレイ天文台(CTAO)プロジェクトの大型望遠鏡4基が完成

発表のポイント

◆スペイン・カナリア諸島ラ・パルマ島のチェレンコフ望遠鏡アレイ天文台(CTAO)北半球サイトで、口径23メートルの大口径望遠鏡(LST)4基が完成しました。
◆約20ギガ電子ボルト以上の宇宙ガンマ線を観測でき、CTAOの望遠鏡の中で最も低いエネルギー領域の観測を担います。
◆暗黒物質の正体、宇宙線(宇宙を飛び交う高エネルギー粒子)の発生源と、極めて高いエネルギーまで加速される仕組みなど、天体物理学、素粒子物理学、宇宙論の根本的な問いに取り組みます。

概要

2026年10月15日、スペイン・カナリア諸島ラ・パルマ島のロケ・デ・ロス・ムチャーチョス天文台にあるチェレンコフ望遠鏡アレイ天文台(CTAO)北半球サイトで、世界各地の主要研究機関から集まった科学者や関係者250人が、大口径望遠鏡(LST)アレイの完成を祝う記念式典に参加しました。4基の望遠鏡の完成は、世界の天体物理学研究にとって重要な節目であり、CTAOの本格的な科学観測に向けた大きな一歩です。

LST国際共同研究グループには、日本からは東京大学宇宙線研究所(ICRR)、千葉大学、名古屋大学、甲南大学、京都大学をはじめ多くの機関が参加しており、本学からは山崎了教授(理工学部 物理科学科)が参加しています。

発表内容

CTAO LSTは、各基が口径23メートルの反射鏡と最先端の超高速カメラを備えています。超高エネルギーのガンマ線が地球の大気と反応して生じる、かすかなチェレンコフ光を検出するために設計されています。約20ギガ電子ボルト(GeV)から数テラ電子ボルト(TeV)のエネルギー帯のガンマ線を、世界最高の感度で観測できる装置です。
この優れた感度は、遠方の天体や、突発的に明るさが変わる天体を捉える上で重要です。エネルギーの高いガンマ線ほど宇宙空間を伝わる間に吸収されやすいため、低いエネルギーのガンマ線を観測できるLSTは、宇宙論的な距離にある天体を調べ、宇宙のより古い時代を見通すことができます。また、明るさが刻々と変わるガンマ線天体のごく短い時間での変動も、より高い精度で調べられます。

【先駆けとなったLST-1の成果】
大口径望遠鏡の初号機(LST-1)は、性能検証・調整段階にありながら、2020年以降、画期的な成果を上げてきました。その成果には、パルサーの観測、宇宙のはるか遠方にある活動銀河核の研究、新星やガンマ線バーストなど、突発的な現象への迅速な追観測が含まれます。
既存のLST-1に新たな3基のLST(LST-2、LST-3、LST-4)が加わることで、4基の望遠鏡は本格的なアレイとして機能するようになります。同じガンマ線が大気中で引き起こす粒子のシャワーを複数の方向から同時に観測することで、ガンマ線を捉える感度、到来方向を特定する精度、エネルギーを測定する精度が大幅に向上し、ガンマ線で宇宙を探る研究は、精密観測の新たな時代に入ります。

【初期宇宙を見通す】
LSTは、CTAO北サイトで低エネルギー側のガンマ線観測の中核を担い、約120億年前、宇宙誕生からまだ20億年が経っていない時代の宇宙を探る貴重な機会をもたらします。低エネルギーのガンマ線に対する高い感度により、遠方で発生する明るい超高エネルギーガンマ線バーストの検出と研究が可能になります。これにより、宇宙における距離の指標である赤方偏移が約4の天体まで、ガンマ線による観測範囲が広がる可能性があり、初期宇宙に関する新たな知見が得られると期待されます。
今後数年にかけて、LSTは試運転と調整を進め、CTAOの観測運用に組み込まれていきます。両サイトに設置が計画されているほかのCTAO望遠鏡とともに、暗黒物質の正体、宇宙線の起源、宇宙で粒子を極めて高いエネルギーまで加速する現象の仕組みなど、天体物理学、素粒子物理学、宇宙論の根本的な問いに取り組みます。

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