ヨーゼフ・ラスカ（1886-1964）は、1923-1935年、関西に滞在し、宝塚音楽歌劇学校、神戸女学院で音楽教育にあたり、また宝塚交響楽団を創設して指揮者を務めた音楽家です。ラスカが1935年に作曲した《青山学院行進曲》の自筆譜が、根岸一美氏（大阪大学名誉教授）によって発見され、今年6月には青山学院創立150周年記念事業として、青山学院管弦楽団による初演が実現しました。また10月19日には、同じく記念事業として「《青山学院行進曲》作曲者ヨーゼフ・ラスカ　没後60周年記念レクチャーコンサート」が青山学院大学ガウチャー記念礼拝堂で開催されます。

本展は、その関連企画として、ラスカの教育活動を中心に、コンサートで演奏される曲などについて、根岸氏の著書『ヨーゼフ・ラスカと宝塚交響楽団』他、よりご紹介するパネル展示です。

ラスカは二つの世界大戦で長年の収容所生活を余儀なくされました。また日本での12年間の滞在に終止符が打たれたのも、彼の意志に反し、日本への再入国を拒絶されたためでした。そのような困難な状況にあっても作曲活動を続けたラスカについて、本展を通じて多くの方に関心をもっていただければ幸いです。

どなたでもご覧になれますので、ぜひ、ジェンダー研究センターギャラリーにお立ち寄りください。